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ー ゲンズブールの亡霊 ー
試写室より愛をこめて「ジェーンとシャルロット」
女の敵は女だ。
物心ついたころからそう思っている。女が嫌いだという話ではない、女は油断ならない、女は面倒くさい、というステレオタイプな話を実録以外にも映画や文学や噂話含め女として体験してきた私自身がそう感じているだけだ。実際、好きな男が絡めば女はあっさり女友達を捨てるものだ。[女の敵は女]説のきっかけは、ボーイフレンドに浮気された友人がなぜか浮気
Je t'aime moi non plus
3年くらい前に大事な友人を病気で失い、それから人が亡くなったときに悲しむのをやめた。が、会ったことのない有名人で尊敬やシンパシーを強く感じている人を失うというのは、またちょっと独特の感情がある。どういう言葉を以ってしてもフィットしない喪失感みたいな。坂本龍一さんに続き、ジェーン・バーキンさんの死はその独特な感情を生み、ちょっと引きずっています。
Paris Matchという、まあゴシップ誌みたい
Are you lost?
若い頃、砂漠で死にたいと思っていた頃があった。鳥取にすら行ったことのない私は砂漠をこの目で見たことはないのに、何故そんな風に思っていたのかわからない。自殺願望があったわけでもなく、脳内にある砂漠への憧れみたいな気持ちと、命の源である水が絶たれた世界に「死」をイメージしてそんな歪んだ妄想に繋がったのかもしれない。むろん今はそんなことは思っていない、中二病みたいなものだったのだろう。
そんな私にとっ
卓上手記<ひかりごけ イレブン☆ナイン>
To be or not to be, that is NOT the question.
「食うべきか、食わざるべきか それは問題ではない」
「ひかりごけ」は戦時中の真冬、陸軍の徴用船が知床で座礁し、7人の船員のうちたった一人生き残った実話をベースにした戯曲だ。サバイブした船長は生還後ヒーローとして扱われるが、証言に疑問を持った人間によりのちに「仲間を食って生き残った」という事実を暴かれ一
お後がよろしいようで
日本に生まれ育ち、ほぼ日本語だけを話して半世紀を過ぎたというのに、本来 の意味を知らずに勘違いしたまま使っているという言葉がままある。
大人になると学びの場も減るが、ネット社会では膨大な数の情報にアクセスす るようになり、たびたびハッとさせられる。今ままで間違いに気づいた友人たち が「ここは指摘せずに流しておこう」と気を遣ってくれたのだろうと思うと、恥 ずかしさが増幅する。
最近分かった言葉
オリンピック・マンボ
朝、ラジオを聴いていたらマンボがどうのと聞こえてきた。音楽の話ではなく、耳を傾けると新型コロナウイルス関連のニュースだった。
コロナと向き合ったこの1年以上の間、「3密」「濃厚接触」「ステイホーム」「オーバーシュート」と、注意喚起や感染防止を訴えるさまざまな言葉が生み出された。
新たな言葉が、マンボと聞き違えた「まん防」。正式名称は「まん延防止等重点措置」だ。何でもかんでも短縮し、「言いやすさ