記事一覧
日が暮れる部屋 /diary
外の空気に触れない日々がつづくので、昨日の雨が蒸発した匂いがして、空気が濃い。いつもは気に留めない嗅覚を意識すると眩暈にも似た感覚におそわれてまばたきが多くなる。眩しい。すこし遅れて、呼吸することの本能的なよろこびがやってくる。正午をめざす太陽がアスファルトに反射してつめたい冬のひかりが拡散している。紙パックにはいった1リットルのつめたい緑茶を買って、すぐにまた部屋にこもる。換気扇をまわす。
部
『ビフォア・サンライズ』(リチャード・リンクレイター ,1995)
個人的な好みで言えば、会話劇の映画があまり好きではない。映像ではなく言葉で情報を伝えようとするのなら活字のほうがいい、と思ってしまう。
でも、この映画には「明日の朝まで」という期限つきの関係で、いかにして距離を縮めるかという前提条件があるので、お互いを知るためにはとにかく質問を繰り返さねばならず、会話劇でなくてはならないという必然性があった。
他にも、たとえばレコードショップの視聴室にふたりで入っ