ローテクを切り捨てるリスク
日経電子版の記事【風力を貨物船の推進力に 金沢工業大が帆の素材を開発】は、貨物船に帆を取り付けて、その風力エネルギーと、従来からのエンジンを合わせて推進力としようという施策をリポートしたものです。
このような施策は、温暖化ガスの削減を狙ったものですが、そもそも、蒸気機関が発明され、蒸気船が登場し、その外輪船が、効率的なスクリューに置き換わっていく過程で、何故、帆船、帆を使って風力エネルギーを推進力にするテクノロジーが廃れていってしまったのでしょうか?
――合理的に考えれば、例えスクリュー船であっても、燃料の不要な帆を残しておくことには、帆を操る人的リソースのコストという事を考えてもなお優位性があるように思えます。ですが、実際の歴史はそうはならなかった……
ここには、新たに革新的なテクノロジー、ハイテクが登場した時に、ローテクの持つメリットをあっさりと切り捨ててしまう人間の性質があるようにも思えます。
ハイテクが登場した時、今まであったローテクを見捨ててしまうのではなく、ハイテクと共存、コラボさせるようなデザインをもっと考えるべきではないか、この記事からそんな事を思い浮かべました。
安易にローテクを切り捨てることは、リスクであると思います。
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