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掌編など

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自作のちいさなちいさなおはなしを、まとめています。
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#創作掌編

【掌編】詩と暮らす【散文詩】

【掌編】詩と暮らす【散文詩】

詩と暮らすことにしたのは、数年前の春からです。

その春、わたしは陽気に当てられぐったりとしていました。そんな時、窓からふと、ひとひらの詩が飛び込んできたのでした。ひらひら、ひら、り。窓の内側に吹き込んできた詩を、手のひらに収めました。薄桃色の詩は、見た目の美しさとは裏腹に、少し乾いていました。わたしは硝子の容器に水を張り、詩を浮かべてみたのでした。すると、詩は楽しそうにくるくると硝子の中で回りま

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【掌編】いとしい

【掌編】いとしい

月の耳を見た。月が、普段はしない動作で額の筋雲をかき上げて、それから僕の方へとほんの少し振り返った時だった。あ、と思わず声を上げた僕の視線に気づいて、月は顔をわずかに赤らめた。顔の割に小さな耳は、先がほんの少し尖って見えた。……小さいし、形も悪いから、コンプレックスなの。月は呟いて、すぐに手近な雲で耳を隠してしまった。

なんとなく気まずくなって、またね、とその夜の月は早々に帰ってしまった。ずっと

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