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パンパンのウエスト

びっくりした。

久々に会社の制服を着た。

ウエストがパンパンだった。










私は太ることがとても怖い。
太ることは自分を嫌いになる行為であるからだ。
自分に自信がなくなり、人と話すことも、そこに存在することも、自分のことも、全て嫌いになり無気力おろか、鬱状態になる。

そんな鬱状態を救うのが食べ物だった。

食べ物をたくさん保持した状態になると、精神が安定する。心の底から落ち着く。
それらを食べている間はもっともっと心が安らいで、食べ終わることには絶望する。

ただのデブなのか、過食症なのか、もはや糖尿病なのかもしれない。










それの過度なルーティンのおかげで私は制服のスカートがパンパンだった。

当然のように鬱になった。

今日はもう何も食べない。お昼にカロリーメイトだけ食べよう。


そう決意した。










日中働いている間もスカートのウエストの上にいつもお腹のお肉が乗っかっていた。
はち切れそうにはみ出たお肉達もいた。

それを感じるたびに私は自分のことが嫌いになった。すでに嫌いなのに。











仕事が終わった。
さあ、何も食べずに帰ろう。

あまりにも栄養をとってなさすぎるから、帰りもカロリーメイトだけ食べよう。そう思ってコンビニに寄ったのが最後だった。

それだけじゃ終わらなかった。












そうだった。
私の鬱状態は何かを大量に食べることによって解消されていた。

私はがむしゃらに1500円分のコンビニ食料を抱えて車に入る。そして、がむしゃらに口に詰めていった。詰めるたびにキツくなるウエスト。もう止められなかった。











こうして1日が終わった。

病院で処方された薬を飲まなくてはいけないのに、その水の分体重が増えてしまうのが怖くて飲めなかった。昨日よりは400g軽いから、少しでも増やしたくなかった。

だったらがむしゃらに詰め込む行為をやめたらいい。のに。やめれなかった。











自分で自分を、止められない。

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