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Annaの日記 犬というこども④

 「犬は妊娠がわかる」と聞いた事がある。


 同棲を始めて私との時間も増え、以前のようなどこでもずっと張り付いてくることが少なくなり、「自分時間」を犬も作るようになってきていた。

 ありがたい事につわりが全くなかったので、普通に仕事に行き、日常生活に特に変化はなかったが、少しお腹が大きくなった頃から異様に「お腹の上」で寝たがるようになった。

 そして、一番の問題は・・・めちゃくちゃ吐くようになってしまった。

 それまでは半年に1回くらい吐いて、その度に心配して動物病院に連れて行くくらい珍しい事だったのに、まるで私のお腹の中にライバルがいるのが
わかっているかのうように、そこら中で吐くようになってしまった。

 最初は、食べたものや、色々と原因を探る日々が続いていたが、どうやら私たちが何かに忙しく構わないと吐く事がわかってきた。

 どんなに忙しくしていても、吐いたら掃除をしてくれる=構ってくれる
と覚えてしまったようで、腹が減ると分かっていながらも振り向いてほしくて事ある度に吐いた。

 
      正直犬の気持ちはわからない。

 言葉が通じないという事は、本当の彼(犬)の気持ちなんて誰にも分らないのだ。吐いている原因も他にあるのかもしれない、もしかすると大きな病気なのかもしれない。ただ、吐いた後のケロっとしっぽを振っている時点で
大丈夫そうなのはわかった。

 
  しかし、きっとこの犬は、新しい命の存在をわかっていた。

                     ~続く~

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