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【放言シリーズ040 数学教育の現代化】

・教育、「いつまでこんなことやってる」のかな。

・テクノロジーはもちろん30年前とは段違いで、それを支える産業側のスキルとしては、どこかで養成する必要がある。しわ寄せというか、引き伸ばしというか、そういうものを。

・「子どもたちの力を!」ってのは結構だけれど、そもそも、ゴールがどこまで引き上げられてるか、試算してるのか、そんなことが気になってならない。

・高度成長の要因はもちろんいろいろあるんだけど、数学教育の側の人間としては、「水道方式」に対する再評価を声高に主張したい。高度成長を支えた技術力、技術を可能にした開発力は、間違いなく「理数系強化」。理数系のことを、今でこそ「古い」とか言うのは簡単だけど、むしろ、古い時代の話をしているから、実はピッタンコではまる。

・和算とかしかやりようのなかった時代の限界・ギャップが、黒船でピークに達して、言わば、その後、どうやって西洋数学(科学)を社会実装していくかは、100年課題だった。戦前の数学教育は調べ直さなくちゃだけど、終戦、スプートニク・ショックに押される形で、世界一効率の良い、算数指導方式が確立された。それが、遠山啓をリーダーの「水道方式」。ヘーゲル弁証法(もちろん科学を含む)に立脚しているから、現代の「デザイン思考」の類とも相性が良い。

・その後、安保・労組問題に巻き込まれて、今や水道方式を語るほうが化石扱いされる数学教育界。

・もちろん水道方式そのものを復活させることに現実的なメリットは小さい。でも、それに続く、つまり、中等数学において、現代のテクノロジーにキャッチアップすべき数学(科学)教育が確立されることが必要。IT/ICTを使うこととは、まったく別のカテゴリの話。そして、それによって、ことの本質を見失ってはならない。


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