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毎日の選択の質を上げる プロコーチが教えるセルフコーチングの5つのモデルと100の質問 vol.1 欲求フォーカス型セルフコーチング

こんにちは。ホリスティックコーチの佐藤草(さとうそう)です。
今日から5日間、セルフコーチングの5つのモデルについてご紹介します。

各モデルに20ずつ、合計100個の質問もご紹介します。
5日目まで読んでくださった方には各モデルと100の質問をまとめたPDFプレゼントのご案内もいたします。

1-1. こんな方に

今日は、記事の概要とセルフコーチングについて、そして1つ目のモデルである目標フォーカス型セルフコーチングについてご紹介します。

▼この記事はこんな方に向けて書いています

<自分のために活用したい方>
・日々の選択の質を上げたい方
・エネルギーの無駄遣いをなくしたい方
・より良いパフォーマンスを発揮し続けたい方
・常に様々なことを考えている経営者や個人事業主・管理職の方
・コーチングセッション以外の時間にも自分でセルフコーチングをしたい方
<他者のために活用したい方>
・人材育成に関わっている方
・社内コーチングをもっと有効に行いたい方
・クライアントへのコーチングのアプローチのバリエーションを増やしたいコーチの方

▼この記事はこんな方には向きません

<この記事が向かない方>
・コーチングとは何か?から知りたい方→他のサイトや書籍を参照ください
・理論の詳細を学びたい方→各項目の最後にある参考書籍をご覧ください
・既に様々なモデルや理論を学ばれている方→それでもさらに方法論が知りたい場合、実践もしくは自信が不足していることが考えられます 
・「自分の場合はどの方法が特に有効かを教えてほしい」という方→個別にご相談ください(コーチングセッションで扱うことが可能です)
・「自分で問いかけて答えを出しても、それが正しいのか不安になる」という方→専門領域でのご経験が少ないことが予想されます 専門領域でのご経験が少ない方向けのコーチングやメンタリングを受けることをおすすめします(私は「コーチング」に関するメンタリングのみ可能です)

1-2. プロコーチがセルフコーチングについて教える理由

<私がセルフコーチングについて教える理由>
・多くの方が自分自身でより良い状態になれることを後押ししたい
・コーチングセッション以外の時間も良い状態でいることを後押ししたい
・コーチングセッションでご一緒できる人数に限りがある

私は普段、オンラインで1対1のコーチングセッションを提供しています。

これまでコーチングを学び実践する中で一番良かったことはセルフコーチングができるようになったことです。私自身コーチをつけていますが、セルフコーチングができることで日々をさらに心地よく過ごせていると感じます。

また、「それぞれの人が本来持っている力を発揮することを後押ししたい」という想いからコーチングを提供していますが、自分自身をととのえるための時間を取ることを大切にしておりご一緒できる人数には限りがあります。

そのため、私が学んできたことを、自分でできる「セルフコーチングの方法」としてお伝えすることで、一人でも多くの方が自分で自分をととのえ、本来持っている力を発揮することを後押しできればと記事にしました。

1-3. こんな人が書いています

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▼これまで学んできたこと・活用していること

<現在特に活用している考え方>

・インテグラル理論(ケン・ウィルバー)
・ナラティブアプローチ(社会構成主義)
・NVC(Nonviolent-Communication:非暴力コミュニケーション)
・クリーンランゲージ(デイヴィッド・グローブ)
・フォーカシング(ユージン・ジェンドリン)

<これまで学んだこと・考え方>
・CTP(現コーチ・エィアカデミア)のコーチング(ビジネスコーチング)
・CTIのコーチング(コーアクティブ・コーチング)
・NLP(Neuro Linguistic Programing:神経言語プログラミング)
・アドラー心理学(アルフレッド・アドラー)
・プロセスワーク(アーノルド・ミンデル)
・フォーカシング(ユージン・ジェンドリン)
・ブリーフセラピー(インスー・キムバーグ)
・深層心理学・分析心理学(カール・グスタフ・ユング)
・来談者中心療法(カール・ロジャース)
・成人発達理論(ロバート・キーガン)
・認知行動療法・対人関係療法・行動心理学
・認知科学・幸福学・脳科学・マインドフルネス など

