都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 21 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

その爆弾の製造計画には、はじめ俺も荷担していたのだが、中途で除外された。暗殺の仲間から俺や砂馬ははずされた。俺は特に若かったから、ここで死なないで、生きのびて、消えがちのテロリスト精神の火を守れと言われたのだ。(高見順『いやな感じ』より)

【雑詠・十吟】

ノンカフェインで臨む執筆時間には恐らくは蛇が出るイヴ抜きで
（©都築郷夫）短歌 tanka
※これは孤獨感に関する断章であり、女性差別の歌ではない。

明日血みどろで見つかる己よさやうなら
（©都築郷夫）川柳 senryu

スカトロジーの詩ばかりを書く残暑かな
（©都築郷夫）俳句 kigo
※暑さ倍増笑。

考証家・介山に古武術書いた本
（©都築郷夫）川柳 senryu

秋刀魚高騰で我が秋刀魚塚淋しみぬ
（©都築郷夫）俳句 kigo

いゝ加減己を放せよ思ひ出よ感傷も新しきが欲しいもんだ
（©都築郷夫）短歌 tanka

珍しく狂歌詠む時変換に｢狂歌｣と出てくるAIちとコワ
（©都築郷夫）狂歌 kyoka

秋物の帯にたばさむ扇子かな
（©都築郷夫）俳句 kigo

ヘコキムシではありませんヘヒリムシ
（©都築郷夫）俳句 kigo

乞食だと我を呼ばうた店員がブックオフには實在しけり
（©都築郷夫）短歌 tanka

【詩①】

ZZZとは限りなき擬音なのか
草野心平の蛙のるるるのやうに
私の鼻腔より宇宙へと
流れる小川みたい
Across The Universeだねえと
しんみりしてゐる
が、やはり眠いと
そのしんみりが直結して
そこは所謂｢眠リノ國｣
そーこーへゆーけばーどーんーなゆうめもお
おゝ今度はゴダイゴ？齡ばれる笑
まあそんな殺氣立つてもゐないし
許される範囲の夜更かしでせう？
だけどこゝで詩がぶつりつて途切れたら
結構コワいもんがあるな
脳梗塞がﾌﾞﾂﾘ

©都築郷夫

上の写真で私が首からぶら下げてゐるのは、ミキモト謹製ループタイ、小さいが本眞珠が付いてゐる。勿論中古品、古着屋で購つた物だが、¥200-だつたのは、どう振る舞つても自慢。ループタイ(正確にはボロウタイ)はいゝね。長らくお歳寄り向けとなつてゐたのがうなづける。気楽なのである。普通にこのコーディネートだとタイドアップはな、けどもうひと味欲しい、と言ふ時に便利。私は４つ持つてゐる。で、なんで己がファッション評論してゐるのだピーコさんか笑？いやゝつぱりマンネリズムは嫌なのだ。つー事で、次はオリジナル箴言。都築でした。

【虚言箴言】

あゝ夜風が涼しくなつてきたな、と言ふ頃が、神に召される人の数に於いて最も多い。-ラ=ロシュフコオ(大嘘)

　まあ緊張の糸がほぐれる、と言ふ事でせうな。この贋ラ卿は飽くまでも箴言家であつて、医療従事者でもないし、社會科學者でもない。ゆゑに正確な統計を採つてゐる訳ではない。あるのは箴言家としての直感だけである。
　とは言へさう云ふイマジネーションが一番当たつてはゐる事も多い。皆様、くれぐれもご自愛のほどを。都築。

【詩②】

私の入眠はいつも
氣絶と言つた方が、当たつてゐる。

越し方のあるゆゑ私の眠りある
（©都築郷夫）川柳 senryu

脳が言ふ。私たち疲れたわ
スウィッチ消すわよ、もう。何故女言葉？

脳ぢかに人と喋りぬる幻想よ
（©都築郷夫）川柳 senryu

やけに格調の髙い柳だな -
むざんやな兜の下のきりぎりす(芭蕉)

脳が直接人に語りかけたら
肉体を通して語るのと

どう違つて來る、だらう？

そればつかりは
天才外科醫にも分かるまい、むしろ

生理學とか病理學
の方が、正しい答へを用意してゐさうだ。

この詩が詩と安易に呼ばるは我が意でない
（©都築郷夫）川柳 senryu

結局柳三昧になつた、
さて朝だね　まだ空薄暗いけど。

©都築郷夫

【うちわオチ】

　特殊な事情あり、カフェインレスで夜通しこれを書き、編纂した。案外(私はいつも｢これで終はり｣と言ふぎりぎり志向で、今回いつにも増してその傾向が強かつたです)最後つ屁テイストで、新しいチャレンジが畳み込まれてをり、自分の地力、さう舐めたもんぢやないな、と。
　舐めるのはアイスキャンディとLSDペーパーだけで良い。まあ問題ぶくみなのはいつものことだ。
　ぢや、今日と言ふ一日、行つてみやう！チャオ！都築拝。