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読書備忘録

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2021年3月の記事一覧

料理は愛情?!

連日の黄砂と変異株コロナ陽性者が出て、ますます家に引きこもっている私です。そういう訳で昨夕はとても軽い読み物、佐々木愛さんの「料理なんて愛なんて」を読みました。 料理嫌いな優花は、ずっと好きだった真島に高級バレンタインチョコを渡すも「好きな人に手作りチョコをもらったから」と振られてしまう。真島が憧れていた相手は料理教室の先生だった。その日から、彼女の格闘と迷走が始まった!自炊に挑戦し、料理男子と合コンし、初めて「みりん」を購入するも料理が上達するどころか好きにもなれずに苦悩

人間の尊厳を問う

ゴルフの予定だった夫が、じげの葬儀の役目をせねばならなくなり、静かな月曜日、私はまた1冊本を読み終えました。 丸山正樹さんの書き下ろし「ワンダフル・ライフ」です。 事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。なんのために、こんなにも自由のない生活を続けているのか……「わたし」の物語と、さまざまな悩みを抱える男女の物語が絡み合い、繋がるとき、慟哭の真実が明かされる―― (Amazon紹介より) 物語では3人の女性が登場、各々が送る人生として構成

越えるか、踏みとどまるか。誰にでも境界線がある。

こんにちは。3月最後の日曜日、先ほど中山七里さんの「境界線」を読み終えました。 昨日のnote↓ にも書いたように「NHK出版 本がひらく」のnoteで連載され、単行本化されたものです。 2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だったことがわかる。笘篠の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明のままだった。遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きていた

It's Okay to Not Be Okay

いつも拙い私のnoteを読んでいただきありがとうございます。 事務局からお知らせをいただきました。とても励みになります。 さて昨日は1日韓国ドラマ「사이코지만 괜찮아」の脚本を読みました。 金がなく、両親もいなく、希望もない精神病院の保護士。そんな彼と、自閉スペクトラム症の兄。月々の給料で、兄と食べてゆっくりと寝られればそれで十分という生活をしていた男の前に童話の中の魔女のような奇妙な女が突然現れた。金やナイフの代わりにペンを振り回し子どもの心を支配して操る児童文学界

男女の違いを超え、身分を超えて

昨日は大好きな高田郁さんのシリーズものを読みました。 呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたい──そんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが……。果たして最大の危機は最高の好機に

画家・絵本作家にして名エッセイスト

午前中母の通院に付き添い、そのあと1週間分の買い物を済ませ、帰宅したらドッと疲れて、しばらく放心状態でした。 さて昨日は隙間時間に2020年12月に亡くなった安野光雅さんのエッセイを読みました。 画家・絵本作家にして名エッセイストの著者が、独自の視点でとらえた森羅万象をつづる、軍隊に行ったころの話、森鴎外の『椋鳥通信』、数学の天才、大志の歌、津和野弁の日本国憲法、オランダのスケベニンゲン、河盛好蔵の文章、西洋からくり人形「オートマタ」、中国の明言、ロダンの作品、シチリアの

作家の意外な素顔を映す上質の随筆集

月曜日の朝、いつもより早めに起きて洗濯を干し終え、Apple Musicのプレイリストを流しながら、コーヒーを片手に習慣にしているサイトをチエックしました。こういう朝はとても落ち着きます。 昨日はホワイトデーでしたが、欲しいものを尋ねられて特に何も思い浮かばなかったので、近場をドライブしてもらいました。気温は14度ほどでしたが、車中は暖かく海沿いを走ってもらうときは気持ちが良かったです。 さて今月のブッククラブ「紅茶はアールグレイで」の課題本を読みました。 「人間はぬく

疎通〜深い言葉と心のコミュニケーション

日曜日の昼下がりをいかがお過ごしでしょうか? 私たち夫婦はのんびりと起き出し、ブランチを取り終えました。 さて亀の歩みですが、ハングルを勉強していることもあり、よく韓国ドラマを観ます。その際感じるのは、韓国ドラマの劇中では「詩」を引用したり、「本」が重要視されていることが多いことです。今日の作品もドラマ「이번 생은 처음이라この恋は初めてだから」劇中でプレゼントに使われていた作品です。 図書館で目にした1編の詩から、「僕」はその詩人の人生を通して愛を語ることになり、生と死