2-1. セルフコーチングとは

セルフコーチングとは「自分で自分に対して行うコーチング」のことです。

通常のコーチングではコーチがクライアントに対して質問を投げかけます。
セルフコーチングでは、自分が自分のコーチとなり質問を投げかけます。

「あなたが死にそうな状況になって、助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、どんな事をしますか?」という質問に、アインシュタインはこう答えたと言われています。

「最初の55分は、適切な質問を探すのに費やすだろう」

答えの質は、質問の質で決まると言っても過言ではありません。

自分自身に投げかける質問の質を上げることで、より良い答えを見つけることができるようになります。

2-2. セルフコーチングで手に入るもの

<セルフコーチングで手に入るもの>
①より良い選択肢とより良い選択
②エネルギーの無駄遣いを減らす
③想いと行動の一致
④より良い影響力や人間関係

①より良い選択肢とより良い選択
人は1日に35,000回の選択をしておりそのうち70回が人生の質に影響を与える選択だと言われています。選択は自分に投げかける質問から生まれます。質問の質が上がれば選択肢と選択そのものの質を上げることができます。

②エネルギーの無駄遣いを減らす

私たちは普段、未完了になっている考え事に無意識にエネルギーを奪われています。セルフコーチングを行うことで具体的な行動や解決策を早く手に入れることができ、エネルギーの無駄遣いを減らすことができます。

③想いと行動の一致
私たちは普段、多くの情報や他者からの期待の中に身を置いています。自分自身と向き合うことで、想いと一致した行動を選択することができ、困難なときでも粘り強く行動を続けることができるようになります。

④より良い影響力や人間関係
セルフコーチングをして自分の心の声を聞いていると、自分との信頼関係が強くなります。その結果、周囲により良い影響力を発揮し、他者ともより良い信頼関係が築けるようになります。

2-3. セルフコーチングのメリット

<セルフコーチングのメリット>
①時間や場所を選ばずに必要なタイミングで活用することができる
②費用がかからない
③自分だけでなく周囲の人にも活用することができる

①時間や場所を選ばずに必要なタイミングで活用することができる
コーチとのコーチングセッションは通常、時間が決められています。セルフコーチングであれば、必要なタイミングでタイムリーに自分でコーチングをすることができます。

②費用がかからない
コーチングセッションは一般的には1時間5,000円程度からコーチによっては10万円を超えるという場合もあります。セルフコーチングであれば、費用を気にせず必要なときに活用することができます。

③自分だけでなく周囲の人にも活用することができる
セルフコーチングは自分に対して質問を投げかけるコーチングですが、その際に使う質問やスキルは他者に対しても活用することができます。セルフコーチングを身につけると、他者の前進を後押しすることができるのです。

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それではここから、セルフコーチングに有効な5つのモデルについてご紹介します。

A. 目標フォーカス型セルフコーチング
B. 欲求フォーカス型セルフコーチング
C. 感覚フォーカス型セルフコーチング
D. プロセスフォーカス型セルフコーチング
E. 俯瞰型セルフコーチング

これらの5つのモデルは、私がこれまで学んできたコーチングや心理学等のアプローチを整理し、簡略化したものです。

3-1. 目標フォーカス型セルフコーチングの概要

まず、行動フォーカス型のセルフコーチングをご紹介します。
これは全てのコーチングの土台となっている型でもあります。

<目標・行動フォーカス型セルフコーチングの特徴>
・ビジネスシーンでのコーチングに活用しやすい
・型をそのまま当てはめて実践しやすい
・解決や改善をしたい課題が明確
<目標・行動フォーカス型セルフコーチングが有効な場面>
・具体的な行動に落とし込みたい
・解決や改善をしたい課題が明確
・具体的な行動に落とし込みたい
・目標についての合意ができているもしくは自分が目標を決める権限がある
・迅速に行動し、短いスパンでセルフコーチングをしている

3-2. 目標フォーカス型セルフコーチングの構造

目標フォーカス型のセルフコーチングでは、目標や理想を描き、そこから逆算して行動を決めていきます。

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<目標・行動フォーカス型のセルフコーチングの流れ>
①目標を明確にする
②現状を明確にする
③ギャップや障害を明確にする
④行動を明確にする

