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福岡の新年

皆様こんにちは。
本田拓郎(Takuro Honda)と申します。
この記事へお越しくださいまして、ありがとうございます。

 このnoteでは、今現在観光業に就いている私が、私の目線で、「観光・旅行・歴史・文化・教育」について、知識や新たな発見の提供、その他自論を展開し、「勉強になった!」や、「こんな考え方もできるなぁ」という、古代ギリシャでいう「アゴラ」のような場所を目指します。私が勉強していることを皆様とも一緒に学ぶというスタイルで、記事を創っていきます。

 今日は福岡のお正月についてご紹介しましょう。皆様の地元のお正月と比較しながらご覧くだされば嬉しいです。

拙い文章力と乏しい考察力ではありますが、
最後までお付き合い、お願いいたします。

1. 幸せを願う新年の祭事

 正月3日に行われるのが、「筥崎宮の玉せせり」です。浜組と陸組の2組に分かれた、「競り子」と呼ばれる締め込み姿の男衆が木製の玉を奪い合います。争奪戦を繰り返しながら楼門に向かって行き、そこで待つ神職に玉を渡したのが浜組であれば大漁、陸組であれば豊作になるというものです。

 1月8日から11日の4日間は、十日恵比須神社にて、「正月大祭・十日恵比須」が行われます。祭りの中心は9日の朝から深夜まで続く開運御座で、1年間の開運、商売繁盛、家内安全、無病息災などの祈願が行われます。博多芸妓が黒紋付の正装で参拝する「徒歩参り」や、必ず縁起物を授かる「福引き」が行われ、「えびす銭」の風習も残っています。
※えびす銭:神社から商いの元金を借り、翌年倍にして返すというものだが、現在は一文銭が貸し出され、財布に入れてお守りとし、翌年に返すというものになっています。

 1月15に近い日曜日には、志賀海神社で「歩射祭」が行われます。直径約2mの大的を、8人の射手が射るという神事で、五穀豊穣、豊漁、無病息災などを祈願します。祭りの当日は、拝殿で祭典が行われた後、「イトウベンサシ」と呼ばれる、大的を掲げてねり歩く儀式が行われ、弓射が始まります。計48本の弓が射られ、最後の弓射が終わると、観衆が大的に殺到し、的を破き始めます。それを持ち帰り、魔除けのお守りとする風習が特徴です。

 福岡の言葉で、夢中になる人、情熱にあふれる人のことを「のぼせもん」と言います。祭り好きの人が多い福岡の新年を祝う行事たちが、賑やかで明るい福岡の1年をスタートさせます。

2. 福岡のお雑煮は最高の縁起物

 新年を迎える時に、皆さんも必ずお雑煮をいただきますよね。各地域で、お雑煮の具材や、お餅の形が違うというのは、様々なメディアで取り上げられており、知っている方も多いと思います。

 福岡のお雑煮の主役は「ブリ」です。成長するにつれて、ヤズ、ハマチ、ブリと名前を変える出世魚のため、縁起が良いとされています。以前は正月明けまで台所の土間に吊るして保存し、最後に残ったあらや骨を食べる「骨正月」や、「よか嫁ごぶり」という嫁ぎ先がお嫁さんの実家へブリ1尾を贈る風習もありました。

 お雑煮はアゴと昆布とカツオ節で出汁を取り、ブリ、シイタケ、かまぼこ、ニンジン、お餅、そして、「カツオ菜」を具として入れます。カツオ菜は博多伝統野菜の1つで、茎の部分にカツオのような風味があることから名付けられました。また、「勝男菜」とも表記され、縁起が良いとされています。

 そしてお雑煮に入るお餅は、「家庭円満」を願い、茹でた丸餅を使います。福岡のお雑煮にはたくさんの幸せを願うものが込められており、世界で最も縁起の良い食べ物と言えますね。

3. 初詣に行こう!

 福岡には歴史的で美しい神社が多くあります。

香椎宮は樟並木の参道があり、神功皇后が神託を受けた場所としても知られています。本殿は檜皮葺の屋根で、正面に千鳥破風、側面は入母屋屋根の妻面、獅子の間の上は切妻屋根となる複雑な屋根を持っています。実はこんなに複雑な屋根の造りは全国唯一のため、「香椎造」と呼ばれています。

 博多駅から徒歩で10分の場所にある住吉神社は、海上交通の守護神として、港町博多を見守っています。筑前国一宮であったため、福岡で最も格式の高い神社の1つです。反りがほとんどない屋根が特徴の「住吉造」の本殿は、美しい朱色で彩られ、境内も広く、都心にも関わらず、穏やかで清々しい空気が佇んでいます。

 そして福岡人から最も愛されている神社の1つが櫛田神社です。博多っ子からは「お櫛田さん」として親しまれ、私も初詣は櫛田神社に参ります。樹齢千年と言われる長寿延命のシンボルとなっている御神木の「櫛田のぎなん」や、楼門の天井にある「干支恵方盤」、拝殿破風に彫られている「博多風神雷神」など博多の文化、博多っ子の精神を物語る場所です。

 まぁ、私はの場合は「博多人」というより、「福岡人」なので、「博多っ子気質」を養いに櫛田神社へ参るという感覚ですね。

 まだまだ書きたいことは山ほどありますが、この記事を通して、福岡の新年の迎え方、美しさ、賑やかさが、日本全国に伝わって、もっと多くの人に「福岡って素敵な街」って思ってもらえた良いなぁと思います。ここまで読み終えたら、「博多手一本」を打ってくださいね。

 そして2022年も、福岡に、皆様にたくさんの幸せと素晴らしい出来事が訪れることをお祈りし、結びといたします。

今回も最後まで読んでくださいまして、誠にありがとうございます。
また次回お会いしましょう。

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