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幽霊も暴力も出てこない怖い実話 川崎国編

いつだったか、神奈川県川崎市南部某所の商店街の中にある友人宅に遊びに行った。
酒もないのに盛り上がり、時の経つのを忘れて、あら午前三時前。夜も深まったと言うわけで、さて、車に乗って、商店街から大通りに出ようとした。

大通りとは言っても夜半、歩行者どころか車すら見かけない。すっかり静まり返っている。

信号が赤から青に変わり、左折して大通りに出ようとしたそのときだった。
横断歩道を、集団が渡り始めた。男たち総勢8人。しかも自転車。彼らをよく見ると、いや、よく見なくても、確実に、年の頃なんと小学校4年生か5年生ぐらい。平日の夜中の三時近くに、小学生が8人だ。
夜中の三時近くに子供たちが出歩ける、安心安全な街だなあ……じゃないんだよ! 異常なな光景だよ!

しかしながら当然、私は彼らが渡り切るのを待たなければならない。交通ルールとして当然だ。
が! 彼らは、私の車がグイグイと詰めて来ているものだと勘違いしたのだろう、自転車を乗り捨てて、怒りを露わにし、大声で叫び、集団で近づいて来たのである。

相手は小学生。ビビるわけがない。余裕、余裕。いや、嘘。ビビった。すっげービビった。
よもや小学生が集団で襲いかかってこようとは考えもしなかった。

ボン!

バンパーを蹴られたのだろうか? 大きな異音がした。
瞬間、私はギアをバックに入れて、一方通行の商店街を後ろ向きで逆走したのだ。それほどビビったのだ。それほどビビらなければならないのが、川崎なのだ。
土地をDisりたくないし、土地をDisっているつもりもない、土地をDisっていいのはその土地の出身者だけだと信じている。私は、ただ見たままを伝え、感じたままを書いているだけだ。

今はそんなことないと言うかも知れないが、そんなことないことはない。なぜなら冒頭「いつだったか」と書き始めたが、実は最近の話なのだ。
さあ、みなさん、川崎国と揶揄されても、日本にあることは確か。離島在住者でなければ飛行機に乗らずとも行ける。今まさに川崎も夏休み真っ最中。ぜひ、肝試しに行ってみてはいかがだろうか?

おっと、「バンパーを蹴られた」って暴力だった。タイトル詐欺になってしまった。

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