読む前と後で変わっていく窓の前に立つ感覚

冷たい雨の降る土曜日、夫はゴルフに出かけて行きました。寒くても好きならへっちゃらなのだそうです(笑) さて実家の難問も少しづつ解決へと向かいだしたので、昨夜は朝時間jp「まっこリ~ナのCafe BonBon」で紹介された堀江敏幸さんの作品を読みました。 窓とは、いったいなんだろう。眺めずにはいられない大聖堂の薔薇窓、木造家の古窓、いつも持ち歩く心の窓枠…マチスは闇を、プルーストは不思議な絵画を見つめていた。覗きこむほどに、見知らぬ自分が見えてくる。世界を一変させた「窓」を

人生が思い通りになる〜超効率的読書術

東日本大震災も10年という節目の年を迎えました。特に今日はこの大地震について、皆で考える1日です。 さて昨夜はいつもとは違った自己啓発書を読んでみました。 それはズバリ読書革命。気になる題名です。 あっという間に本1冊の内容を頭に入れて、結果に結びつける。そんな理想的な読書術をYou Tube図書館を開設する金川顕教氏が解説します! 著者は現在、月に60冊のペースで本を読破しています。本書ではその経験から導き出したオリジナルのノウハウをもとに、成果に変えるためのアウトプッ

小さな謎は大切なことへの道しるべ

徐々にお天気が回復してきた今日は、貸し出し可能となった予約の本を受け取りに図書館へ行きました。そのあとガソリンスタンドで夫に私の車を洗車をしてもらったり、百円均一のお店に連れて行ってもらったり、コーヒー豆を買いに行ったりと午後を夫婦でほとんど出かけていました。今の私にとっては珍しいことでした。 さて昨夜読み終えたのは北村薫さんの短編集です。 小さな謎は大切なことへの道しるべ。解いてみると一筋縄ではいかない人の心が照らし出される。学生時代に届いた想い出の葉書には、姉のように

美と醜、優しさと残酷さを併せもつ野生

昨日はせっかく洗濯した洗濯物が雨に濡れたりと散々でしたが、今日は何とかわずかですが薄日もさしているので、再度洗濯物を干しました。 さて本日note事務局からこんなメッセージをいただきました。 いつも読んでいただき、ありがとうございます。 その記事は松重豊さんの作品について書いたこちらのnoteです。 そして今日紹介するのは、全米で500万部突破した、2019年で一番売れた本の翻訳として早川書房イチオシの作品を読みました。 ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見され

著者初のエッセイ集

まだまだ寒い月曜日の朝。久しぶりに6時台に起きて、洗濯を干しました。さて日曜日は軽いエッセイを読んで楽しみました。その作品はこちらです。 「幸福は人の数だけあっていい」「さぁ肚をくくれ」「みんな、好きなものは好きと言おうよ」「物語はいつも、ほのかな光を欲している」…「ホテルローヤル」の著者、初のエッセイ集。愛海夏子(シークレット歌劇團0931主宰)との豪華対談を収録。 (「BOOK」データベースより) 北海道在住で、家族4人の普通の家庭を持ちながらの執筆活動、新人賞受賞後

貧困と下層の輪廻

冷たい雨の降る金曜日。昨日1ヶ月ぶりにジムに行き、さすがに疲れ、今朝はゆっくりと起きました。 昨日は相馬英雄さんの「アンダークラス」を読み終えました。 秋田県能代市で、老人施設入居者85歳の死体が近隣の水路から発見された。雪荒ぶ現場に、容疑者として浮上したのは、施設で働くベトナム人アインである。外国人技能実習生のアインは、神戸の縫製工場で働きながら、僅かな収入を母国の家族へ送金する日々を送っていた。劣悪な労働条件に耐えかね、列島を転々として東北にたどり着いた。重篤なガンを