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高齢者と猛暑とエアコンバトル

同居の義母93歳はエアコン嫌い。
6月後半のそろそろエアコン必要になった頃から、毎日夫と義母のエアコンバトルが繰り広げられている。
夫は極端な暑がりで、私もそっと設定温度を変えたり、自分の部屋に避難したりすることもあるので、おばあちゃんにとってはエアコンは寒く感じる事もあるとは思う。
でも、30度近くなった部屋のソファでぐったりと寝られていると、イヤイヤ、冷房つけてくれよ、お願いだからと思う。
お茶も飲んで欲しいし、エアコンもつけて欲しいのに、大丈夫の一点張り。
部屋の温度計が29度になって初めて、そろそろつけましょうというと、「まだ暑く無いんだけど」と言いながら、ようやく付けさせてくれる。
こっちも、そんなに何度も見に行けないし、出かけていない時もあるので、何とか早めにエアコンをつけようとする。
が、いつのまにか、勝手に切ってる〜!!
それを繰り返していると、夫は「ばーさん、いい加減にしろ!」と怒鳴り始め、おばあちゃんは、「あんた、偉そうに!自分で、ちょうどいい様に出来るわよ!」と怒鳴り返す。
去年の夏だったら、私は間に入って、二人を宥めようとしていた。でも、間に入っても何の解決にもならないし、私が疲れるだけなので、「ワハハ、やってるやってる。こんだけ騒げるなら、まだ元気!」と放っておく。

「放っておく力」発動。

自分で勝手にスイッチを切ると、今度は冷房のスイッチがどれかわからなくなるらしく、付けてくれと言いに来たりする。夫も私も、ハイハイと付ける。
それを何度も繰り返してまた頭に来た夫は、「ばーさん、勝手に切るんじゃねー。」とリモコンを隠した。すると、リモコンを知らないかと聞きにきて、勝手に切るから渡さないという息子に掴みかかるばーさんという地獄絵図。
「放っておく力」を身につけた私は、これらの地獄絵図が、見様によっては、親子が仲良く戯れているようにも見えなくも無い。もしかして、これは、感情が麻痺して危ない傾向なんだろうか。いや、物事を俯瞰してみる力がついたとも言える。一生懸命何とかしようとしては、ブチっと切れていた去年までの私、大丈夫だよ、頑張り過ぎないでいいんだよ。

まだまだ、元気じゃん、おばーちゃん。
なんだかんだ施設に入れようとしない夫も、母さん大好きなんだなぁ。
仲良しだね!とも思える。

これが、息子と老婆の二人暮らしだったら、だんだんヤバくなるかもしれない。
そこに嫁の私と、そして車で30分の義妹がいるので、仲良しって事で済ませることができているのかも。

そして、暑さはどんどん過酷になり、熱帯夜が続いたある日。
一階で寝ているおばあちゃんが、夜中にエアコンを切った後、暑くてシャッターを上げて網戸にして寝ている事が発覚。
私の実家あたりでは、それも全然ありなんだけど、我が家はまあまあ都会なので、それはいくら何でも不用心。
それに気づいた夫は、また寝る前にリモコンを取り上げ、それに気づいたおばあちゃんが逆上して、大乱闘。
「シャッター開けて網戸で寝たらダメ!」という夫に、「そんな事するわけない!」とおばあちゃん。認知症なので、言い聞かせても忘れるし、自分がやったことも忘れるので、どうしようもない。
挙げ句の果てに、「クーラー付けたら電気代が払えない。こんなこと言うと恥ずかしいけど、お金が無いのよ〜。🥲」
夫は、「お金ならあるでしょ!電気代払うぐらい、ばーさん金持ちなんだから!」と言っても、お金が無いと言って聞かない。
夫は面倒くさくなって「大丈夫!ワシが払ってやるから!ワシ、金持ちだから!」
すると、おばあちゃん、「あんた、払ってくれるの?金持ってる様には全然見えないけど‥。」と大真面目。
私はその時隣の部屋におり、ここで出ていったら巻き込まれるので、聞き耳をたてていたのだが、そこで大爆笑!声を潜めて大笑い。

確かに、全く金持ちに見えません!笑笑
おばあちゃん、核心をついてくるなー。

今日は、夫不在なので、そろそろおばあちゃん部屋のエアコン確認しにいってきます。