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シン老後生活について考える

一軒家に沢山の荷物と、義母と夫と暮らしている。
実家の父は長く一人暮らしだったが、病院に長期入院している。主人を失った実家だが、遠距離に住む私達子供が父に会いに行く時に泊まる。荷物結構ある。
実家の近くにある叔父叔母の家も夫婦揃って入るが、沢山の荷物がある一軒家に住んでいる。
夫婦のどちらかが欠ければ、沢山の荷物と一軒家にひとりで住む事になる。そして、最終的には子供達が荷物と家をどうにかしなければいけない。
全国あちこちで似た様な事が起こっている筈。

一軒家は老人には大変だ。
ゴミ出しするのも大変で、入院する前の父はヨロヨロしながら自転車に跨ってゴミ出しをしていた。私達は電話越しに、危ないから頑張って歩いたほうがいい、歩かないと足が弱るよ!と父に言い続けていたが、弱るよではなく、とっくに弱っていたのだ。しかも、どんなに頑張っても最終的にはゴミ出し等出来ない程に足は弱る。叔父はシニアカーでゴミ出ししているというし、別の叔父叔母は車でゴミ出しに行くという。車に乗れなくなるのも時間の問題だ。父のいない実家に泊まってゴミ出しをする時もある。50代の私達にはなんて事ない距離だが、高齢者にとっては大変な事だと思う。その証拠に、そこへゴミ出しに来るご近所の高齢者は自転車でヨロヨロと出しにくるか、ゆっくりと杖をつきながら出しにくるのだった。
高齢で一軒家暮らしは、かなり厳しい。かつては長男夫婦が同居して、一軒家で高齢者が一人暮らす事は稀だったのかもしれない。でも、これからはどんどん独居老人が増える。自分も子供達に世話になるとは思うけど、一緒に住むとは思ってはいない。子の側も親の側も望まないと思う。
独居老人になるのは必然として、では、沢山の荷物と一軒家はどうしたら良いのか。
今すでに高齢者と呼ばれる人達は、断捨離して駅近集合住宅にお引越しというのは難しいと思う。
でも、このまま何の対策もしないと同じ道を辿る事になるので、次世代高齢者予備軍は新しい老後スタイルを模索したい。
名付けて「シン老後生活」。
シン老後生活としては、早い段階で、荷物と家を処分して、団地みたいな集合住宅に引っ越しするのはどうだろう。もちろん予算が許せば、駅近高級マンションでも良い。予算の都合で、中古マンションになるかもしれないし、なんだっていいんだけど、買い物とゴミ出しと病院が便利なところに、まだ元気なうちに引っ越す。車も自転車もなくても大丈夫な所に自ら引っ越すしかない。
あんまり早くから老後老後いうのもなぁと思っていたが、気づいた時には引っ越す元気など無い事が親世代を見ていて分かった。右肩上がりだった若い頃(実際はそれほどでも無いけど。)とは違って、自分が色々と弱って出来なくなる事を想定する。そのつもりで準備しとくのは、やっぱり今なのかもしれない。

荷物を減らしたいとは思うけど、一体どこまで減らせるのか。
自分の持ち物を捨てると不安になる年寄りの気持ちも、ちょっとわかる。18歳で進学の為に上京した時は、わずかな段ボールの荷物しか持ってなかった。学生寮にいたので荷物は増やせないので、卒業した時も荷物は少なかった。でも、その他に実家に自分の持ち物があった事で特に不安ではなかった。結局、実家においてあった荷物が必要になった事はなく、ただ置いてあっただけ。今、それを自分自身で処分する事になっている。結局は要らなかったんだけど、実家に私の一部がある事が安心になっていたんだと思う。今、息子達のあれこれが家に置いてあり、結局それは要らないんだろうけど、多分彼らの安心になっていると思う。
しばらくは、そのまま安心を預かっておこうと思う。でも、どこかのタイミングでそれらを全部手放して、身軽なシン高齢者にならねば。
いいタイミングでそれが出来るといいと思う。自分でそれらの処分が出来なくなる前に、自分で決断したいと思うけど、果たしてどうなることやら。