そういうものに私はなりたい

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「ベクトルの内積は図示できるのか?」問題と、目に見えないものの力強さ。

高校数学の話題で、なかなか困難なものに、 「ベクトルの内積は図示できるのか?」 というものがある。 「こうすれば図示できる」という話も確かにあるが、 何とも言えない歯切れの悪さが残る。 「この目的でベクトルの内積は発見・発明されたの?」 というさらなるモヤモヤが湧いてくる。 これには、少し切り口を変えた議論が適切だ。 つまり、 「ベクトルの内積はどんな意義・成果をもたらしたか?」 と 「なぜベクトルの内積は図示が容易でないか?」 という問いをつなげることである。 整理し

    • 東南アジア最大のキリスト教国でクリスマス🎄⑦

      それにしても、マニラのスラムの大きさには、ただただ驚くばかりです。 警察の方が地元のマフィアより信用ならないという話も、「正統」がどちらにあるか、そして、「グローバルな正統」はローカルな正統と整合性があるべきか、という、まさにグローバリゼーションと、貧困コミュニティがことごとく直面する課題そのものであるように感じられます。 多くの場合は、そこそこで折り合いがついてしまうのですが、規模の大きさや、歴史的に外部資本が肩入れしやすい関係性が、それを押し留めていることでしょう。 誠に

      • 東南アジア最大のキリスト教国でクリスマス🎄⑥

        一つ目のモスクでは、入ると用を足し、手足を洗うよう言われました。 エベレットロジャーズ『イノベーションの普及』で、衛生観念は、文化の普及の大きな側面であると指摘されていたのを思い出しました。(今で言えば)途上国の信仰における価値は、生存欲求にダイレクトに訴えているという大きな気づきも得られました。

        • 東南アジア最大のキリスト教国でクリスマス🎄⑤

          キアポ教会(2つあるうちの一つ?)に来ました。まずは、ずいぶん大きな聖堂に肝を抜かれました。 タガログ語、それも祝詞となるとまったくわかりませんが、神父が「汝の隣人を愛しなさい。まずは、両隣の人に挨拶を。」とでも言ったのでしょうか、みな、近隣の人に声を掛け合っている姿は、大切なミサの一コマだったようです。 ミサが終わってめいめいに祈りを捧げたり、告白の小部屋を待っている間に、小銭を請う人が来ました。慣れていない私は、そのまま断ってしまったのですが、「早速隣人を助ける期待が来た

        「ベクトルの内積は図示できるのか?」問題と、目に見えないものの力強さ。

          東南アジア最大のキリスト教でクリスマス🎄④

          イントラムロスに歴代大統領16名の肖像があった。ただし、マルコス氏は、これに値しないとして、除外されているとのこと。 ASEAN設立広場みたいなところがあって、ホーチミンの像もあった。カンボジアのポルポトと同時代にフランスでマルクス主義を学んだ、「ポルポトのお兄さん」のような存在(と理解している)。 「建国の祖」と「独裁者」を分けたものは、何で、いつであったのか。。。これらは完全に分離することは、可能なのか。。。 一党独裁を強める大国で生きていて、「リーダー」の何たるかにつ

          東南アジア最大のキリスト教でクリスマス🎄④

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄③

          パサイ、スラムと呼ぶべきか、微妙なところを拠点のようにして動いてるんだけど、スラムの何たるかを考えさせられます。肩寄せ合うように軒を寄せ合って暮らす人たちは、低消費、従って環境負荷も小さいように見えて、各種廃棄物の問題は、見た目通りに環境負荷に直結していて、何かの弾みでスモーキーマウンテン問題が下火になったとしても、同様にわかりやすく継続しているんだと痛感する。学校に勤めてるからだとは思うんだけど、12時過ぎても未就学児がウロウロ遊び回っていたり、爆発音に驚いたら、小学生ぐら

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄③

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄②

          マニラに堀と城壁で囲まれた街があるなんて!もちろんスペイン統治時代に、いわば、総督府が置かれた場所なのでしょう。それも、1500年代に、ムスリムが礎を作ったなんて!宗教的な厳かさの演出は、まさに最先端のテクノロジーの象徴だったことでしょう。 現代なら、チームラボのプロジェクションマッピングにミッドジャーニーを載せるようなものでしょうか。とすると、メッセージはSDGsでしょうか。どこか末法思想・救世が入り込む余地があるのも、今も昔も信仰の拠り所としては必要でしょう。 教会で雨に

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄②

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄①

          こんにちは! 日本で、画一主義、ルール尊重などを語るとき、「島国で、外国を排除することが容易だったから」と言われることがありますが、大きな人口を抱えるこの国ではまったく因果関係が成り立たなかったのを思い出しました。むしろ、島国ゆえによっぽど、他国、他文化からの侵攻、進出が容易です。 中国人より、愛想が良く、中国と違った穏やかさのあるこの国にさらに興味が湧いてきました。