これは一般的にGROWモデルと呼ばれているものにも近い流れです。

GROWとは
Goal:目標
Reality:現状
Option:選択肢
Will:意志

の頭文字です。

目標フォーカス型のセルフコーチングの中の④行動を明確にするというプロセスで、複数の選択肢を出し、具体的な行動期限などを決め、行動に対するコミットメントを上げることでGROWモデルを満たすことになります。

3-3. 目標フォーカス型セルフコーチングの質問

目標フォーカス型セルフコーチングに活用する質問をご紹介します。

①目標を明確にする質問
・理想の状態はどんな状態?
・実現したいことはどんなこと?
・どうなったら嬉しい?
・本当はどうなりたい?
・ある日「目標が実現した」と分かるとすると、何から分かる?

②現状を明確にする質問
・理想の状態を100点とすると現状は何点?
・今実際にはどんな状況?
・今できていることは?
・今、過大評価(過小評価)していることは?
・○○さんからは現状がどう見えている?

③ギャップや障害を明確にする質問
・目標と現状のギャップは何から生まれている?
・○点になっているときはどんな状態?
・障害になっているものは何?
・やろうと思ってやっていないことは?
・本質的な課題は何?

④行動を明確にする質問
・まずできることは?
・誰と話すといい?
・どんな助けが必要?
・いつまでにやる?
・やめることは何?

<目標フォーカス型コーチングのポイント>
・目標と現状は順番を入れ替えた方が想像しやすい場合もある
・目標は否定形ではなく肯定形で
・目標はhave to(しなければならない)ではなく want to(したい)で
・目標は五感で描く(見えるもの、聞こえるもの、感じること)
・現状は視点が「独りよがりになっていないか」を検証
・障害は「なぜ」「なんで」ではなく「何」で問う
・行動は5W1H(Who ・When・Where・What・Why・How)を活用

3-4. 目標フォーカス型セルフコーチングの限界

①目標や現状の見積もりに誤りがあると、いくら行動しても本当に実現したいことが実現できない
②目標や行動が本当にやりたいことでないと行動が起きづらい
③無意識レベルで行動の障害になっているものに気づきづらい
④論理的や合理的でないことに対する対処が難しい
⑤変動性が高い状況において設定した目標自体の価値が変わる場合がある

①目標や現状の見積もりに誤りがあると、いくら行動しても本当に実現したいことが実現できない
人はそれぞれのフィルター(思い込み)で世界を見ています。そのため、自分自身の思い込みに気づかないままゴール設定や現状の見積もりを行う場合があります。その状態で行動を設定しても行動が無駄になってしまいます。

②目標や行動が本当にやりたいことでないと行動が起きづらい
人は無意識に他者や社会からの期待に沿った目標を設定することが多くあります。それが本人の本当に実現したいことと重なっている場合は問題ありませんが、そうでない場合、結局行動が起こらないということになります。

③無意識レベルで行動の障害になっているものに気づきづらい
行動フォーカス型には「やることとその方法が明確になれば人は行動する」という前提があります。実際のところ人はもっと複雑です。自分の深層に目を向けないままだと結局現状は変わらないということも多くあります。

④論理的や合理的でないことに対する対処が難しい
人はそれぞれの経験や価値観・感情に基づいて行動しています。その中には他人から見ると論理的や合理的でないものも多くあります。行動という目に見えるものだけに焦点を当てても解決しないことがあるのです。

⑤変動性が高い状況において設定した目標の価値自体が変わる場合がある
現在、社会は非常に不確実で複雑な状況になっています。そんな中では設定した目標の価値自体が変わってしまうということも起こります。そのため短いスパンで目標や行動の価値の検証をすることが必要となります。

参考:『コーチングの基本』コーチ・エィ著

他者とより良い関係を築く土台となる欲求フォーカス型セルフコーチングについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

もっと知りたいことやご質問などありましたらコメント欄もしくはこちらのフォームからお知らせください。

*ご質問に関する回答を直接受け取りたい場合は、お名前とメールアドレスもご記入ください。(ご希望がなければ不要です)

次は、他者とより良い関係を築くことを後押しする欲求フォーカス型セルフコーチングについてご紹介します。

Integral Human Science Lab では、持っている力を発揮するための取り組みなどをご紹介しています。よろしければこちらのサイトもご活用ください。

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Illustrated by HISAKO ONO


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