ベスプラを模索し続けるBDRチームの今
CADDi DRAWERのメンバーによる、うるう年キャディnote29連チャンリレー、23日目担当のよしむこと吉村です!
今回は私が所属するマーケティング&インサイドセールス部門のBDRにおけるセールステックの活用・取り組みについて紹介します。
BDRとは「Business Development Representative」の略。主にアウトバウンド手法を用いて顧客の新規開拓を担いますが、キャディでは後述する様々なセールステックを活用して、本当にCADDi DRAWERを必要としてる人たちを早期に見つけ、接点創出し、価値を届けるための役割を担っています。
そもそもマーケティング&インサイドセールス部門って何してるの?と気になる方は、マネージャーの山田のnoteをぜひご覧ください!
はじめに
それでは改めて。はじめまして、キャディの吉村と申します。
私は今、キャディ株式会社のSaaS事業「CADDi DRAWER(キャディ ドロワー)」のマーケティング&インサイドセールス部門に所属しています。
インサイドセールスの中でもBDRのメンバーとして、CADDi DRAWERのターゲットとなりうる顧客との接点創出、FS(「Field Sales」の略称。客先へ訪問し、対面での顧客折衝を担う。)にトスアップする商談獲得を日々行なっております。
簡単な経歴
大学を卒業した2020年に、新卒で大手旅行会社の法人営業部門に入社しました。旅行会社の法人営業というと社員旅行や修学旅行のイメージがあると思いますが、ホテルや交通機関、行政とのリレーションを活かして幅広く事業を展開しています。私が所属していた部署ではスポーツイベントに力を入れており、2021年に延期になった東京オリンピックの公式スポンサーの支援を行う案件もありました。1年目の終わりには、公式スポンサーの支援事業のメイン担当を任され、オリンピック関連事業の売上としては全社の中でも1,2を争う成績だったと記憶しています。
環境にも恵まれ充実していた社会人生活を送っていたのですが、それまでの1年半を振り返った時に、何か自分の力で成し遂げたことがあったか、社会に対してインパクトを残せているのか、と考えることが増え、より事業を近い距離で感じたいと思いスタートアップの世界に飛び込む決意しました。
業界未経験であったこと、新規営業の経験に乏しいことから、2社目では当時から注目されていたSaaS事業かつインサイドセールスで職を探し、ノーコードのアプリケーションプラットフォームを提供している会社に入社しました。インサイドセールスは性に合っていて成果も順調に伸ばすことができたほか、自社のサービスを通じて顧客の業務が変わり事業成果に結びつくことへの面白さを実感することができました。
その後、家庭を持ったことをきっかけに、「もし自分に子供ができたとき、その子が日本に生まれてきて良かったと思える世界を自分は作れているだろうか。」、「今のままで子供が望む教育を受けさせてやれるだけの市場価値が自分にあるだろうか」を考えるようになり、アプリケーションに閉じず、より広い範囲に波及効果のある事業に携わるために、日本のGDPの2割を占めるものづくり産業に飛び込むべく、キャディに入社しました。
CADDi DRAWERのBDRの取り組み
キャディではBDRの専従メンバーとして、顧客接点の創出に取り組んでいます。BDR組織の詳細は、バトンを受けたチームリーダー 武田のnoteに譲ろうと思います。
BDRチームの抱えていた3つの難しさ
山田や武田のnoteでも散々ご紹介していますが、製造業特化のバーティカルSaaSであるCADDi DRAWERは、ターゲット企業やリードが潤沢にあるわけではありません。BDRはターゲットとなりうる企業を精査し、その企業のキーマンを特定し直接アポイントを取ることが求められます。
バーティカルSaaS領域において、これまで誰もなし得ていない圧倒的な速度での成長を実現するため、「役員以上の経営層のアポイント」×「高い受注率の担保」をKPIにしているBDRでは、具体的なアクションにおいて下記の3つの難しさがありました。
キーマンの情報収集・事前認知の獲得
個社・キーマン別の仮説構築・価値訴求
必勝パターンの型化
属人化してしまいがちなこれらのアクションを組織全体のスケールに繋げるため、様々なセールステックを活用して乗り越えてきました。
1. キーマンの情報収集・事前認知の獲得
導入の意思決定者であることが多い役員以上の経営層のアポイントを獲得するためには、その情報収集と事前認知の獲得に大きな障壁がありました。大手のメーカー様や上場企業であれば公開情報を元に調査することは可能ですが、様々な媒体を横断して調べる必要があることに加え、欲しい情報が各媒体のどこにあるかがわからず、非上場企業はさらに公開情報に乏しいため、膨大な時間がかかっていました。
加えて、そうしたキーマンに直接接触を持つことはより困難で、接点のない企業に対して闇雲に代表電話へ架電をしても、俗にいう"受付ブロック"を受け、その通電率は非常に低い状態で推移していました。
そこで弊社は下記の2つのサービスを活用して、その改善に取り組んでいます。
Sales Maker
ターゲットとなる部署やキーマンの情報を取得するために活用しているのが、Sales Markerです。
セールスマーカー社が独自に集めた豊富な部署・担当者情報をもとに、組織構成を把握しバイヤー相関図を想定し、キーマンが誰かの仮説を立て、アウトバウンド架電の効率向上や、レター送付、フォーム営業、顧問チャネルの活用に繋げています。
