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百貨店から学んだ大事な接客姿勢

皆さんこんにちは!!
最近ネットで注文した服達が、ことごとくサイズが合わず、逆にオシャレだよなぁ、と自分をなぐさめ倒しているHIROです。

さて、私事ですが、、(婚約発表の言い回し)
大学時代2年間、エレベーターボーイをしていた経験があります。
『そんな人見たことない』
『勝手にエレベーター乗り込んで遊んでただけだろ!!』
そう思う皆様の気持ち、よくわかります。
赤いジャケットを着て敢えて見立ち(制服)、時に女子高生からはクスクス笑われ、百貨店の顧客サービス部としてしっかりと務めておりました。
百貨店での接客経験以外でも、ユニクロの店員、リゾートバイト(登録)、塾講師等の経験があります。

今回は百貨店の勤務経験から、百貨店がなぜ信頼されるのか。ということを自分なりに記事として残したいと思いました。
接客での姿勢として学んだだけではなく、人生において大切な心構えを学んだと思っています。

百貨店の話から少し離れますが、私は20歳の頃、春休みの空いた時間を使って、3日間リゾートバイトをしたことがあります。静岡県伊豆半島のとある小さな旅館で、レストランの配膳業務を泊まり込みで行いました。

そこで私は、元一流ホテルマン(その方が誇らしくは経歴を話してくれました)で、現在はグループ会社に異動し、シェフと2人で旅館を運営している40代男性の方(口を開けばシェフに対する不満の連続でしたが…)から、接客についてこう教わりました。
『待ってるときは手を前にして待つんだけど、左手が上で右手に重ねるようにしてね、これ接客なら常識だよ。』
続けて、
『なぜ左手を上にするかわかる?もしイラッとしてもお客さんに手を出さないように利き手を抑える意味があるんだよ。』こう言われました。
私は言われたとおり左手を上にし、3日間を過ごしました。
私としては元々気弱な方ですし、人に手を出すという選択はありませんが、体育会系で上の人の発言は絶対!!ろいう呪縛をまだ解けていなかった私は、『接客の常識』をそれ以上疑うことはありませんでした。


そんな私は数ヶ月後、百貨店のエレベーターボーイとして採用されました。
お身体の不自由なお客様への手助けや、フロアのご案内、エレベーター乗換のご案内等を行う業務につきました。

そこで上司に言われた言葉です。
『接客していない時、待機姿勢をとります。HIROさんは右利きですか?』
そう聞かれ、私は『はい』と応えました。
同時に、接客の常識をここでも教えられる、と内心思いました。

しかし、ここから先の考えが全く違いました。
『では、利き腕の右を前にして左手に重ねてください。理由は、困っているお客様に素早くご案内するためです。』私は当時、感心しました。

・接客の常識に縛られることなく、お客様のことを考えていること
・従業員に納得できる説明がされること
・そもそもお客様に手を出すという概念が存在していないのでは?

私は初日に大事な心構えを学びました。
お客様第一で考え、そのために私達は最善を尽くすこと。
これは、百貨店が信頼されるすべての根源であると今でも思います。

実際に上司からはこんなことも言われました。
『うちの百貨店は20時で●階〜●階は閉館します。万が一、閉館した店舗に行きたいお客様がいた場合、閉館していることを伝えた上で、●●百貨店(約100m先のライバル店,21時までは営業している)にご案内してください。』

会社員になった今なら分かりますが、ライバル店へ誘導するのは考え難いことです。
お客様がそのまま他店に流れてしまうのは、売上減に繋がるからです。
しかし、一貫した『お客様第一』です。
当時私はお客様のために最善の提案ができ、従業員として気持ちが良く、『承知いたしました』と言うことができました。


エレベーターの乗務員として慣れてきてたある日、20:30頃にお母さんと子どもさんがエレベーターに乗ってこられました。
『すみませんメガネ屋に行きたいんですけど何階ですか』と言われました。
私は『お客様、大変申し訳ございません。メガネ屋がある当館6階は20時までの営業でして、閉館しております。もしよろしければ、ここを100m程度直進すると右手側に●●百貨店がございます。そちらは21時まで営業しておりますので、お急ぎの場合、お手数ですが●●百貨店に行っていただけたらと思います。』
私は誠意を込めて謝った後、ライバルの百貨店を笑顔でご案内しました。
そのお客様は、感謝の言葉を述べ、子どもの手をとりライバル店へ小走りで行かれました。

その3日後のことです。
私は上司にお褒めの言葉をいただきました。
なんと、メガネ店をご案内したお客様が、わざわざ百貨店のサービスセンターまで、感謝の言葉を述べに来てくださったのです。
『仕事が忙しくてなかなか時間が作れず、あの時案内してくださったおかげで生活に困ることなく治してもらうことができました。あのお兄さんがエレベーターのところにいなかったので、お礼の言葉をお伝え下さい、次は●●百貨店のメガネ屋さんに行きますね』そう言ってくださったそうです。
※私はサボっていた訳ではなく、勤務外でした、信じてください。。笑

私は、お客様の最善のために仕事ができてよかった。
心底からそう想うと同時に、百貨店や上司に感謝の気持ちが溢れました。
お客様第一は、時にお客様を手放すことに繋がります。
これは一般的な企業では嫌がられることです。
しかし、お客さんは『人』を信じて店を選ぶこともあるんだな
それに気づきました。
気づかせてくださったのもまた人で、お客様や上司でありました。
そう考えると『人が与える影響』はとてつもなく大きい。
これは接客という仕事ではなく、人生を歩む上でも、
信頼を獲得するために大切なことではないか。
そんなことを21歳になった私は感じるようになりました。


私が百貨店のエレベーターボーイとして2年間勤め上げられたのは、お客様第一を組織でも、個人でも、皆が一貫して実現しようと心がけていた姿を見ていたからだと今になって思います。

そしてその姿をお客様も感謝の言葉で評価してくださっていたんだなと思いました。


百貨店勤務を終え、外から百貨店を見るようになしました。
インターネットショッピング、通信販売等、何でもある百貨店に足を運ばなくても良い品物がより安く手に入る時代になりました。
一部の百貨店は経営不振等で閉館することになっています。

しかし、そんな中でも百貨店が必要とされる、生き残っている理由として、お客様第一で寄り添い続けてきた歴史が、そこにはあるのではないかと感じています。
特に高齢者はネットにも精通しておらず、信頼を求めて百貨店に来ます。
その信頼は、商品だけではなく、関わる人も大きな要因になっていると感じます。

私が言いたいことは、接客を生業としていなくても、お客様や相手を第一に想う気持ちが、よりよい成果に繋がるのではないか、ということです。
これは理論的な話ではなく、帰納法的(経験からの結論)な見解です。
定量的なデータでは見えない、大きな作用が必ず存在します。

私が学んだ百貨店の接客を通して、相手をただ純粋に想う気持ちの大切さを、皆さんに少しでも感じ取っていただけますと幸いです。

長々と失礼しました。
皆さんの人生にサチアレ!!!

ps.終わり方行方不明です(笑)
※前半で記したホテルマンの方は、ホテル業界全体ではなく、あくまでもその方の接客姿勢でした。ホテル業界の方々はまた別の、そしてもしかしたら共通した、素晴らしい接客の心構えがあると確信しています。日本の接客、気遣い、心配りは本当に素晴らしいと私は感じています。

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