未経験広報PRさんにおすすめな「取材が入りやすくなる」広報の本5冊
最近予算の関係で広告から広報、PR(パブリックリレーションズ)にシフトする会社が増えていますが「何をしたらいいの?」という声をよく聞きます。そこで、10年以上取材先を決め、記事を書いてきた観点から、お勧めの広報PR本をご紹介します。
*広報PRとは
一言で言うと、多くの人に知ってもらうための活動です。マーケティングと混同されがちですが、
のが違いです。
広報PRで1番よく知られている業務内容は、マスコミに取り上げてもらうための活動です。
*マスコミの情報があまり外に出ていない
PRのやり方やプレスリリースの書き方などを指導する本はたくさんあります。ただ、そのほとんどがPR会社出身だったりと大手マスコミで実務経験がない方が書いているものがほとんどです。
「!」などを入れると、取材が入りやすいという指導をしている方もいらっしゃるのですが、マスコミから見ると「絶対に、違う」という情報が正となっていることも多く残念です。
これって例えるなら、女友達に好きな男性へのアプローチ法を聞くようなもの、なんですよね。
*おすすめ本
選んだ基準
実際に購入し、読んで「おお!」と思った本
新聞、雑誌、ウェブメディアと複数の媒体で実際に取材先を選んでいた経験から「これは正しい」という情報が書いてあるものだけピックアップ
それではご紹介していきますね〜!
1 タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略
TV東京でディレクターをされていた方がTVに出やすくなるPR法を書いた本。プレスリリースの書き方はわかりやすいのでとっても参考になると思います。「リリースに写真は要らない」、皆さんびっくりされるんですが、マスコミのFAXはカラー受信していませんので、画像が潰れてしまうですよね。
TV取材を狙っていない方にも、参考になると思います!
2 仕掛ける力: 売れる広報の鉄則
プランタン銀座という1984年〜2016年、銀座にあった「OLの聖地」と呼ばれるデパートの広報をしていた方の本。当時「三井(みい)さんを知らない記者はモグリ」と言われるほどの知名度で、プランタン銀座を有名にした方の実体験が書かれています(当時何度も取材しましたが「銀座界隈、OLさんのことは三井さんに聞けばわかる」と取材陣から絶大な信頼を得ていました)。実際の記事などが豊富なので、未経験の方はこの本から読まれると広報PRの全体像が掴みやすいと思います。
P162の「ふんどしリリース」は必見です。私は編集部に送られてきたFAXを見て1分ほど黙ったくらいのインパクトでした。「プレスリリースとは」の概念が吹っ飛ばされると思います。
3 最新版 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則
本田さんは外資系PR会社さんにお勤めだった方ですが、PRの本質を捉えていらっしゃるのでおすすめです。
パーセプション(認知)に関してはわかりづらいかもしれないんですけれど、ネタの作り方はこの本を元にするとかなりいいものができるじゃないかと思います。
というのは、本田さんのパーセプションについての知見は、マーケティング業界でも用いられている、人間の認知に基づいたものだからです。
以下は余談なので、豆知識好きな方だけどうぞ^^
以前資生堂のCMOだった音部大輔さんというマーケティング界の大御所さんがいらっしゃいます。P&Gの『ファブリーズ』を大ヒットさせた方でも知られていて、消費者がどう商品やサービスを認知して購買に至るのかという流れに沿ってマーケティングを設計していく「パーセプションフローモデル」を作られた方なのですね。
音部さんとデジタルマーケティング時代にお仕事させていただいて、チームでパーセプションフローを用いてマーケティング設計をしていたんですが、素晴らしい流れになるんですよ。
どう知ってもらって、いかに買ってもらうか、の流れが美しいというか。
本田さんは、音部さんとP&G時代に一緒にお仕事されているので、この流れの作り方をよくご存知なんですね。
「PRにパーセプションフローを用いたら面白いことになるなあ」
と思っていた時に本田さんのことを知り、音部さんとのつながりを知って
「なるほど!」でした。
わかりやすい、なじみやすい言葉で書いてくださっているので、すっと頭に入ってきやすく私も大好きで何度も読み返している本です。
4 話題にしてもらう技術~90.5%の会社が知らないPRのコツ
この本、プレスリリースの書き方ではなく、読んでいただきたいのはP145の効果測定P175からのPR担当者の任命方法です。
「広報なんて誰がやってもおんなじ」ではありません。
記者からすると「絶対に話を聞きたくない広報」がいます(いるんです)。
最近「社長に近いから」と秘書さんに広報を兼務させる会社が増えていますが、これもちょっと考えもの。秘書の頭の使い方、仕事の仕方と広報は全く違うので、ドキッとされた方はぜひ読んでみてください^^
担当者が変わっただけで、取材が入りやすくなった会社さんもあります!
5 記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集
これはおまけなのですが、かなりいいおまけです^^
というのは、朝日新聞以外のほとんどの新聞、そして大手企業の表記はこの本の表記に基づいているからです。
ちょっとテクニック的な話になるのですが、プレスリリースを書く時、
これはひらがななのか、カタカナなのか、など悩むタイミングがあると思うんですよ。
そんな時、この本に基づいてプレスリリースを書くといいのと、この本に基づいて書かれたプレスリリースは、記者すぐにわかりますので
「この会社、いいな。わかってるな」と思われやすくなります^^
加えて、めったに触れないカタカナ表記などが記者ハンドブックに基づいていると、いちいち調べなくていいので記者の手間が省けます 苦笑
共同通信の記者ハンドブックでは
ウェブサイト
なんですよ。
表記は読みやすさなども考え、決められているんですが、文章の中に「ウェブサイト」や「ウエブサイト」がごちゃごちゃになっていると読み手にストレスを与えるんですね。
もし、プレスリリースを書く際の表記にお困りだったり、社内文書の表記ルールが決まっていない場合は記者ハンドブックに基づかれるといいと思います。
*まとめ
1と2を読んでいただき、広報の基本を押さえていただいて、3でネタ作りについて学んだのち、4の効果測定法を取り入れれば、取材が入りやすくなると思います。5はおまけですが、記者さん向けの資料作りのほか、プレスリリースを書く際の表記を整えるのに必須です。細かいところまで力を入れる余裕がある際には、ぜひ使っていただきたいツールですね。
あなたが広く伝えたい情報が、より多くの人に知られますように^^
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