さらにSales Makerには、Web上の顧客の行動データから興味関心を数値化したインテントデータを取得することができます。インテントデータを活用することで、顧客のリアルタイムのニーズを把握し、「今」欲しい情報を即座に届けることで、双方にとって最適なタイミングでの接点創出、情報提供に繋げています。
Keyman Letter
キーマンの事前認知の獲得にはKeyman Letterを活用しています。
リードのないキーマンに対して連絡を取る手段は限られていますが、その中でもよく知られ活用されているのがCxOレターです。顧客に向けた1to1の内容をしたためた手紙を送付するCxOレターは、日々の活動量との両立の難しさがあります。
Keyaman Letterでは、送付対象のリストと文面、同封物を登録すると代理で送付をしてくれることから、弊社では非常に重宝しています。
2. 個社・キーマン別の仮説構築・価値訴求
キーマンの情報を集め事前認知も獲得すると、次は電話でコミュニケーションをとり価値を訴求する番です。しかし通電したとしても、多忙なキーマンから「この人の話は聞く価値があるぞ」、と思っていただかなくては、せっかく繋がった電話も無駄になります。
BDRのハイパフォーマーとそれ以外のメンバーとの間で、圧倒的な差があった一つの指標に通電後のアポ取得率がありました。ISが架電において突破すべき壁に「不信」があると言われていますが、その壁を攻略するための仮説構築と価値訴求を強化を目的に、弊社ではFORCAS Salesを導入しました。
※参考:商談において顧客が検討を止める理由4分類
FORCAS Sales
FORCAS Salesには、企業概要に加え、市場・業界の概況や直近のニュース、同じ業界のプレイヤー、開示資料が一元的に見ることができます。
この情報と、FORCAS社が提唱する、キーマンとの過去の接点「Why you」と3C分析をベースとした顧客に対する仮説「Why now」を訴求する「不信の突破フレームワーク」によって、通電後のアポ獲得率の向上を実現しました。加えて、情報収集の生産性の向上や、仮説構築の勘所を養うトレーニングにも活用しています。
3. 必勝パターンの型化
こうした効率化を図ることに加え、各メンバーのセールススキルの向上のためハイパフォーマーとの毎日ロープレによるスキル伝授に取り組んでいました。しかし、BDR組織の人数が増えさらなるスケールを担保するためには、同期のコミュニケーションだけでなく、アクションの詳細なデータの蓄積と言語化・型化が必要となっていました。
過去には架電の録音がなく、ハイパフォーマーの記憶を頼りにしたスクリプトにより型化を行っていましたが、より有機的なイネーブルメントを実現するためにamptalkを導入しました。
amptalk
amptalkでは架電の録音データを解析して会話の文字起こしや会話の割合、トピックの分布などを可視化できます。
amptalkにより、ハイパフォーマーのサンプル架電の共有が容易になったのはもちろんのこと、タグとコメント機能を活用することで ①FBサイクルの効率化 ②ヒアリング力向上委員会の設置 の取り組みもスタートさせました。
①FBサイクルの効率化では、ハイパフォーマーとのロープレを、実際の架電に対してコメントを残すように変更。活きた架電に対してピンポイントでFBを受けることで、各自の具体的な改善ポイントが明確になり、改善行動に移しやすくなっています。
②ヒアリング力向上委員会は、顧客の課題をより引き出すために題材となる架電に対して相互でコメントを残しディスカッションをすることで、質問の意図や言い回しの改善、より有効な引き出し方の案出しなどを行なっています。
最後に
ここまでBDRの課題と、成果を最大化するために活用しているセールステックについて紹介をしてきました。我々はこうしたツールで業務を楽にするのではなく、世にあるベスプラを最短距離で使いこなし、より強度の高いBDRの実現を常に模索しています。
実はCADDi DRAWERについても同じことが言えます。キャディが実際にものづくりをする中で生まれた痛みから作られたCADDi DRAWERは、製造業出身者が持ち寄ったベスプラが詰め込まれています。
機能だけに目を向ければ、設計・調達・製造・営業の業務をただ楽にするためのものと思われるかもしれませんが、効率化し空いた時間を使ってより高度な業務にシフトする、部署や会社全体のカルチャー変革につなげていただいたケースが多くあります。
※CPO 白井のnoteにより詳細があるので、ぜひご覧ください
言ってしまうと、我々もCADDi DRAWERのユーザー様に負けていられないのです!笑 セールステックの今ある機能と想定される使い方をしているだけでは、導入目的の半分も実現できていません。世のベスプラによって変容した自分たちの行動を、作り手の想定を超えてさらにアップデートさせることが求められています。
そのためには、今いるメンバーだけではなく、その瞬間の最適解を共に探し続けてくれる新しい仲間を探しています!今回の記事を読んで少しでも気になったところがあれば、まずカジュアルにお話しさせてください。
ISやBDRの組織体制、取り組みに興味を持ったよーという方がいらっしゃれば、ぜひ情報交換や交流会もさせてください!繋がり申請もお待ちしてます!
次のバトンはOpsチームの円谷さん!よろしくお願いします!