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実家に帰って父に言い過ぎて反省するの巻

私は普段認知症の義母と定年した夫と暮らしている。それと同時に、離れて暮らす実家の父を遠隔見守りしている。なので、父にいよいよ介護が必要となると遠距離介護が始まる事になるのだが、現在義母介護中でもあるので、なるべく実家の父に元気でいてもらいたい。今のところ、なんとか大丈夫だけど、だいぶ足腰が弱ってきており、間違いなく介護予備軍だ。

父は、若い頃より太った事、麺類が好きで全然痩せる気ない事、お酒も結構呑む事、散歩しろと言っても全然してない事などなど、ダメ出ししたいところが沢山ある。
母は早逝したのだが、今回親戚の法事で、弟二人も同時帰省し、今回は誰も配偶者と子を連れてこなかったので、80代父と50代の子供達とかなりくたびれているが、かつての家族水入らずと相成りました。
だいぶ足腰が弱ってきている父に、子供三人でよってたかって、もうちょっと歩こうだの、もうちょっと痩せようだの散々言って嫌がられた。痩せようだの、酒を控えようだの言いながらも、その日の夕食は近所の焼肉屋で焼酎ボトル一本とビールをしこたま飲んでおりますが。

弟達は仕事も忙しいので、法事の後はまた直ぐに新幹線でそれぞれに去っていき、私はもう二泊して色々な用事をすませた。
その用事というのは、免許返納して車移動できなくなったので、長らく会えていなかった父の兄に会いに行く事。私も伯父に会うのは久しぶり。
車が無くてなかなか行けない母の墓参り。
前々から相談していた家族信託を契約するために、銀行へ一緒に行く事などなど。3日間レンタカーを借りて、これらの用事を済ませた。仕方ないとはいえ、車を手放すと地方ではなかなかに不便だ。
父は車の運転も慣れていたし道もよく知っていた筈なのに、私がこっちでよかったっけ?と運転しながら道を聞くと、割と出鱈目だった。ずっと乗り続けていないと道路事情も変わり続けているので昔とは違ったりもしている。父の案内が全部間違っているわけではないが、部分的にはあっているのが却って災いしていることに気づき、途中から、もうお父さんに聞かんと私がしっかりせんといけんのんじゃ!と広島弁で決意したのだった。故郷に帰ると、脳内がふるさとの言葉に変換されて思考ものんびりしてくる。それも心地よく、自分ももっと年取って夫が先に死んだら(自分に都合の良い想定)、またここに帰ってくるのもイイかもなぁなどと思ったりもするのだった。
弟達がいなくなった次の晩も、お酒を飲みすぎるなとか、ラーメンと一緒にご飯を食べたらダメ!だとか口うるさく言っていると、だんだん父が悲しそうな顔し始めて、「そりゃわかっとるけど、それがなかなか出来んのじゃ」と呟く。私もしつこく、「でも、やらんと、ドンドン太るしドンドン筋力も弱るよ!すごい激しいトレーニングしろとは言っとらん、ちょっとだけ痩せたら歩くのも楽になるし、そしたらもうちょっと歩いて筋力もつくじゃん!」と言う。「そんなにまでして長生きしとうない‥。」「そんな事いっても、まだまだ死なんじゃろ。生きとる間は元気で動けた方がいいに決まっとるじゃん!」
今再現してみても、なかなか言いたい放題のキツイ娘だ。ちょっと、緊迫した夜になってしまい、父がもう寝ると言いだした。
いや〜帰る前の日にキツく言い過ぎたなぁと反省。
父が寝た後、台所の排水溝のドロドロや、お風呂の蓋のカビ取り、トイレの念入りに掃除などをして、私も寝た。
次の朝はもう私が帰宅する予定。
レンタカーはもう返却しているので、渡場(島なので一旦船に乗ります)までスーツケースガラガラ引っ張って歩いて帰ろうと思っていた私に、「それワシが自転車に載せて行ってやろう!」と、父が電動自転車の荷台にスーツケース紐で縛り始めた。転倒されても困るので、「いいよ、お父さん、大丈夫だから。」と言う私に、大丈夫大丈夫と言いながらヨロヨロと自転車を漕ぎ出す。こっちは歩きなのだけど、自転車をゆっくり漕ぐのは難しいので、「ワシは先に行っとるけ〜」とドンドン先に行ってしまった。なので、私は、小走りで渡場まで追いかける事になった。50代のおばさんが自転車の80代のおじいさんを走って追いかけるという地獄絵図。先に渡場に着いた父になんとか追いついてスーツケースを受け取り、それじゃ、また来るね!とお別れして船に乗ったのだった。また半年後に様子を見にくることにているし、毎週LINEビデオ通話しているので、そんなにしんみりする事もなかった。父も口うるさい娘が去ってヤレヤレという所だろうか。

昔は帰省する度に父が車で新幹線駅まで送迎してくれたが、段々運転が怪しくなり、渡場迄でいいよという事になり、ついには、レンタカーまたは徒歩という事になった。でも、渡場迄で自転車で来れるので十分。これをなんとかキープして欲しい。

元気でいて欲しいけど、例え不健康だとしても、好きな物食べて好きな様に呑気にダラダラ暮らしてもいい気もする。
どっちがいいんだろうなぁ。
あんまりもう煩い事言わん方がいいかなぁ。
永遠のテーマだなぁ。