ばんだいあや

アラフォーOL。気ままにひとり暮らし。猫好きの猫アレルギー。 好きなもの:旅/ひとりの…

ばんだいあや

アラフォーOL。気ままにひとり暮らし。猫好きの猫アレルギー。 好きなもの:旅/ひとりの時間/チョコレート/お酒

最近の記事

ゆでこぼしの真実を知れ

煮卵が食べたい! ↓ 煮汁余る ↓ 角煮仕込む ↓ それでも余る煮汁 ↓ 炊き込みご飯でフィニッシュ  ←今ここ な、わけだが。 角煮の段階でふと思い出したので、ここに記す。 結構な最近まで、私は「ゆでこぼし」の意味を盛大に履き違えていたことを。 改めて説明するまでもないが、ゆでこぼしとは。 鍋でお湯を沸騰させ、もつや脂の多い肉などを煮立たせてからそのゆで汁を捨てると言う下処理のことである。 しかし私が信じていたゆでこぼしとは。 お鍋でぐらぐらと沸騰したお湯がザ

    • 30万円の身分証明証

      私が運転免許を取得したのは、かれこれもう20年近く前。 専門学校に通い一人暮らしをしていた中、喫茶店でバイトをし教習所に通うお金を貯めた。 1か月のバイト代、約5万円。×半年分。30万円という大金を一気に教習代にぶっこんだ。 しかもなにを思ったのか、マニュアルで申し込んだ。「どんな車でも運転できるから」という親の勧めにのっとって。 当時はだいたいマニュアルとオートマ半々くらい。マニュアルで取得しようとするのはほぼ男性で、女性はほぼオートマであった。 さて、肝心の運転

      • 何者にも成れなかった私

        「あなたはずっと文を書いていきなさい。」 縦にも横にもとにかくでかい、熊のような当時の現国の教師は、私の小説(もどき)を読んだあと、そう言った。 小さい頃から本が好きで、学校の図書館にせっせと通った。 親はおもちゃやゲームは許してくれなくても、本ならばなんぼでも買い与えてくれた。ノンタン、こんなこいるかな、ぐりとぐら、山田詠美、唯川恵、村上春樹、シドニィ・シェルダン、ダニエル・スティール・・・読解力は自然に鍛え上げられ、現代国語においては勉強をしなくてもある程度の点数は

        • 生死を一番に伝えたのは家族ではなく、ゲストハウスだった

          2011年3月11日午後 当時宮城県の沿岸部で働いていた私はこの世のものとは思えない揺れを経験し、なにが起こっているのかわからないまま、着の身着のまま建物の外へと避難した。 上半身は仕事着である薄いシャツとエプロンしか身に着けておらず、小雪が舞い散る中ガクガク震えていたことを覚えている。 誘導に従いとりあえず避難したのは近くにある高校の体育館。 職場の近くではあったものの当時私は電車を乗り継ぎながら通っており、土地勘はまったくなく、近くに友人は誰ひとりとしていなかった

        ゆでこぼしの真実を知れ

          犬になった私

          迷子を保護した。 美容室の帰り道、早く帰って夕飯の支度をしようと自転車をこいでいたら、男の子がひとりで号泣しながら歩いていたのだ。 交通量の多い大きな道路の歩道で近くに保護者らしい大人もおらず、泣き喚く男の子は圧倒的違和感。間違い探しの間違いのようで、「ダウト!!」となぜか私は心の中で叫んでしまった。 慌てて自転車を降り声をかけ、名前を聞いても歳を聞いても家を聞いても要領を得ず。犬のおまわりさんはこんな気持ちだったんだろうな・・・と一応緊急事態なのだろうがあらぬ方向に思

          犬になった私

          家族が増えた日

          私が幼少期ほしかったものは、姉か妹だった。 優しいお姉ちゃんやかわいい妹がほしくてほしくて、母に懇願したが実現せず、ふたり兄妹のまま今日にいたる。 2つ年上の兄はいつも私に命令をし、気に入らないことがあったりケンカのたびに体格差をいかしてパンチやキックを私にくらわせた。そのたび私は泣かされていた。はっきり言ってしまうと、優しくもない兄貴なんて嫌いだったし不要だった。 中学生くらいからお互い実家にいても話をすることはなくなった。話をしないもんだから、ケンカもなくなった。「

          家族が増えた日

          きつい顔の私だから

          私はその日、初めて訪れた近所の髪切り処の鏡の前に座っていた。 そこは髭眼鏡の若い男性がひとりでカットのみを行う。カットのみでシャンプーはせず、カラーリングもパーマもトリートメントもなし。まさにカット一本。ネットに露出することはなく、看板もない。お客ひとりにかける時間は約30分。 しかしそのたしかな腕前と安価ゆえ、地域のこどもはもちろん大人の女性も通う評判のところだった。 無論私も行ってみたい髪を切られたいと常々思っていたが、なかなか予約する勇気が出ず、気づけば約2年の片思

          きつい顔の私だから

          顔のお値段2万円

          朝、洗面台で顔を洗いながら、意外なことに少しだけ緊張している自分に気づく。まるで今の自分の顔にさよならするような、新しく生まれ変わるような。 大げさだなと思い、そしてふっと笑う。 これから行くのはただのシミとりレーザーなのに。 全身脱毛だって済んでいるし、数年前には左の頬にあった黒豆くらいのシミをとっている。今回も両の目の下のシミが以前より濃く目立つようになった気がして、ネットで検索したアンチエイジングクリニックにカウンセリング後、予約を入れたのだ。 すっぴんで朝早く

