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『続ける価値』と『儲かる価値』
日経電子版の記事【東海道新幹線の車内販売、もうからなくても続ける理由】は、儲からなくても続ける東海道新幹線の車内販売に関するリポートです。
まず、記事などから、車内販売縮小の背景と、続ける理由を整理してみると――
▶続けるか?続けないか?
(1)車内販売縮小の背景
① 駅ナカの商業施設の充実による乗車前購入の機会拡大。
② 人手不足によるパーサーの採用困難。
③ 上記等を理由とする採算悪化。
(2)続ける理由
① 乗車前購入の困難なギリギリ乗車のビジネスパーソンの需要。
② 車掌業務の一部を請け負うパーサー機能。
③ 長時間の乗車時間が生む需要。
確かに、車内販売が縮小される背景には大きなものがありますが、その一方で、続ける理由、車内販売が必要とされる需要もある、パーサー機能も含めた車内販売を必要とするユーザーが厳然として存在することも間違いありません。縮小・撤退はそのようなユーザーの期待を裏切ることになってしまうのです。
この事例は、改めて、世の中には、『儲かる価値』と『続ける価値』の二つがあって、その二つが時としてイコールではない事を教えてくれています。
▶『儲かる価値』≠『続ける価値』
(1)『儲かる価値』であはあるが、持続可能性・CSRなど様々な観点から
『続ける価値』が失われつつあるケース。
(2)『儲かる価値』ではないが、大切なユーザー・持続可能性・CSRなど
様々な観点から『続ける価値』が生き続けているケース。
など
こうしてみると、『続ける価値』と『儲かる価値』の乖離は、時代の変化に伴う価値観の変化によって起きてくるものだとも言えそうです。
だとすれば、私達ビジネスパーソンに求められているのは、変化への対応によって、既存のビジネスモデルを組み替え、作り変えて、再定義することのはずです。
縮小・撤退ももちろん大きな意味では再定義ですが、何か目の覚めるようなアイデアで変身することは出来ないか、既存のビジネスモデルを徹底的に見詰め直す作業の中から、ユーザーにとっても企業にとっても、そしてまた社会にとっても最善の『三方良し』の施策が見い出されるかも知れません。
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