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個というモノについて


結論から先に言うと、これらの経験のせいで日本、日本人というモノにいつでも疑問を持つようになった。

母方の家系は髪の色素が薄く、その中でも母は特に色素が薄い。
その時代には珍しく、茶色というか赤茶色みたいな地毛だ、息子である自分にもその地毛は遺伝し、母よりは僅かに黒いが体毛全てがほぼ茶色で、人によっては染めているようにしか見えない。

保育園時代は薄茶色にしか見えないし、小学校でやっと茶色くらいだった。
小学生くらいまでは珍しがられるぐらいで(時代的に)、なんとも思わず過ごしていた。

ところが、中学校に上がると問題になった、入学式の終わりに教室に残り「本当に地毛か」と母と自分、そして担任で話会いがあり、「地毛証明書」みたいなモノを出すので、子供の頃の写真を持ってきてほしいと言われた。

母が「お母さんも大変だったけど、アンタも大変かも、ごめんね。」というような事を言っていた気がする。
自分の髪の色は好きだし、気にしていない。

保育園の写真を提出し、無事に証明書が発行されたおかげで、別になにもないだろうと安心していた。
小学校の友達は以前から知っているし、中学校からの友達は珍しがるだけで、順調だった。

だけど、ある日の給食の準備の時間に(中学校は給食でした)、新しい生活の先生と目があった瞬間、いきなり髪を掴み上げられた、足が少し浮くくらい。
ハッキリ言って凄く痛かった、友達が「コイツは昔からこの色なんです!」って言っても、髪の生え際を見るフリをして離さないし。

担任が通りがかり、説明したことで、やっと開放された。
それからと言うもの、「髪を黒に染めてこい」だの「坊主にしろ」だの、日本人は髪が黒いのが当たり前、みたいな事を言われた。

校則で「髪は染めてはいけない」と決まっているのに黒はOKってどうなんだ。

それから高校生になっても、生徒指導の教師に、わざわざ体育館から外に出され、3人くらいに囲まれて根本のチェックをされる始末。
その時も、小、中学が同じだった友達が説明して、助けてくれた。(本当にありがたい)

ちなみに、高校の時は自分と同じ髪色の女子生徒がいた。その子も同じ目にあって、涙目になっていた。
それに悪態をついて、本当に生徒指導室行きになった事は、今も後悔していない。

それから卒業するまで、いつもの「黒に染めてこい」「坊主にすると黒くなるぞ」の、みんなと同じになろうね説教の始まり。

なんでだろう、日本の学校と日本教育は、みんな同じ黒い髪の色じゃないと、機能しないんだろうか。
自分は只、髪を染めたくなかっただけ、校則を守っただけ。
自分の、生まれながらの髪の色が好きだっただけ

今でも当時を思い出すと、疑問と怒りが湧いてくる。

これらの経験のおかげで、社会に出て、人が気づきにくい疑問に自然と気づくようになりました。
子供達にもオブラートに包んで言って聞かせ、人はみんな同じじゃないんだよ、みんな違うんだよ、と教えています。
ウチの長男に遺伝しましたが、こげ茶色くらいだし、最近の子はみんな地毛が真っ黒じゃないので、あまり気にしていません。
楽しい記事では無くすみません、しかし、文章にして長年の何かがスッキリしました。

引き続き、よろしくお願いします。

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