『イヤならやめろ(社員と会社の新しい関係)』(日本経済新聞社)堀場雅夫著を読んで(おもしろおかしく)
イヤならやめれるにこしたことはないというけれど
「イヤならやめろ」は堀場製作所創業者の堀場雅夫さんの著書の題名です。
先日堀場製作所さんの琵琶湖のほとりにある研究所にお邪魔する機会がありましたので、Amazonで購入し読みました。
今、この文言のまま言うとパワハラになるのでしょうが。30年ほど前の1995年に書かれた本です。
内容は、パワハラには当てはまらない、むしろ今さかんに言われている人的資本経営やビジョン経営、会社と社員の関係について30年前に堀場さんの考えを書かれたものです。
人生時間のおおきな部分を占める仕事の時間をおもしろおかしく過ごしなさい。
「おもしろおかしく」は堀場製作所の社是です。堀場さんが最初この「おもしろおかしく」を社是にしようとはじめに提案したとき、社内の人皆からふざけてると猛反対をうけたそうです。
おもしろおかしく仕事ができない、いやいや仕事をするのであれば、その人も会社も不幸なので、やめた方がお互いのためと説いています。
会社人間とか仕事人間とかそんなけち臭いことをではなく、会社はそこに働く人に意義を感じてもらいおもしろおかしく過ごす場をつくるもの。
個人はその職業人生の大半を過ごす場がおもしろおかしくなければもったいない、そんなところにいる意味はないと言っています。
もちろん、最初からおもしろおかしいものではない。
自分自身で工夫しておもしろおかしくする。
言われたことだけやっているようではおもしろくもおかしくもない。
そうは言っても簡単にやめるわけにはいかないもの、家族もいるし、我慢して仕事をして稼がないと食べていけないという声があります。
イヤならやめれるに越したことはないけれど、そう簡単にいかないと言われます。
そうだとしても
同じ仕事をし、同じように結果をだしているひとでも、おもしろおかしそうにしている人と、おもしろくなさそうにしている人がいます。
人それぞれですので、外から見てそう思えたとしても、内面ではおもしろくないと思っていたり、実はおもしろいと思っていたりします。
ほかに人から見て、ほんの些細なことでもおもしろいと思うことがあります。
やはり、おもしろおかしくは、与えられるものではなく、自分で決めること、自分でつくるものです。
いらないもの
会社が縛ってはいけないと堀場さんは言われます。
会社は社員におもしろおかしいことを発見する機会を用意するもの。
企業は個人を制限しない。
要るひとはいる、要らんひとはいらん。
おもしろおかしくないなら、他を探す。
と言っています。
そして
要らんものは
①マニュアル通りにしかできない奴はいらん
②代替案もなく文句を言う奴はいらん
③いかにできないかという説明ばかりうまくなる奴はいらん
④問題意識を持たない奴はいらん
⑤こんなもんと妥協してしまう奴はいらん
<とことん追求したか、人事を尽くしたか、よそから見てそんなもんなん
やと言われるようではあかん>
⑥やったことがないのでやってみないと分かりませんという奴はいらん
<今考えられる最善の方法は何か、それが答えられないなら存在価値はな
い、何より否定からはいらない>
⑦結論のでない会議はいらん
⑧いやな仕事をなだめすかし無理やりやらすような仕事はいらん
⑨自分が買いたいと思う製品を作らんといかん
<ものづくりは、一旦原点にかえって0にしてから設計してみる。一旦技
術的なところから離れて、市場の側からもう一度考えなおしてみる>
⑩反射神経が大事、24時間以内に回答する
と本の内容からいらんもの9項目といるもの1つの10項目をあげてみました。逆に考えるといるものです。
「いやならやめろ」の意味は、その強い言葉とは裏腹に今の時代にもあった会社と社員の在り方を問う経営哲学です。
https://note.com/gokigenbook/n/n21aa22cb7fea