読書備忘録

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冲方丁著「月と日の后」

連日の寒さと天候が目まぐるしく変わるのに、身体がなかなかついていきません。そんな中NHKBS4Kで「剣樹抄」がドラマ化されているのを知り、再放送から観始めて、今では本放送を楽しみにしています。 その原作者冲方丁さんの新作が図書館にあって、それを借りて読み始めたら止まらず、昨日のうちに読み終えてしまいました。 雑誌「歴史街道」の連載されていたこともあって、445頁の長編で紙の本だとかなりの重さを感じます。  中宮彰子といえば、学生時代学習した日本史で、藤原道長の娘で摂関政

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木爾チレン著「みんな蛍を殺したかった」

今朝から地震が相次いでいます。お住まいの地域はご無事でしょうか? こちらも少し揺れました。今後もいつ何時起こるかわかりません。気を引き締めたいと改めて感じています。 さて私はブクログというwebのブックサービスを利用していて、先日の通信で、未来屋書店の書店員さんによる未来屋書店小説大賞の候補作が発表されていました。 10作品のうち5作品は既に読み終えていますが、未読作品で図書館で貸し出し可能だったこの作品から読みました。 著者は「女による女のためのR-18文学賞」優秀賞

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柚月裕子著「ミカエルの鼓動」

今週末柚月裕子さんの長編を読みました。 帯に「気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編」とあり、467頁という長編ですが、週刊文春に掲載されていたのが功を奏したようで、場面の切替えがうまく、読んでいて疲れが出ませんでした。 多くの医療従事者の協力を得たことで、手術の場面が立体的に感じる描写はすごいです。 さらに医療の先端である医療用ロボットの不具合と病院、医療機メーカーの癒着という社会問題を取り上げたことも今の時代なら不思議はありません。 中盤になって、西條

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NATSUMI著「大正浪漫YOASOBI『大正浪漫』原作小説

昨日は図書館で30分ばかり滞在、書架を眺める時間を持てました。そして2冊借りて帰り、1冊は読み終えてしまいました。 時翔のもとに届いた不思議な手紙。100年前を生きる千代子が書いたものらしい。思いがけず始まった〝文通〟で距離を縮めるふたりだったが――令和と大正、時を超えた恋の行方は? 2086作の応募作から選ばれた「夜遊びコンテストvol.2」大賞受賞作を、「小説を音楽にするユニット」YOASOBIが楽曲化。同名楽曲のリリースとあわせて刊行される原作小説。(amazon内容

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池田喬著「ハイデガー『存在と時間』を解き明かす」

久しぶりに読み応えのある解読書を読んでみたくてこの本を選んでみました。 哲学徒を引きつけてやまない“現代哲学の最高峰”の読解を、自分の読書体験としてモノにするための確かな道が本書だ。『存在と時間』の鮮烈な解釈で学界にデビューした新鋭による、問答無用のニュー・スタンダード(amazon内容紹介より) 本書「序」のタイトルは「なぜ、『存在と時間』についてなおも書くのか」です。 『存在と時間』やハイデガーの入門と謳う本はすでにいくるもあるからだ。だが「なぜ、なおも書くのか」と

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新川帆立著「倒産続きの彼女」

昨日記事を書いていた頃は調子が良かったのに、実家の母の電話で一変、頭がパンクしそうでした。 その後暴飲暴食しても気分は晴れず、本を読んだりNetflixを見たりしても眠れませんでした。朝方眠れたと思い、目が覚めたら10時を回っていました。ひどい生活です。 さてそんな中読んだのがこちらの作品でした。 「このミステリーがすごい! 」大賞を受賞、受賞作を「元彼の遺言状」改題デビューした新川帆立氏のシリーズ続編です。 独特の個性で魅了した前作主人公剣持麗子弁護士が今回も活躍する

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群ようこ著「子のない夫婦とネコ」

群ようこさんの作品が初期の作品から好きで、新刊が出ると手に取るようにしています。 群さんの作品に猫が登場するのも好きです。実家の母が喘息持ちなので家で動物を飼ったことはありませんが、実家の両親共々動物は好きです。 昨夜読んだ作品もネコやイヌを飼っている人と老いをさりげなく描いた連作短編集でした。 歳を重ねていく中での、イヌやネコとの生活の喜びや別れの悲しみを、明るいタッチで描く連作小説。 これまでも、ネコをはじめたくさんの動物たちについてエッセイや小説で書いてきた群よう

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秋吉理香子著「息子のボーイフレンド」

ジェンダーという言葉は最近よく聞くようになったけれど、まだまだ私の中で理解しきれていません。 息子とボーイフレンド、息子の両親と母親の親友、各々の視点で描かれた五つの章から成る物語。人物の心情が豊かに描かれて、心地よく一気に読み進めました。 「カミングアウト」という内容をさらっと書けるのも、「ボーイズラブ」、そう私で言えば漫画「ベルサイユのばら」の主人公オスカルに惹かれた時代と同じような感覚を女性は持っているからかもしれません。 私も2人の独身愚息を持っているので、この

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朝倉秋成著「六人の嘘つきな大学生」

随分前に話題になっていた作品をやっと図書館から借りて読んでみました。 ミステリーではありますが、根底にあるのは現代の就職活動だと思います。 就活での最終課題ディスカッションの様子と、当時の就活生だった波多野祥吾の病死の報を受けて、内定を得て就職した嶌依織が残り4人の現在を訪ねていくうちに、犯人にたどり着く様子が描かれていますが、8年後の彼らにも現代社会の問題が色濃く出ています。 内定者を決めるという最終デスカッションでは6人の衝撃的な事実が晒されます。 「犯人」が死ん

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山本文緒著「ばにらさま」

実家の母が雨漏りに対しとても神経質になっていて、昨日からまた雨漏りと騒ぎ、午前中見にきてもらいました。 朝からとても風が強く吹いているので、屋根に上がっていただくのは気の毒でしたが、今できることはしていただき、雨が降ったあと再度連絡する事になりました。自分も充分高齢ですが、母ほど生きるとこうも意地になるのかと呆れてしまいます。私もああなるのかと思うと、これ以上生きしたくないです。 さて図書館から借りてきた本、最後は山本文緒氏最期の作品集でした。 僕の初めての恋人は、バニラ

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