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バックトゥザ・フューチャー

さるかに合戦どころか、一寸法師のあらすじも分福茶釜のあらすじも言えない。シンデレラのあらすじも赤ずきんのあらすじも塔の上のラプンツェルのあらすじも言えない。ボンヤリ結末を覚えている程度。
これを読んでいる方も果たしてあらすじを言えるでしょうか? たとえば、北風と太陽の主人公は誰だったか? 裸の王様はいつどのタイミングで裸だと気付かされるか? 竹取物語でかぐや姫は、求婚してきた相手に何をしたか? 言えるでしょうか?

腕のある落語家になると、2時間の映画を2時間かけてそのまま再現できるらしい。
私は絶対できない。と言うか、ほとんどの人ができるわけがない。できたら今頃、大名跡を継ぐ落語家になっている。
私ができることと言えば、精々さっき観た映画のあらすじを30秒ぐらい話す程度で、その内容すら時が経つと忘れて、ボンヤリとしか覚えていない状態になる。タイトルだっておぼつかない。だから、観ている最中に、「あ! これ観たことある!」と思い出すことが多々ある。
現に、昨晩あんなに笑ったキングオブコントの内容をほぼ覚えてないんだから。それはそれで脳神経外科案件かも知れないけれど。

しかし唯一、あらすじをびっしり言える映画がある。『バックトゥザ・フューチャー』だ。では試しにソラであらすじを書いてみよう。

マーティが過去に行って戻って来る話。

はい、書けたー。

なぜこんなことを書いているかというと、「あれ観た」「これ観た」「あれ読んだ」「これ読んだ」というほどキリがなくて不毛な話はないと思っているから。
中学、高校、大学、必ず、新しい友人と出会う瞬間はこんな話になる。でもキリがないんだ。「あれ観た」「これ観た」「あれ読んだ」「これ読んだ」は。
投げっぱなしではなく、感想、もっと言うと論評しないと無限に続いてしまう。