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★【戦術】攻撃時の戦術判断

(このnoteでは、強い高校野球チームを作るための方法を仮想の高校を見立ていろいろな角度からシミュレーションしております。野球に携わる様々な方に何らかの形でお役に立てるとうれしいです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤

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試合で勝利するのためには、相手よりも多くの点を獲得する必要があります。守備で相手を0点に抑えても、点を奪わなければ勝つことはできません。

トーナメント戦は一発勝負のため、何が起こるかわかりません。実力があるチームであっても、1・2点しかリードしていない状態で終盤思わぬミスにより失点をし敗戦するケースはよくあります。
不用意な取りこぼしないよう勝つ確率を高めるためには、取れる点数は確実に取る攻撃力が重要になります。状況に応じ適切な戦術で点数を取りにいくことがポイントです。


打つだけでは得点を取るのが難しい相手投手の場合、どのように得点を取るか?少ない出塁で効率良く得点を取るか?その方法を選手全員が理解し対応できるような練習を繰り返しておくことで、試合のときの引き出しを多くしておきます。

効率よく得点を取る方法

単打と長打・連打の確率

相手のミスではなく自力で得点を取るには、3アウト以内に走者を出し本塁まで生還させる必要があります。その場合単打より長打のほうが効率よく得点を取ることができます。
  単打の場合 … 3アウトの間に最低でも2~3本のヒットが必要
  長打の場合 … 3アウトの間に2本のヒットがあれば得点可能
この想定は”連打が出た”という想定ですが、実際は試合の中で連打を出すということはなかなか難しいことになります。

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連打を出すのが難しい例 (打線全員の打率が.333の想定)

.333は一般的に良い打者の言われる打率3割を全員がオーバーしている”良い打線”ということになります。この場合、
    一人ひとりの打者が安打を打つ確率 → 1/3 (.333)
    2連打が出る確率 → 1/3×1/3=1/9 (.111)
    3連打が出る確率 → 1/3×1/3×1/3=1/27 (.037)

良い打者が並んだ打線でも、2連打の確率は約11% 3連打の確率は約4% ということになります。

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このように、確率から見ても連打で得点を大量に取り勝つことはなかなか難しいことがわかります。

アウトカウント別の得点の確率

また上記同様の安打が出る確率で考えると、先頭打者で安打が出たほうがまだ3アウトになるまで攻撃のチャンスが多くため(2アウトまではOK)、得点の可能性は高くなります。


以上から考えると、打者が安打を打つ確率があまり高くない(一般的な)打率であれば、少ない安打数でも効率的に得点を取るためには

 ● 安打以外の出塁の方法(四死球 等)を狙っていく。
 ● 先頭打者の出塁に意識を集中する。
 ● (単打でなく)長打が狙える打撃力を身につける。
 ● 安打以外の進塁方法(バント・盗塁・ヒットエンドラン・
                 犠牲フライ…)を絡め攻撃する。

ということになります。

バントするか?ヒッティングにするか?

走者が出るとより得点を取ることができる確率を高くするため、バント・盗塁・ヒットエンドラン等”進塁のための戦術”を使うことが多くなります。
このときどの戦術が最適か?というのは状況により変わりますが、試合中に頻度多く出るシーンとしては”バントをするか?打っていくか?”というシーンになります。

よくあるケース 0アウト走者1塁

”バント”か”ヒッティング”かを選択する場合、基本の考え方としては、
 ● 勝っているとき → バント(追加の1点ずつを積み重ねる)
 ● 負けているとき → (大差)ヒッティング(大量点狙い)
             (僅差)バント(1点を確率高く取る)
 ● 試合の序盤 → ヒッティング
          (バントからバスター・エンドラン・盗塁)
          奇襲策を見せ
            「このチームは何してくるかわからない…」
                        イメージをつける。
 ● 試合の終盤 → バント
           (より確実に 序盤に奇策を見せておけば、
             100%バントシフトが取りにくくなっている)

となります。

また、チームの戦力・選手個々の能力の力関係からの判断基準は以下になります。冷静に戦力を分析し、戦術方針を事前に定めて試合に臨むようにします。

≪打線が強く、相手投手力が弱い≫
バントは1つのアウトと引き換えに走者を進め1点を取りに行く作戦であり、大量得点を狙う作戦ではありません。
相手投手力が弱い場合はより多くの得点を取ることができる可能性が高いので、ヒッティングを選んだ方がより多くの点を取る可能性を広げることになります。

≪打線が強いが、相手投手力も強い≫
打線が強い場合バントの選択は少しもったいないように感じますが、相手投手力が強い場合はバントで得点圏に走者を進め次の打者に期待する選択も十分考えられます。
どうしても1点が欲しい状況(先制点が欲しい・ビハインドを早めに追いつきたい・連打が難しい…)場面はバントを選択。このような状況でない場合はヒッティング という考え方を基本に置いて戦術を決定します。

≪打線が弱い≫
打線が弱いと選手個々の打率が低いため、ヒッティングを選択しても連打の確率は低いです。バントで進塁しても得点する確率がさほど高くない場合は、バントだけでなく盗塁・ヒットエンドラン・進塁打等さまざまな戦術の選択肢を考慮し、1点を取る形を作っていきます。
ただし、打者がクリーンアップ(3・4・5番)で安打が期待できるときはヒッティングという選択肢もあります(打率考慮)。

よくあるケース 0アウト走者2塁

先頭打者が2塁打を打ち出塁…が、よくあるこのパターンになります。
安打が出なくても1点を取るよくあるパターンとしては
 1つのアウトと引き換えに3塁へ進塁 → 外野フライでタッチアップ
となるため、
  1つのアウトと引き換えに3塁へ進塁 → バント・進塁打
  外野フライでタッチアップ → 
      外野フライが難しい打者の場合は、スクイズを検討
という戦術で考えていきます。
 ※ 0アウトでなく1アウトであっても、2塁走者をアウトと引き換えに
   3塁に進める という選択もOKです。

走者の走力が高い場合

1アウトと引き換えにしなくても進塁できる走力が走者にあるのであれば、盗塁・ヒットエンドランでアウトを与えずチャンスを広げる方法を検討します。


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