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ひねくれ偏食家の、読書挑戦録

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「流行っているものは読まない」と意地をはってきた、ひねくれ者(偏食もち)が、本を読み、世界を広げて行く過程の記録もろもろ。 他にも、読書や本に関するエッセイ・コラムを集めています
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2022年6月の記事一覧

短編ブーム到来

 小説というと、長編ばかりに手を伸ばしてしまう傾向が強い。
 (今読んでいる深緑野分さんの『スタッフロール』もそうだが) 
 が、時々、短編を集中的に読もうか、と思いつくことがある。
 短編にこそ、技が詰まっている―――小説の書き方やエッセイ本を開くと、そんな言葉が頻繁に出てくる。
 オー・ヘンリー、サキ、モーパッサン、モーム、芥川龍之介、志賀直哉、向田邦子、星新一……
 星新一さんのショートショ

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読書日記~ハーディング『ガラスの顔』

フランシス・ハーディング『ガラスの顔』を読了。
イギリスの作家さんによる、異世界ファンタジーで、作品を読むのは初めてになる。

舞台は、地下都市カヴェルナ。
数百年の時を生きる大長官の支配のもと、人々は、表情を持たず、「面」と呼ばれる作られた表情をつけて、生活している。
そんなカヴェルナの中では、「異端」とも言うべき特性を持つ少女ネヴァフェルが主人公。
チーズ職人に育てられた彼女は、好奇心旺盛で、

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