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【4章】 過去×現在の課題=未来予測ができる!?

問題解決に次ぐ問題解決。未来の行方は?

「NORMCORE」が流行したということは、行き過ぎた消費が限界まで来たこと、そして今社会システムが抜本的に変化するターニングポイントであることを示唆している。

それでは近い未来、ファッションシステムはどうなるのだろうか?
そして社会システムは?結論から話すと、オーダーメイドとプレゼンテーション、リコメンド機能が掛け合わさったシステムが普及し、人々が適量生産適量消費をする“適度社会”になる。そしてこれらから、さらにその先の未来社会像が予測できるのだ。

では、上記の結果はどのように立証されたのか。そのプロセスを見てみよう。ファッション産業の過去と、現在の課題。目的と結果。それらを把握すると、未来はいとも簡単に予測できる。そしてその手法は、あらゆる時代において応用が効くのだ。話をシンプルにまとめるために、まずは過去を見てみよう。

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画像キャプション:元をたどれば未来の欲望が何か見える。

衣服は、買うものではなく作るものだった

先進国において、衣服を自作するよりも、購入することが一般的となったのは1960~1970年頃のこと。それまで、衣服は着用する人に合わせて作られるものだった。はるか昔、仕立屋は王族や貴族の依頼を受け制作していた。次第に腕の良い仕立屋は頭角を現し、顧客の指示通りに制作するのではなく、ゼロからデザインを考案するようになった。これがファッションデザイナーの誕生である。

デザイナーはさらに効率よく生産/販売するために、シーズンごとにまとめてコレクションを発表し、顧客から受注して、生産数を決めるというシステムを編み出した。そして、その他アパレルメーカーが、そのコレクションのデザインをコピーした製品を販売する。これが現代のファッションシステムの起源であり、主な流れだ。この“繰り返し”が加速したことで、多様な問題が生まれ、「NORMCORE」というファッショントレンドが誕生した。

叶えたかった本来の目的、そして今

この歴史的流れをふまえると、大量生産大量消費をするファッションシステムが誕生した背景と、人々が叶えたかった“本来の目的”は、主に下記のことだと考えられる。

・“幸せの定義”が単一だった→資本的/物質的に豊かであれば幸せだった
・あらゆる社会階層の人々が新品の衣服を手に入れること
・自ら仕立てる/仕立てを依頼する手間と時間を省くこと

そして、ファッションシステムが崩壊し「NORMCORE」が流行した理由は下記の通り。

・流行を追いかける≠幸せ
→価値観の多様化が進み、「上流階級であれば良い」という社会的認識が徐々に崩れている。前時代よりも比較的個性を尊重され、主張することを“迫られる”社会構造となった。

・ファッション業界、消費者共に消費をすることに疲れている
→物質的な豊かさは十分叶えられ、消費は次なるステージへと向かっている

ファッション産業の変遷と本来の目的、そして現状。これらをざっと把握することができた。お待ちかね!次章では具体的な未来を予測する。

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