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朗読

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オリジナルの朗読脚本です。使用の希望があればメールかツイッターのDMでご連絡ください。
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記事一覧

『ムーンダスト・フレア』

『ムーンダスト・フレア』

○車の中

滝川「あまり運転上手じゃないので、ごめんなさい」

佐伯「代わります?」

滝川「いえ。佐伯さんも運転苦手そうだし」

佐伯「ご明察。免許証なんて身分を証明するためにしか使ってない」

滝川「いつも藤乃さんに運転させてたんですか?」

佐伯「私たちほとんど遠出しなかった。仕事で東京を離れられなくて」

滝川「私は沖縄行きましたよ? 藤乃さんと」

佐伯「へえ…。暑いの嫌がりそうだけど」

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『あなたの足音』

『あなたの足音』

登場人物本編

リサ「うおっ、真っ暗……おーい。電気、つけるよー」

   (電気をつける音)

リサ「……ありゃ、もぬけの殻だ。あたしのほうが先についっちゃったのね……」

リサ 長期休暇を終えて、実家から帰ってきた。はあ、とほんの少しため息をつくと、荷物をほったらかして、ぼすんとベッドにダイブした。仰向けになって、スマホをいじって返事を確認。「今から帰るね!(超絶可愛い猫のスタンプ)」というあ

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『オートクチュール・ブルー』

『オートクチュール・ブルー』

【登場人物】

【本編】

コトリ  青春は、それを青春と自覚した時、終わりを告げる。

コトリ  ハナヨの結婚式を見届けながら、私の頭の中では走馬灯のように彼女との思い出が再生されていた。純白のドレスを身に纏い、色鮮やかな花に囲まれて笑うハナヨ。私の記憶の中にはない眩しさを抱いている。その光は、もう彼女の物語の中に私『石蕗コトリ』がいないことを示していた。



コトリ  挙式を見届けた後、披

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『きみのいない街』

『きみのいない街』

汽車が、揺れる。
どこまでいくかわからない。
だけど、私は乗っていた。

旅支度は簡単に。
荷物は最小限に。
身一つで飛び乗った。

窓から見える冬の街。
白いシーツのように柔らかい景色を見ながら
私は、深緑色の椅子に背中を預けた。

汽車の中は、静かだった。
乗客はふたりがけの椅子に
みな、ひとりしか座っていない。
かく言う私もそうである。
みな、ひとりだった。
だから話すこともない。

ジュー

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『夢の中では、抱きしめて』

『夢の中では、抱きしめて』

私、あなたのことを考えると眠れなくなってしまうんです。

ミルキーホワイトの柔らかい毛布に身を包んで、
毛布の裾をぎゅっと、甘えるように掴む。

こんなふうにあなたの手を握ったら、
どんな気持ちになるんだろう。
まぶたを閉じたって、ときめきが鳴り止まない。

夜の私は、まるで羽化を待つ蝶々みたいで、
この気持ちが外の世界へ羽ばたいて、
あなたの元に届いたらいいのに、って思うけど、
私、相川小羽には

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少年版『キャット・シーク』

少年版『キャット・シーク』

【はじめに】

登場人物を少年同士に変えた朗読『キャット・シーク』です。別のノートに記載しているのは一人でも読める用ですが、今回のは掛け合い用のものを掲載します。(2018年8月初出の作品/2023年5月更新)

【登場人物】

小湊(こみなと)ユキト……少年。夏祭りの路地裏から、猫と風鈴の世界に迷い込む。
ミオ……猫と風鈴の世界で生きる猫耳少年。ユキトを案内する。

【本編】

ユキト 出会って

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『クレイン ・ラヴ』

『クレイン ・ラヴ』

はじめにこちらは『照らすVOICE様』の企画で「鶴の恩返し」をテーマに書き下ろした作品となります。この度許可を頂き、noteに脚本を掲載させて頂くことになりました。企画本編と併せてぜひお楽しみください。

登場人物

森高水羽(モリタカ ミズハ)    …指輪に恋する少女。
夜鶴指輪(ヨヅル ユビワ)  …水羽の母に助けられた鶴。
ママ               …水羽の母。指輪に恋をしていた

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『雨とバレット』

『雨とバレット』

登場人物【本編】

(リナの夢)

    

リナ 「君の辛い事も悲しい事もすぐに思い出にしてあげる。だから、そんな顔しないで」

リナ 彼女のうなじから鎖骨にかけて、指でなぞる。密着した体温は生々しくて、でも髪から香る甘い匂いは魔法のようで、くらくらする。

サユキ「リナはいつも優しくてくれるよね。ありがとう」

リナ「……うん。そうだよ。私はいつだって、サユキの味方だから」

リナ 優しい口

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『深夜三時のスケルトンラヴァー』

『深夜三時のスケルトンラヴァー』


登場人物本編

『Silence Sleeping Night(サイレンス・スリーピング・ナイト)』イヤホンから叫び声のような音楽が流れる。口ずさみながら、私は歩く。

『Silence Sleeping Night』私たちが眠っても、この街は呼吸を続ける。信号の点滅。自動車の走行音。整列する街灯。繰り返し訪れる普遍的な夜を、私は歩き続ける。

 『Silence Sleeping Night』

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『ガラスの森』

『ガラスの森』

登場人物
【本編】
真っ暗な世界で、私と君は見つめ合っていた。二人とも生まれたてのまま、寝転がっている。彼女の瞳は、まっすぐに開いていて、底まで見えそうだ。……青と黒が混じり合ったブルージルコン。息が止まりそうなくらい、その眼差しに、夢中になった。私たちのいる暗闇は、冷凍庫の中にいるみたいにつめたくて、油断するとズブズブと深く沈んでしまいそうな、そんな場所だった。初めて見る君の身体は、流線を描いて

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『ブルーモーメントの指先』

『ブルーモーメントの指先』

登場人物
【詩:はじまり】

夏の終わり
鏡面の海に光が降り注ぎ、白く視界が弾ける
寄せては返す波打際 きみと一緒にみる水平線が好きだった

夏の終わり
汗ばむカラダに、血の通った細い腕
季節の温度がそうさせるのか、それとも、私たちの目頭がそうさせるのか
肌が触れ合うたび、息が止まって喉がカラカラになる

夏の終わり
きみの手をひいて、裸足で駆け出す海辺
着水の冷たさに、驚いて笑って、目配せする

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『せめて先にしんでくれ』

『せめて先にしんでくれ』

登場人物

【本編】

100万年後には、みんな死ぬ。100万年後には、この地上の人類がみんな死んでいく。そんな果てしない数値の物差しは、実感がなくて、使い勝手が悪い。

あたし、葛葉アミは、手に取りやすい100均で買ったようなやすい物差しで、今日も線を引く。

✳︎

彼女の、白い砂浜のような背中をそっと指でなぞる。骨ばった肩甲骨の間に水を流すように、指をまっすぐ下ろしていく。触れた指先の感触は

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『キャット・シーク』

『キャット・シーク』

はじめにこれは2018年に上演した朗読台本を、一人でも読めるようにアレンジしたものです。(本来は二人用の朗読でした)

拙作ではありますが、もし配信などで「朗読がしたい」という人がいましたら、使って頂いて構いません。

登場人物

【0】出会って別れる。繋いで離れる。覚えて忘れる。私たちは、日々を繰り返す。過ぎたあの頃の匂いや情景を、置き去りにして。

私は、湊(みなと)ユキ。16歳。都心から少し

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