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金融正常化まで目前!最近ニュースできく「春闘」ってなに? 全力解説。

  • 円高が日本株に不利に働くのはなぜ?

  • 春闘はなぜそんなに大切なの?

こんにちは、雨不足の場合です。現役東大生です。あり余った時間を使って、今日もニュースの解像度を上げていきます!

3月11日、日経平均株価は一時1100円を超える下落幅となりました。
まさに「大暴落」ですね・・・
日銀の金融正常化のあしおとが聞こえる中、円高が加速。
日本株も大打撃を受けました。

日銀が注目する「春闘」って一体なに?
経済のギモンを今日も紐解いていく!!!



円高が日本株に不利に働くのはなぜ?

-日米金利差に揺れるドル円

3月11日、ドル円は146円台まで急落した。
これは日銀のマイナス金利撤廃などの金融正常化政策が進むとみた円買いの動きが進んだからである。

そもそも、ドル円レートがどうやって決まるかご存知だろうか。
それはマクロ的には、日米金利差である。

投資家は自身の資産を増やすため、金利が高い国の通貨を買うという大前提がある。銀行に預ける資産が漸増するからだ。昨今では、日本が低金利を続ける中、米国が利上げを繰り返し、ドル買いが進み円安の傾向にあった。

円安は外国で稼ぐ多くの日本企業にとって業績を押し上げる効果を持つ。日本には輸出産業が多いことは皆さんご存知だろう。

外国での販売の際、円安下では日本製品が相対的に「おトク」になり、売上が伸びる効果がある。また、日本企業の為替差益による業績押し上げ効果もある。

例えば、1ドル100円の時に、米国での売上10ドルは日本円換算で1000円の売上となるが、1ドル150円の時の売上10ドルは日本円換算で1500円の売上になる、ということだ。トヨタは、1円の円安で450億円の売上押し上げ効果がある。ドル円が日本経済に与える影響の大きさが分かったことだろう。

輸送機器や半導体製造装置など、輸出産業が強い日本にとって、円安は企業業績を足上げる「追い風要因」である。逆に日本株にとって、円高は最大の下落リスクになるのである。

そして、先ほど述べたように、円高に傾く要因は日米金利差の縮小。つまり、米国の利下げ期待と、日本の利上げ期待である。



春闘はなぜそんなに重要なの?

−春闘で日本企業の賃上げを見極める

日銀は1月26日、2023年12月の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。同会合では金融政策を現状維持とし、マイナス金利政策の解除などは見送った。

日銀が物価安定の上で重視する賃金と物価の好循環の見極めについて、複数の委員が3月中旬に集中回答日を控える「春季労使交渉(春闘)の動向をみて判断しても遅くない」と述べた。(日本経済新聞)

このように、日銀は金融政策正常化に移る目標として「賃金と物価の好循環」を置いているわけだが、その重要な指標となる賃金の上昇が「春闘」で明らかになるということなのだ。

日本は長い間デフレに悩まされてきた。それを打開しようとしたのがアベノミクスに始まる異次元の金融緩和政策である。それ以降物価は上昇するものの、賃金が上がらないという厳しい状況に陥った。しかし、今日本経済は変わろうとしている。賃金も共に緩やかな上昇をすることで、日本は長年夢見てきたインフレ時代へと突入することになるのだ。

春闘とは、春季生活闘争の略称で、多くの企業にとって新年度となる4月に向けて、労働組合が労働条件について要求し、経営者と交渉し決定することをいう。つまり、労働組合の賃上げ交渉に対して、経営者側が3月に回答を出すということだ。

春闘における企業の回答で、日本企業の賃上げがうまく進んでいるかが分かるということなのである。日本企業の賃上げが進んでいれば、日銀総裁にとって金融政策正常化に向けた大きな後押しになるだろう。



おわりに

連合が7日公表した傘下の労働組合の賃上げ要求は、4日正午時点で平均5.85%(定期昇給込み)と、前年を1.36ポイント上回った。

大きく上昇する賃金が消費を支え、来年以降も賃上げ機運が高まるとすれば日銀による利上げのパスも変わりうる。当面は金融緩和を続ける見通しだが、日銀が利上げに踏み切れば日本株にとっては大打撃となる。

投資家にとっては、ドル円に大きく関わる米国や当国日本の金利動向に関わる情報は、常にチェックが必要だ。当面、3月19日に控える日銀政策決定会合に注目が集まる。それまで、日本株はリスクオフの動きが強まることだろう。


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(参考引用:日本経済新聞)

presented by 雨不足の場合
経済・株式投資に専念する現役東大生です。有り余る時間を活用して、皆さんの経済への解像度を上げるお手伝いをしたいです。今日も昨日より少しだけ賢くなって資本主義に立ち向かいましょう。
資本主義を勝ち抜くのは、いつだって堅実な冒険家。





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