再生する屏風~現代に生まれ変わる『伝統』~
日経電子版の記事【壁に飾れるウルトラマン屏風 新潟の大湊文吉商店
信越とっておき】では、「屏風」という伝統産業が今の時代をどうやって生き抜いていくのか、その施策がリポートされています。
日本の伝統的な和風文化の重要なアイテムであった『屏風』は、住空間、より広義には生活シーンの洋風化の中で、いかにすればその登場場面を挽回することが出来るのでしょうか?
そもそも、屏風とは何でしょうか?ごく単純に考えるなら――
▶『屏風』とは?
屏風=(床置き式で簡単に移動・出し入れできる)仕切り+装飾
=家具+絵画
=実用品+アート
『屏風』については、床置き式である点や、その独特の構造など、様々に定義が出来るでしょうが、最も本質的には、家具+絵画、実用品+アート、つまり『実用的なアート』である、と言えそうです。
だとすれば、『屏風』は、いかに進化するにしても、『実用的なアート』でなくてはならず、単なる家具になってしまったり、単なる絵画になってしまっては、もはや『屏風』とは言えない、と考えられます。
そして、『屏風』としての本質を失わずに『屏風』を現代に蘇らせる手法が、記事などから様々に浮かび上がってきます――
▶『屏風』を現代に蘇らせる
(1)様式を変更する・・・自然の風景や動物が描かれる伝統的な様式・作風
からの解放。
(2)コラボ・・・異業種とのコラボレーション。
(3)キャラクター・・・魅力的で有力なキャラクター、IP(知財)の活用。
(4)インバウンド・・・日本の伝統工芸をモダンなテイストで紹介する。
(5)サイズ・・・仕切りは仕切りでも、部屋だけでなく、机の上を仕切る
などサイズの幅を広げる。ミニチュアも。
(6)用途の変更・・・仕切りとしてだけでなく、壁掛けとしても使える。
(7)使い方の変更・・・床置きにこだわらず、例えば、天井から吊るすなど
大胆な発想の転換も。
こうしてみると、この記事は『屏風』を取り上げたものですが、その考え方は、他の様々な伝統産業にも応用できるように思われます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?