見出し画像

コンビニよりも多い神社の謎④ 日本オリジナルの仏が登場!

神仏習合によって登場した修験道とは!? 

 飛鳥時代に修験道(しゅうけんどう)という宗教が現れます。
 これは神道由来の山岳信仰と仏教の考え方を取り入れた宗教で、神仏習合によって登場した新興宗教という訳です。

 以前もお話しましたが、神道には戒律がなく、厳しい修行を強いる事もありません。しかし神道と仏教のハイブリッド宗教といえる修験道は違います。
 神道が元になっているものの、仏教の影響を受けているので、俗世を離れ、山に篭り、厳しい修行によって霊力を上げ、人々の救済を目的としています。
 修験道に属する人を修験者(しゅうけんしゃ)、または山に伏して修行するので山伏(やまぶし)と呼ぶようになりました。

画像1

 

日本オリジナルの仏の登場

 修験道を始めたのは、役角小(えんのおずぬ)という人物です。彼は幼い頃から霊験に優れ、様々な特殊能力発揮し、『前鬼、後鬼』という2体の鬼を従えたという伝説があります。

 役角小が20代の時、奈良県にある金峯山(きんぷせん)の山中で修行していると、釈迦如来が現れました。しかし役角小の考えには、マッチしませんでした。その後、千手観音と弥勒菩薩が現れますが、やはり役角小の考えに合いません。役角小は「これからの時代は、もっと力強い仏が必要だ!」と、思っていたからです。

 そこで役角小は釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩を合体させて、蔵王権現(ざおうごんげん)という仏を生み出し、修験道の最高仏としたのです。

 蔵王権現は日本オリジナルの仏です。ナポリにナポリタン、ミラノにミラノ風ドリアがないように、インドに蔵王権現という仏はいません。

画像2

 インドに起源を持たない日本独自の仏である蔵王権現。奈良県の金峯山寺を総本山として全国の御嶽神社(みたけじんじゃ)で祭られています。「仏なのに神社で祭られてるの?」という疑問を持つかもしれないが、その理由は後程。

神と仏の立場が逆転!?

 修験道は神仏習合から派生した本地垂迹(ほんしすいじゃく)という、新しい宗教観が主軸となっています。

 本地垂迹とはどのような考え方なのかというと……
「日本の神々の正体は、実は仏だったんだよ!!!」
「な、なんだってー!?」
 という思想で、仏が日本の神々に変身して、人々の前に現れている、と考えたのです。

 わかりやすく漫画で説明すると……
『江戸川コ○ン(神=仮の姿)の正体は工藤新○(仏=本来の姿)」だよ』という事ですね😆

 この本地垂迹という新しい宗教観によって、日本の神々の立場は仏よりも下になってしまいます。そして修験道は神々と仏を合体させて様々な権現を生み出していきます。


 伊邪那美神(いざなみのかみ)と地蔵菩薩(じぞうぼさつ)を合体させた愛宕権現(あたごごんげん)。
 白山比咩大神(はくさんひめのおおかみ)と十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)を合体させた白山権現(はくさんごんげん)。

 例を上げたらキリがないので権現を全てお話する事は出来ませんが、修験道は日本古来の神々と、仏を合体させて多くの権現を生み出しました。そして権現を祭る権現社という神仏殿を日本各地に造り、修験道を布教していくのです。
 しかしこの権現社が、後に神社が増える要因になります。

関連記事



AmazonKindleにて電子書籍を販売しています😊

画像3



 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?