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朝倉秋成著「六人の嘘つきな大学生」

随分前に話題になっていた作品をやっと図書館から借りて読んでみました。

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ミステリーではありますが、根底にあるのは現代の就職活動だと思います。

就活での最終課題ディスカッションの様子と、当時の就活生だった波多野祥吾の病死の報を受けて、内定を得て就職した嶌依織が残り4人の現在を訪ねていくうちに、犯人にたどり着く様子が描かれていますが、8年後の彼らにも現代社会の問題が色濃く出ています。

内定者を決めるという最終デスカッションでは6人の衝撃的な事実が晒されます。

「犯人」が死んだ時、すべての動機が明かされる――新世代の青春ミステリ!
ここにいる六人全員、とんでもないクズだった。

Amazonにてこういう書き出しで紹介されるほどです。


嘘つき学生と、嘘つき企業の、意味のない情報交換ーそれが就活。p147
内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。(Amazon内容紹介より)
すごい循環だと思ったよ。嘘をついて、嘘をつかれて、大きなとりこぼしを生み出し続けていく。そういう社会システム、全てにだね、やっぱりものすごく憤ってたんだ。だから「あんなこと」をやってしまったわけだよ。p226

内定者を賭けた議論では波多野祥吾自身が犯人を推測し、好意を寄せていた嶌依織の事実を伏せるように犯人役を引き受けたことがのちにわかった時には救いをみた気がしました。

私自身がこういう就職活動をしていないので、きちんと彼らの心情を理解できているかというと疑問が残ります。愚息たちのように就職活動で苦労した人たちに共感が得られるミステリーなのだろうと思いました。

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