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【備蓄保存】かぶじゃないのに”干しかぶ”?トモコばあちゃんから学ぶ干しかぶの作り方~新潟人の知恵

”かぶ” なのに、
”かぶ” じゃないものな~んだ?

まるで なぞなぞみたいな
新潟の郷土食。

それが・・・

「干しかぶ」

画像11

「え?かぶ じゃないなら一体何よ?」

うふふ、それは後からのお楽しみ。

もしかして、
写真見て気づいちゃいました?

それでも、もうちょっとだけ
お付き合いくださると嬉しいです💖

今日は、
新潟民家の台所を数十年間守ってきた

トモコばあちゃんから学ぶ
楽しい干しかぶの作り方


をお送りします。

干しかぶ。

干しの名の通り
”干し野菜”のひとつ。

なんですが、

それは昔々のこと。
冷蔵庫がなかった時代に生まれました。

厳しい寒さと大雪に見舞われる
新潟の冬。

昔は今より
もっと雪が多かったんだと思うんです。

完全に真っ白な世界。

畑も家も、
地上のすべてが雪に覆われます。

note文中写真 (39)

まるで天から「冬眠しろよ」と
言われているかのような環境であっても
人々は”自然と共に”生き続けた。

そんな新潟の人々の「人生」の中で生まれた

大切に育てた食材を無駄なく
生きる糧として賢く保存する

生きる知恵の結晶の一つが
「干しかぶ」でした。

今、SDGsとかサスティナブルだ
とか言われてますが

地球に優しく
✅ 保存がきいて
✅ 食べ物を無駄にしないで使い切る
✅ 身体にも嬉しい

なんて、古くから

日本人は
今の時代の最先端を突っ走っていた


としか思えない。

この”昔の最先端” を知ることで、

今からくるかもしれない
食糧危機の備えにもなると思うんです。

昔からの「生きる知恵」は
私たちを守ってくれるはずなんです。

干しかぶとの出会い

初めて出会ったのは
結婚してから。

義母(トモコばあちゃん)からの
「干しかぶ食べる?」
が始まりでした。

何かわからないけど
「あ、はい。いただきます」

そして、手元に届いたストック袋。

中には”茶色くてくしゃくしゃしたもの”
が入っていました。

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「これが、干しかぶ・・・ね。」

とりあえず
煮物にして食べてみました。

シャクリ

(”かぶ” という割には
なんだか歯ごたえがシャキシャキしてるよな。)

シャクリ

(なんか似たような味を知っている気がする・・・。)

シャクシャク

・・・

これは・・・

もしかして・・・

大根じゃないかーーーーーー!?

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そうだ!
この感じ、絶対に大根に間違いない!

ばあちゃんったら、
大根を ”かぶ” だなんて・・・

モーロクしてるんじゃない?

(ひどい嫁 説。あくまで”説”ね。)

ばあちゃんに確認してみる。

「大根だよ。なぜか干しかぶっていうんだよね」

モーロクしてたわけじゃなかったみたい。
(なんかスイマセン)

干しかぶの正体は「大根」
「干し大根」なのに「干しかぶ」

新潟人 イミフ。

※なぜ「干しかぶ」なのかは不明です。
ご存知の方いたら教えてください

そこから数年後、
ついに・・・

干しかぶの作り方を
伝授してもらう

までに、
私も成長したのでした。

トモコばあちゃん直伝!干しかぶの作り方

【用意するもの】
大根だけ。

【作り方】

1,大根の皮をむき、輪切りにする
ここで”す”が入っているものは
切って捨てるそうです。(もったいないけど)

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大量大根(新しい四字熟語に認定)

2.箸が通るくらいの柔らかさになるまでゆでる

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田舎のばあちゃん家に必ずあるであろう大きな鍋

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手で触れるくらいまで冷ます

3.棒に刺して、つるす

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↑これトモコばあちゃん

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一個一個スキマをあけてね

4.カピカピになるまで干したらできあがり

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大根と太陽の「エネルギーコラボ」で
”食べるパワースポット”になりました~
 ↑
良い子のみんな、誇張表現してはイケマセンよ!

📝トモコばあちゃん口伝メモ📝

▶風通しがよく、雨の当たらない場所で干すこと
▶ビニールハウスだとカビるのでNG
▶太すぎる大根は半分に切ってもOK

そして本邦初公開!

トモコばあちゃんが毎年使っている
「干しかぶ専用の竹の棒」が

こ・れ・だ!

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・・・はい、特に奇抜なものではありませんでしたね(笑)

竹ひごの両はしがそれぞれ少しずつ細くなっていて
大根を刺しやすい仕組みとなっております。

今は亡き大じいちゃんが削って作ってくれたんだとか。

何年も使い続けているベテラン選手です。

干しかぶは干すタイミングに注意

冬の始まりに収穫された大根。
(雪が降る前に掘らないと大根埋まる。)

長い長い冬の間、大切に保管され、
大事に大事に食べていきます。

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こんな感じで冬を越す大根

ですが、
大根も生きもの(だもの)

春になる頃、
頑張ってきた大根たちにも
”す” が入り始めてしまう。

美味しくなくなるその前に
大根を干すことにより
さらに長く楽しむという”秘儀”

「干しかぶ」とはそういうもの。

太平洋側などの乾燥する地域では、
きっと冬の間でも
干し野菜って作れると思うんです。

でも、
新潟では冬には干さない。

春になる前の「3月」に干す

これが、
トモコばあちゃんからの伝承。

しかと!ここに記録しておきますね。

そして、
ささやかながらその”バトン”を受け継ぐのが
私たちの世代。

あなたはどんなものを
次の世代に残していきたいですか?

そんなことを考える
”きっかけ” になったらいいな
なんて思って今回の記事を書きました。

まぁ、きっかけは何だっていいんだけど。
(元も子もない)

昔からその地域に根差している
『保存食の知恵』

地球に優しいだけでなく、
もちろん緊急時にも役立つ。

今、ブームがキテル・・・はず。

今日は
【トモコばあちゃん直伝 干しかぶの作り方】
でした。

日本の保存食、乾物や干し野菜を
もっと好きになる人が増えたらいいな。

ご家族やご近所に
「大ベテラン主婦」がいる方はチャンス!
伝承のチャンス転がってますよ~✨

あなたのスキが励みになります✨

火曜金曜更新中

綺麗メシ研究家 古川綾子
でした!

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