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【CD】 オーストリア作曲家 クルト・シュヴェルツィク: ピアノ曲集 (グラモラ社より)

2020年にオーストリアの老舗レコード社 グラモラGramola よりリリースしたCD のご紹介をさせて頂きます。

幸運にも10年ほど前にオーストリアはウィーン出身の作曲家 クルト・シュヴェルツィク Kurt Schwertsik 氏と出会い、今まで数多くのコンサートの依頼を受け、ピアノソロ曲や室内楽曲など演奏させて頂き、そしてピアノソロ曲集のCD録音に至りました。

録音風景 クルト・シュヴェルツィク氏と
ウィーンの録音スタジオにて

クルト・シュヴェルツィク氏は戦後のオーストリア現代音楽界を担ってきた第一人者です。ウィーンでは長い間現代曲の演奏の場が限られている中、彼はアンサンブルを結成し、若い作曲家達の作品の初演などに積極的に取りみオーストリアの現代音楽の発展に貢献してきました。
作曲をジョン・ケージやシュトックハウゼンに指示し、また小澤征爾さんとの交流もあるそうです。

このCDには、1961年に作曲された彼の一番最初のピアノソロ曲から2017年までの全てのピアノソロ曲集は彼の音楽人生の集大成でもあり、収録は世界初。記録として残すべく大切なCD収録のお仕事でした。

2020年はクルト・シュヴェルツィク氏の85歳の年。
この年はコロナ禍でウィーンは3月から厳しいロックダウンが始まりましたが、秋には一時的にロックダウンが緩和され、運よくCDのプレセンが実現しました。

オーストリア文化庁の助成金により制作

クルト・シュヴェルツィク氏は、もともとホルンの演奏家でした。彼の作品は、ピアノ曲よりもむしろ弦楽器を中心とした曲やアンサンブル曲、歌曲が多く残されています。彼の若い頃の作品は、師であるシュトックハウゼンの影響を受けたものが多いですが、その後は尊敬するエリック・サティのような作風へと移り変わってきました。

彼はウィーン出身で、ウィーン独特の方言(特に上品な)を話し、ウィーン特有のユーモアや風刺の効いた文学や音楽に親しんでいます。また、自国の文化や伝統だけでなく、世界の幅広く多彩な知識や興味を持ち続けています。
大の親日家で、禅、能や雅楽にも詳しく、また日本食も大好き、煎茶を毎日愛飲し、日本の歴史や文化にも大変精通しております。

クルト・シュヴェルツィク氏の自宅にて

また改めて彼の話をさせて頂きたいと思います。

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