アフリカンファッション及びアフリカの伝統工芸の価値
何を知られていない?
アフリカンファッション及びアフリカの伝統工芸の価値について。
アフリカンファッションやアフリカの伝統について、日本の人々がアフリカの人々と同じようにその価値を認識していないのは当然のことだと思います。私たちには、日本の皆さんにその価値を説明する責任でもあると言えます。
では、この価値とは一体どういうものでしょうか?
皆さんにも分かりやすいように、日本の伝統工芸を例にお話したいと思います。日本には、着物、刀、水墨画、藍染めなどの素晴らしい伝統工芸があります。そしてそれらは日本だけでなく、世界中で高い価値を持つと見なされています。
では、それらが高い価値を有するのはなぜでしょうか?
その理由の一つは、それらが機械ではなく、人の手によってが作られるものであるからだと思います。手作業なので失敗することや間違えることもあります。ゆえに、全ての工程において細心の注意を払って制作する必要があります。だからこそ、制作には多くの時間と手間を要します。
生地自体は織り機を使って作られます。生地の柄は手描きで描かれたり、手作業で染められたりします。これらの工程だけでもかなりの時間を要します。また、織り機を使ったり、日本の伝統的な柄に染めたりすることは誰でもできることではなく、両親や祖父母などから日本の伝統や熟練の技を受け継いだ職人によって作られるものです。このような伝統工芸の中には後継者が少なくなっているものもありますが、この伝統工芸や技術は守らなければならないものだと思います。
同じくアフリカの伝統や職人の技も時間がかかるものであり、伝統的な技法を受け継ぐ職人が少なくなっています。多くアフリカのデザイナーがこの技術を守るために、アフリカの伝統工芸を今の時代に合うデザインに落とし込み、ファッションとして表現をしています。現地の職人を雇用し、全ての工程を手作業で細心の注意を払い制作するため時間も手間もかかり、その価値も高くなります。
例えば、私たちAwa’ToriがECサイトで今応援しているブランドSHEKUDOは、ナイジェリアのアショ・オケという伝統的な生地を使用した靴をデザイン、製造しています。アショ・オケは、かつては結婚式の衣装に使う生地でしたが、SHEKUDOのようなデザイナーが使用することで、ナイジェリアの伝統工芸を守りつつ、どの国でもコンテンポラリに使える製品へと進化させています。
アショ・オケは日本の着物や着物の帯と同じ作り方で織り機を使ってで作られます。色付けナイジェリアのアディーレは、日本の藍染めと同様に伝統的な柄を藍で染色した生地です。
アフリカのブランドの製品が高価であることに驚いたり、疑問を抱く方がいるかもしれませんが、アショ・オケやアディーレのようなアフリカの伝統工芸は、日本における着物や藍染めのように価値を持つものであり、それが価格に反映されています。
このように考えるアフリカの伝統工芸が持つ価値を理解いただけるのではないかと思います。