アメリカのサンクスギビング・デー、新たな潮流が到来
こんにちは、Ayakoです。海外市場・消費者トレンドの最新情報を独自の洞察でお届けします。
今回のテーマは「2023年、アメリカのサンクスギビング・デーのトップトレンド」です。
アメリカではいよいよ今週木曜日(2023年11月23日)サンクスギビング・デー(感謝祭の日)がやってきます。そこで、今回は今年のアメリカのサンクスギビングのトレンドをいくつか挙げてみたいと思います。
ぜひご覧ください。
参加率はクリスマス超え
アメリカでは、毎年11月の第4木曜日にサンクスギビング・デー(感謝祭)を祝います。その起源は、1621年にイギリスからアメリカに移住したピルグリムたちが先住民のネイティブアメリカンから食料や狩猟・農耕の技術を教えてもらったことに感謝して、一緒に祝宴を開いたことにあります。現在では、家族や友人が集まって七面鳥やデザートなどの伝統料理を囲み、日々の生活に感謝しながら楽しい時間を過ごします。
2023年のアメリカでは、多くの人が感謝祭をお祝いしようと思っています。ニューメレイター(Numerator)の調査*によると、米国消費者の97%が感謝祭の祝日を祝う予定で、その参加率はクリスマスの96%をわずかに上回っています。
[*ニューメレイター調査:2023年1月、アメリカ5,263人を対象にホリデーシーズンの消費者動向調査を実施]
料理のコスト高騰
全米農場連盟の食品価格調査*によると、2023年のサンクスギビング料理のコストは平均USD61.17ドル(10人分)と予測されました。これは感謝祭のメインディッシュである七面鳥の価格下落により前年の記録的な高値から4.5%の減少となりました。しかしながら、コロナ前の2019年と比較するとコストは25%高くなっています。
[*全米農場連盟の調査:年次で実施している生鮮食品価格調査、2023年は11月1日から6日にかけて実施。全国のボランティア調査員が各地域のスーパーマーケットで食材の価格を調査]
「フレンズギビング」が若者を中心に浸透
アメリカではここ数年「フレンズギビング」と呼ばれる文化が浸透してきています。フレンズギビングとは、「フレンズ」+「(サンクス)ギビング」を掛け合わせた用語で友達同士と感謝祭を祝うことです。感謝祭の前日や前の週に計画したり、また家族や親戚と過ごさず友達同士で当日祝うこともあります。
ミンテルの調査*によると フレンズギビングのホリデーイベントに向けて買い物をする予定の米国のZ世代の成人は、成人全体の11%に対して22%と高い回答率でした。
このトレンドに伴い、七面鳥に特化した食品を製造するバターボール(Butterball)はバンブルの友達探しアプリ(Bumble For Friends)と提携し、#FindYourTableをローンチしました。ここでは、さまざまなイベントや感謝祭の食事を準備するための専門知識や情報を特集し、ユーザーが新しい友達と休日を祝える機会を与えています。
[*ミンテルの調査:2024 Global Consumer Trends - Spotlight on North Americaのウェビナーで発表されたデータ]
七面鳥の代替品などお肉を使わない選択も
健康や環境意識の高まりから、七面鳥の代替品などお肉を使わない選択をする人も増えています。アメリカでは、タートル・アイランド・フーズが1995年から販売しているトーファーキー(Tofurky)が人気です。これは豆腐を加工して作られており、中にはワイルドライスやパンなどを混ぜて作られたスタッフィングが詰められています。
また、レストランでもヴィーガンオプションメニューを提供するところが増えており、感謝祭の料理レシピとしてヴィーガンに特化したウェブサイトなども登場しています。
まとめ
2023年のサンクスギビング・デーは、多様な価値観や食生活を持つ人々が楽しめる新たな形の祝日となりつつあります。例えば、七面鳥の代替品はベジタリアンやヴィーガン、健康志向の人々が感謝祭の料理を楽しむための選択肢を広げています。また、フレンズギビングは家族や親戚以外の人と交流する機会を提供しています。これにより、多様なバックグラウンドを持つ人々が伝統にこだわらずその人にあったスタイルで感謝祭を祝う機会が広まっています。
今後のアメリカのサンクスギビング・デーは、こうした多様化の兆しをさらに強めていくと考えられます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?