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一穂ミチさんの描く世界

一押しの柚木麻子さんの作品「あいにくあんたのためじゃない」が直木賞を逃したことで、今回の直木賞受賞作「ツミデミック」をようやく昨晩一気に読んでみました。

Web bookshelfの「ブクログ」で一穂ミチさんの作品読書記録を確認したみたら、今までに5作品既読でその全てが高評価をつけていました。
今回はどうだったのか、

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」  調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」  先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。

Amazon内容紹介より

素直にとても面白かったです。どの作品も身近に起こりうる、まさにスーと腕の鳥肌が立つような寒さを感じる、巧みなストーリーです。

私の心に残ったのは、「ロマンス☆」
コロナ禍で専業主婦となってしまった女性がたまたま見かけた、フードデリバリーサービスの男性に惹かれ、逢いたいがゆえに注文し続けてしまう姿を描いた作品です。

彼女がこのサービスにハマる根底には、夫が家にいる妻を見下している態度と言動への不満がありました。

この人は、わたしが楽をしたら自分が損をするとでも思っているのだろうか。支え合うのが家族だと思っていたけど、夫にとってわたしはもうお荷物なのかもしれない。

本文p57抜粋

参加しているオンラインコミュニティでも、多くの方(妻)お互いの理解について考えておられる発言を目にしているので、この作品が気になったのかもしれません。

直木賞作家となられた一穂ミチさん。「作家の読書道」と題したインタビューに答えられているサイトを読みました。彼女の世界観を感じます。気になる方は是非ご一読ください。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
能登半島の大雨による被害状況がどんどん大きくなる中、次第に日本は秋へと移行してきています。寒くなるまでに早く住まいだけなんとかしてあげてほしいと心から願っています。

#シニア #田舎暮らし #今日のつぶやき #毎日note #連続投稿693日目 #一穂ミチ #直木賞受賞作 #光文社 #読書感想文

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