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「辞めるときに言う」のではなく、ずっと居たいから伝えたい。

「辞めるときに言ってやる。」「別れるときに言うんだ。」と心に溜める。しかし、離れるときに言うのでは時が遅い。
そもそも対話をするのは関係を繋げるため。だから、関係を繋げない時、すなわち離れるときには言葉が通じない。まして離れたら自分の気持ちを分かってくれるなんてことはない。

仮に離れるときに言えば相手に不快感を与え、そのしわ寄せを受け、自分が悪い人にされて終わる。
伝えるなら関係がある、今。
……………
国家公務員のとき、4月上旬、隣の席の同僚が数日で来れなくなり、5月からは本格的にメンタル休職に入った。
「来れなくなった」というのは、本人の意志ではない。管理官が体調不良でも出社したがっていた彼に「来るな」と言い続けたのだ。
管理官は、私や派遣さんに「来たがる人を来させなくするのは大変」と目を輝かせて話していた。毎日のルーティンワークと異なる、人を休ませるという新たな仕事に喜んでいたのだろう。
彼は5月から7月末までの3ヶ月間、完全にお休みになった。
……
8月からはマニュアル通り、管理官と面談し、時短復帰になるはずだった。
しかし、面談の日、すべてを飲み込み溜め込んだ彼は命を落とした。遺書はなかった。

私に漏らしていた「辛い」「今すぐ辞めたい」との思いを会社にも家族にも言わず、言う時を逃し、飲み込んで、
周囲が機械のようにマニュアル通りの扱いをすることにも頷き、

永遠の別れを選んだのだ。

別れたら、分かってくれるわけではない。別れても分からない者同士、家族と管理官は裁判になった。
…………………
「こんな会社辞めてやる、その時に言ってやる。」「こんな人、別れてやる、その時に言ってやる。」と思うことがある。
しかし、辞めるときでは遅い。辞めないために、今いる人と関係を続けるために話さなければならない。
……
現職の話になる。
自分は何もしていないのに、何の話か分からないところで、自分にしわ寄せがきて悪い人になっていることがある。誰が流布したか分からない噂話を証拠によって反論することは、正直、面倒くさい。心身の疲労で関係を切りたくもなる。
……
部長に呼ばれ恒例の、「私が部長をどう思っているか部長による想像」についての話が始まった。部長は、私が部長をバカにしているとお考えらしい。
これまでの彼の想像との違いは、
「代表取締役も、貴女が僕をバカにしていると思っているから会社を辞めたほうが良い、辞めないのなら人事評価を下げると言っている。」
と代表取締役も同じ気持ちと5回ほど仰ったこと。

1週間、頭から離れなかったし、代表取締役が部長の言う通りのことを仰ったのではないかと恐ろしくなってしまった。責められた私の心は辞めたいに向かっていた。

しかし、「辞めるときに聞く」では遅い。
国家公務員のとき彼の「今は辞められないから、辞めるときに言う」が、「辞めるときに言えない」となる様子を見てきた。
仮に辞めても辞めてからでは何も伝わらない。

だから、話さなければならない。それは相手が例え代表取締役であってもである。
一万人もいる会社の平社員が代表取締役にメールなんて普通はしないだろうと思った。まるで名もなき歩兵が王騎将軍にものをお伺いするようなもの。それでも自分の人生だから、勇気を出してメールでお伺いした。
……
「部長が一時間半にわたり罵詈雑言で罵ったあと、辞めないなら人事評価を下げると仰り、代表取締役も同じご意向とお伺いしました。
以前、ご提案くださった当方を筆頭にし、契約部署を作る話はなくなったのでしょうか?」と。

怖いし、億劫だった。メールをしたことそのものを、激昂されかねないのだから。しかし、自分の人生だから自分の思いは、いるときに自分で本人に届けなければならないと思った。

「寝耳に水。部長には言っておく」とのお返事をいただいた。
部長の話は違ったのだ。
……
思いは、いるときに声に出していかないと伝わらない。

モヤモヤ考え、部長の話に洗脳され、雰囲気が悪くなり辞めざるを得なくなったときに聞くなんてことをしなくて良かった。
……………
辞めるときに言えばいい。
いなくなったら分かってくれるはず。
私はそれは滅多にないと思う。
辞めるときには言えないし、いなくなっても分かってくれない。

だから、ずっと誰かといるために、言葉にしないといけないのだろう。その相手が例え誰であっても。
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皆様✨
ご閲覧いただきありがとうございます。もう2月ですね。早いですね。

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