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都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 19 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

白人にとって不快なのは、テーブルでニグロと隣り合わせに坐ることや、ニグロの隣りの洗い場で洗面することではなく、こういうことが平等の地位を意味するという事実である。(ケネス·B·クラーク『アメリカ黒人の叫び ダーク·ゲットー』より)

【詩】

珈琲がないのは
私のせいではない
と言ふか
誰に責任について所存があらう?
エメラルド·マウンテンにハワイ·コナ
のブレンド
畸つ怪なお味だつたが
今では戀しい。
さて私以外の家族の
苛立ちを眺めてゐると
かつて「反社會的行為」で
警察署に出頭した時 母と宵の口
待たされた事を
思ひ出す.. (JT赦すまじ
いつか訴えてやるからな!)
また今度はなんだ?
猪でも出たか?

私は - 私だけは、知らない。

©都築郷夫

【雑詠①・十吟】

あにおとゝ滑子と記憶の物語
(©都築郷夫)俳句 kigo

息するが萎んだ如く残暑の夜
(©都築郷夫)俳句 kigo

シャッターを閉ざした本屋何かしゆんとす
(©都築郷夫)川柳 senryu

趾臭はぬと言ふこと貴重と思ふべし
(©都築郷夫)川柳 senryu

月はどの相ぞ空見てスマホ見て
(©都築郷夫)俳句 kigo

錆ついた幾重もの人讀み解いて昔書いたる歌詞ぢやんそれつて
(©都築郷夫)短歌 tanka

何のことかさつぱりだが説明さると餃子も複雑あなたも煩悶
(©都築郷夫)短歌 tanka

在位期間邪魔だつたらと隠れ家に
(©都築郷夫)川柳 senryu

シッチャカーとメッチャカーと両者名付けたりよく見る野良の兄弟らしく
(©都築郷夫)短歌 tanka

十吟と記してのちに発句すが
(©都築郷夫)俳句(無季) withoutkigo

【最低限の實話】

水飲んで発句せよと云ふ野老(ところ)掘り
(©都築郷夫)俳句 kigo

と吐いたが、どうにも春の季だか秋の季だか
定かでない 野老は、自然薯のこと
まあいゝ加減に秋のボックスに入れた
(春夏秋冬入れる「箱」がスマホ内にあるのだ)
自然薯など、高価くて私の口には届かない
かと言つて「芋粥」のあの人(五位)のやうに
始終考へに登る、そんなもんでもない
どうも詩がニヒリスティックになる嫌ひが -
私には一句残つた。それで充分。

©都築郷夫

【虚言箴言】

珈琲が切れたことに関して、頭が一杯になつたあなた - そこで一杯喰はされた気持ちが派生する訳だ。-ラ=ロシュフコオ(大嘘)

贋者アフォリズム、今回は言葉遊び篇かな。お猪口一杯の「一杯」と、お腹一杯のそれが全く関係ないのに同じ表現を取る日本語は面白い!ホンモノだつたらおフランス語なので、どうなつてゐたことやら。都築。

【雑詠②・八吟】

飛び込んでみたいの大人のオトコの胸そんな広い..持ち合はせないが
(©都築郷夫)短歌 tanka

混ぜご飯のやうで言葉の綾ですよ
(©都築郷夫)川柳 senryu

「眠たい」が僕を支配す乙女座の日
(©都築郷夫)俳句 kigo

打ち込めば薬も忘れるそれつて滑稽?
(©都築郷夫)川柳 senryu

吝嗇が顔に出てゐる婆がゐてそれの子分が親子愛なのか
(©都築郷夫)短歌 tanka

東西の欧では文化の源泉のひとつにサーカスありロマの民成す
(©都築郷夫)短歌 tanka

焼き過ぎて西瓜色なる人の顔
(©都築郷夫)俳句 kigo

批評性俳句目醒めよ新涼得ば
(©都築郷夫)俳句 kigo

【漫筆つれづれ】

これは我自身にご褒美どころぢやない五輪ヴォランティアポイ捨て志願
(©都築郷士)狂歌 kyoka

 なんてことにならなければよいが。労務者の方々は雇はれてゐるのか..。
 とは言え讀み返してみると、己つて社会性薄い物書きやなー、と。マウス姐曰くツグオミ(←これ世俗での己の名です)つて結構社會派だね、らしいのだが、この界隈で話しをしてゐると、誰がどれくらゐの右なのか左なのか、こんがらがつてしまふ。
 東京湾にアサリ大量投入とか、生態系には影響ないんか、とか、都民はどう思つて小池氏を再度知事に据へたのか?大阪とあんまり変はらないなー。なんてな。私は県民。
 つー事で、今回も此にてお役ご免。菜つ葉ばつか食つてやがつたからなあ、の菜つ葉が高価いと聞いた。..そんな感じで擱筆。チャオ。都築拝。

伊達酔狂だからねと我がドヤ顔あげて
(©都築郷夫)川柳 senryu オマケ

ばつはゝーい。

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