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くさむしり

このところ畑さいくのをいやがっていたおはなちゃん

保育園帰り、畑に向かう道だとわかると

「はたけいや!はたけいや!」

と言っていた

この前なんか畑に着いても

「くるまでまっとく」

といってひとりで絵本を読んでいた

畑にいくとあたしは水やりに、嫁さまは作物の手入れに夢中になるので、自分にかまってくれないからつまんないのかなあと思われる

「畑で楽しみが見つかったらいいんだけどねえ」

と嫁さまと話していた

そして今日も今日とて畑参り

あたしが水やりのために用意したバケツとジョウロにとことことこと歩み寄るおはなちゃん

「おはなちゃんお水やりしてくれる?」

「いいよ」

と言って、ジョウロに入っている水をバケツに注ぎだした

「おとうさんなくなったー!」

というのであたしは(おはなちゃんが注いだ)バケツの水をジョウロに移す

そのジョウロの水をまたバケツに注ぐおはなちゃん

とある強制収容所の拷問のような強制労働にしか見えない

A地点にある石の山をカゴに積み込みB地点へ運びおろす

そのおろした石たちをまたカゴに積み込みA地点へ運びおろす

そのおろした石たちをまたカゴに積み込みB地点へ運びおろす

そのおろした石たちを・・・無意味な無限ループという拷問

それを彷彿とさせるジョウロとバケツの無限行ったり来たり

楽しいのだろうか?

楽しいらしい

ならよし!!

・・ではあるが、あたし的にはよろしくない理由がふたつ

ひとーつ、

バケツの水をジョウロに移すのはあたしである

何度も繰り返されるとその生産性のなさに辟易してくる

ふたーつ、

そもそもその水は作物たちにあげるためのものである

おはなちゃんがこの無限ループをやめない限り、作物たちは渇いたままである

誰も得しないのである

仕方がないのでおはなちゃんが満足するまで、あたしはそこらへんに生えた雑草をむしりとることにした

草むしりはあたしはわりと好きだ

根っこから引っこ抜けた時の快感たるや

現実世界では人間性を疑われるため絶対にやらない「若い芽を摘み取る」模擬体験ができる

親が夢中になっていると興味を示し出すのが子なもので

「おはなちゃんもする」

といって草むしりをしだした

ある程度溜まったら

「おはなちゃん、これらを向こうに持っていてくれる?」

というと

「いいよ」

といって、雑草たちを捨てに行く運び屋を引き受けてくれる

「おはなちゃん、草むしりは、楽しいかい?」

「うん、たのしい」

うん、なんか楽しい理由がわかる気がする

とにかく引っ張りまくればいいですからな

根っこからとれようととれまいと関係なく

だいたいは日常で何かを引っ張ろうとすると

「やめて」

「引っ張らないで」

「こわれるよ!」

と注意されるのに、こと草むしりに関しては何も言われない

好き勝手にやってるのに怒られないし注意もされない上に褒められるという特典もついてくる

こういう解釈でやっていただけると今後も続くだろうなあと思うのだが、果たしてどうだろうか・・?

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