          顔のお値段2万円

          ニクの日に。肉友に捧ぐ

          今日2月9日(ニクの日)に、我が肉友を思い出さずにはいられない。 *** 私は肉が好きだ。豚牛鶏はもちろん、ホルモンや今話題のジビエも大好き。コース料理で「メインはお肉かお魚から選べますが?」と問われたら肉一択。いやむしろコースすべてお肉でも構いませんよというくらい、お肉。お肉大好き。魚や野菜が嫌いというわけではないけれど、お肉万歳! 2年ほど前まで、私は2週に一度のペースで焼肉屋を訪れていた。もっと高い頻度で肉を焼きに行く猛者もいるだろうが、なんのことはない。お財布と

          ニクの日に。肉友に捧ぐ

          課長よ、君爆発させるなかれ

          私はこじんまりとした支店で営業事務をしており、直属上司である課長は今年50歳である。 他にももちろん営業さんはいるが、外回りが多いため必然的に課長と社内で過ごす時間は多い。パッと見どこにでもいるおっちゃんなのであるが、業務を滞りなく遂行していればあとは口は出さない、ひょうひょうとしたドライさが私に合っていると思われ、日々のびのびと仕事をさせてもらっている。 いつもと変わらない、とある日。12時からのお昼時間。すでに口をもぐもぐさせていた私より少し遅れて休憩室にやってきた課

          課長よ、君爆発させるなかれ

          やわらかな雨

          まだ夜明け前の真っ暗な5時半。 目が覚めたとき、遠くで静かに雨の降る音を、耳が心地よく拾っていた。昨夜から降り始めた雨はひと晩中やまなかったようだ。 規則的な雨の音は周囲の音を遮断したのか、ひさしぶりに穏やかに眠れたような気がした。 雨音をひさしぶりに聞いたような気がする。雪ではなく、雨の音。 ふとんから出した顔がその日の朝の気温を教えてくれる。今朝はとても暖かい。けれども雨の音を聞いていたくて、しばらく布団にもぐったままで目をつぶっていた。 春というには早すぎる。

          やわらかな雨

          元気じゃない

          「元気?」と聞かれたら、なんと返しますか? 「うん!元気だよー。」 ※ここで主張させていただきたい。この「元気だよ」という返しは、「今現在絶好調というわけではないけれども特に心身ともに支障をきたしているわけではなく生活していくには問題のないレベルです。」を省略させたものです。(私の場合) なので、なんかもやもやしてパッとしないなーというときも、生理が近くてイライラ気味のときも、職場で理不尽な目にあっても「元気だよ。」 細かくそのときの状況を説明するのは面倒だし、聞いて

          元気じゃない

          風邪っぴきの鍋焼きうどん

          もう退職したが、私の母は養護教諭をしていた。俗にいう「保健室の先生」である。(「保健室のおばさん」という方がしっくりくるのだが、世の中の養護教諭の方々に敬意をこめて。) この事実を話すと友人はなぜか、「いいなー。ケガしたときとか風邪ひいたときに優しく看病してくれるんでしょ?」と言うのである。(同じく養護教諭や看護師を親にもつ方がいたら、どうだったかぜひ知りたい。) これはとんでもない誤解である。むしろ、風邪をひくたび怒られた。 幸い幼少期に大きいケガをしたことが

          風邪っぴきの鍋焼きうどん

          お年玉がつらかった

          新年になるとこどもが自動的にお金をもらえるという、夢のようなありがたいシステム。それがお年玉である。 こどものころの私はあまり物欲がなく、もらったお年玉と自分の通帳を母親に差し出し、「貯めておいて。」と頼むようなこどもであった。特にお金を貯めて買いたいものがあるわけでもなければ貯めたお金をおろして何かを買った記憶もない。おそらく貯金が趣味だったのかもしれない。 *** 年が明けるとおばあちゃんちや親戚の家に行く機会が増える。いとこや近所の人たちも我が家にあいさつに来る。

          お年玉がつらかった

          息を吐く

          恋愛に、進路に、毎日悩むことに長けていた私たちは、どこにでもいるありふれた女子高生だった。 いったいどこの誰が言い出したのだろうか。友人が大人ぶったため息をつくたびに、「あー!ため息ついた!幸せが1個逃げてったー!」と鬼の首を取ったかのようににぎやかに囃し立てた。しかしそこはなんでも楽しい女子高生。「今吸ったもん!すぐ吸ったからセーフですー!」なんて言い返してげらげら笑っていた。 まさか大人になってからの方が、本気でため息をつきたくなることが多くなるなんて知りもせずに。制

          好きなものの違いがわからない女

          タイトルのまんまである。 私はコーヒーが好きで、職場では必ず1、2杯飲む。(本当はもっと飲みたいのだが、カフェインの摂りすぎによる不眠を防ぎたい) 休みの日に行くカフェでの1杯も好き。 家でゆっくり飲む1杯も好き。 だが悲しいかな、味の違いはわからないのだ。 これはワインにもあてはまるのだが、好きなのに違いがわからない。ブラインドテストをしようものなら全問華麗に外す自信がある。なので当然こだわりもない。 ワインならコンビニワインで十分だし、普段カフェ以外で飲むコー

          好きなものの違いがわからない女