          東南アジア最大のキリスト教国のクリスマス🎄①

          ウクライナ、ロシアを『下流志向』から見る

          1週間やそこらで、終結を見るとも囁かれた、ロシアによるウクライナ侵攻は、一向に着地点が見えてこない。 さらに、食料の問題、環境問題など、単純に局地的なものにとどまらない広がりを見せ始めている。 歴史を振り返れば、太平洋戦争開戦にあたっても、日本側は「ABC包囲網」という名の経済制裁など、やむにやまれぬ事情を抱えていた事実がある。 開戦そのものを避けえたかどうか、戦闘行為による人道的問題、戦局を終結させる決断など、ロシア側に改善の余地は大いにあるとした上で、社会として、両方の

          ウクライナ、ロシアを『下流志向』から見る

          ダニエル・カーネマン「遅い思考」から、イノベーションとパラダイムへ

          ノーベル経済学賞受賞のダニエル・カーネマンによる「早い思考・遅い思考」は、心理学の話題として極めて面白い。 長くなりそうなので、これについての、個人的な感覚を、結論として示しておきたい。 ちなみに、哲学も心理学も、真理の特定は多くの場合、極めて困難であり、したがって、原文に忠実であるべきかどうかは、その価値に応じて判断することが適切である。彼のアイデアをベースに、心理学的に面白いと思えることについて、論を立てることを試みる。 一般的に(もしくはカーネマン本人によれば)、

          ダニエル・カーネマン「遅い思考」から、イノベーションとパラダイムへ

          「なぜ勉強するのか」「何のために学校はあるのか」

          友達と教育談義をしたり、教育についての評論を読んだりしたので、久々に教育について、書いてみます。 これまで同様、結論なんて、あってないようなものなので、それでも、コミュニケーションや、哲学、歴史、そして「社会」など、深淵なものについて、多少でも考えてみたいという方のみ、御覧いただければ、幸甚です。 2001年の出版ながら、文藝春秋『教育の論点』を拝読しました。 背景としては、小泉政権の教育改革が始まる前夜を予感させるもので、言わば「新自由主義」の是非について、両陣の論客たち

          「なぜ勉強するのか」「何のために学校はあるのか」

          学びのベースとなるという意味で、「遊び」を規定してみる。

          「学び」には大いに興味があります。人が賢くなるとはどういうことか、賢さとはどこまで単体として取り出せるものか、そしてよく生きるとは何か、こうした問題に対しては、相応の興味があります。「教育」という言葉になかなか馴染めないのですが、便宜上、使用しておきます。 山の学校に移り住んで、やりたいことがたくさん出てきました。ああ、そうか、これまではなかなかやらせてもらえなかったことがやりたいのか、、、と思っています。引き続き、書き込ませていただきます。 ◎サバイバル教育 ・かつて、仲

          学びのベースとなるという意味で、「遊び」を規定してみる。

          教育とか学びを限りなくゼロから作る

          この度、事実上「新しい学校」を作るような話になりました。本当はそういう言い方はあまり好きではないが、自分の知っている表現で、それ以外のものが今のところ思いつかない。 新しい学校と言うとき、初等中等教育では、手つかずの自然の中にあることの強みをいかに出せるかかと思っております。 毎日教科と関係ない宿題を出す(3本の木に1mだけ登る、一つの種類の葉っぱをペットボトルいっぱいに集める、虫や鳥の鳴き声を道具を使って真似する、一つの種類の石を10個集める、、、)などやってみたいと思っ

          教育とか学びを限りなくゼロから作る

          【放言シリーズ040 数学教育の現代化】

          ・教育、「いつまでこんなことやってる」のかな。 ・テクノロジーはもちろん30年前とは段違いで、それを支える産業側のスキルとしては、どこかで養成する必要がある。しわ寄せというか、引き伸ばしというか、そういうものを。 ・「子どもたちの力を!」ってのは結構だけれど、そもそも、ゴールがどこまで引き上げられてるか、試算してるのか、そんなことが気になってならない。 ・高度成長の要因はもちろんいろいろあるんだけど、数学教育の側の人間としては、「水道方式」に対する再評価を声高に主張した

          【放言シリーズ040 数学教育の現代化】

          【放言シリーズ039 】

          ・何とも言えないジレンマを、放置してきたが、また突き当たった。でも、今日は他者の言葉を通して向き合ったことで、ぼんやり次に向かう仮説のようなものも舞い降りてきた。 ・私は基本的に、学びによって人は賢くなるし、学びこそ人生を豊かにする、と心の底から信じている。 ・身体総重量のうち2%しかない脳が、総消費エネルギーの20%を占めている。脳はこれだけ非合理な存在として、最適化をせっせかおこなう臓器であり、これこそ学習の本質であるというのだ。もちろん、人間コミュニティ全体としても

          【英語・スペイン語・アメリカ】

          ・ポケトーク買ったんだけどすごくて、はっきり言って、本気になれば(?)遊びながら、何語でもいける。子どもなんか、すぐ何語でもできるようになっちゃう。 ・アメリカって、英語できない人2割ぐらいいるんじゃないかな。他に2割ぐらいは英語怪しい。併せて4割(3割ぐらいかな)は、(場所にもよるだろうけど)スペイン語。そこらの人と話してて、「英語怪しいなー」と思ったら、ポケトークでスペイン語に変換するとたいていどうにかなる。 ・ちなみに、50ヶ国語入ってるから、ほぼ世界中のメジャー言語に

          【英語・スペイン語・アメリカ】