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貧困と下層の輪廻

冷たい雨の降る金曜日。昨日1ヶ月ぶりにジムに行き、さすがに疲れ、今朝はゆっくりと起きました。

昨日は相馬英雄さんの「アンダークラス」を読み終えました。

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秋田県能代市で、老人施設入居者85歳の死体が近隣の水路から発見された。雪荒ぶ現場に、容疑者として浮上したのは、施設で働くベトナム人アインである。外国人技能実習生のアインは、神戸の縫製工場で働きながら、僅かな収入を母国の家族へ送金する日々を送っていた。劣悪な労働条件に耐えかね、列島を転々として東北にたどり着いた。重篤なガンを患っていた入居者に請われて、自殺を幇助したとの自供を始める。これで解決か…。捜査官らは安堵したが、ひょんなことから捜査に加わった警視庁継続捜査班の田川信一は、死体の「手」に疑いを抱いた。捜査線上にあがったのは、流通業界の覇者として君臨する世界的IT企業サバンナだった―。(「BOOK」データベースより)

世界的IT企業、下請け企業、外国人技能実習生の実態がリアルに描かれ、目を背けたくなる現実が悲壮感漂う物語として綴られた秀作です。

帯にある藻谷浩介氏の「誰が下層(アンダークラス)なのか。決めるのは金か。いや人としての矜持だ。」というコメントがこの物語の意味を的確に語っています。

読み終えてみると、ミステリーを楽しむというより今後の日本を憂る内容であり、こんな時代だからこそ私たちの選択の重要性を考えさせられました。

さらにシニアの私は、被害者である藤井詩子が命を狙われるであろうことを察し、アインに「私を殺してもいいんよ」と告げた言葉が、聞いたわけでもないのに耳に残っているような気がしています。実はこの作品でも今はもう忘れようとしている日本での生まれによる格差が、根源になっている気がするのです。

本の厚さに少し腰が引けていましたが、読み出すとページをめくる手が止まらないそんな作品でした。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

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