見出し画像

やわらかな雨

まだ夜明け前の真っ暗な5時半。

目が覚めたとき、遠くで静かに雨の降る音を、耳が心地よく拾っていた。昨夜から降り始めた雨はひと晩中やまなかったようだ。

規則的な雨の音は周囲の音を遮断したのか、ひさしぶりに穏やかに眠れたような気がした。

雨音をひさしぶりに聞いたような気がする。雪ではなく、雨の音。

ふとんから出した顔がその日の朝の気温を教えてくれる。今朝はとても暖かい。けれども雨の音を聞いていたくて、しばらく布団にもぐったままで目をつぶっていた。


春というには早すぎる。おそらく季節外れの暖かさなのだろう。雨は人を憂鬱にさせる。もちろん私も。恵みの雨というけれど、着ていく服履いていく靴、目的地までの交通手段まで狂わされる。そして私は低気圧であっさり偏頭痛を引き起こす体質で、ひどいときはベッドから起き上がれなくなることも。

しかし今は2月。本来ならば降るのは雪。そんななかで雨はやわらかく降り続ける。なんか得した気分。


雨雨ふれふれもっと降れ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?