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オフプライスストア~節約と持続可能性のマッチング~

 日経電子版の記事【ゲオがブランド品を廉価販売、中古品のノウハウ生かす】は、『オフプライスストア』のポテンシャルを感じさせてくれるリポートです。



 売れ残った衣料品・服飾品・日用品などのブランドアイテムをメーカー・小売店から仕入れ、アウトレットストア・ディスカウントストアと違って、1店舗で様々なブランドを品揃えして、希望小売価格よりも安く販売する『オフプライスストア』とは、どのようなものなのか、そのポテンシャルと課題を記事などから整理してみると――

▶『オフプライスストア』のポテンシャルと課題

(1)メーカーにとってのメリット
  ①『廃棄ロスの削減』・・・廃棄に係わるコストを削減できる。
  ②『ESG』・・・持続可能性への配慮。

(2)小売店にとってのメリット
  ①『客単価』・・・値下げ品ばかりが売れる店からの回避。
  ②『値下げロス』・・・過度な値下げによる利益の圧迫を回避。
  ③『値下げ作業』・・・値下げに係わる業務のコストを回避。

(3)ユーザーにとってのメリット・ベネフィット
  ①『新品』・・・新品をお手頃価格で買える。
  ②『ブランド品』・・・ブランド品をお手頃価格で買える。
  ③『宝探し』・・・宝探しのような買物体験。
  ④『買い物ついで』・・・郊外型店舗であれば、都心まで行かずとも、
            買い物ついでに立ち寄れる。
  ⑤『中古品への抵抗』・・・安さにはこだわりたいが、中古品には
             抵抗がある。
  ⑥『節約』・・・いいものを安く買えたという節約の満足感。

(4)オフプライスストアにとっての課題
  ①『売れ残る』・・・安くても売れないものを仕入れてしまうリスク。
  ②『計画的な仕入れ』・・・計画的な仕入れが難しく、シーズン前に
             前もって仕入れ寝かせておくことも必要。
  ③『膨大な品番』・・・様々なブランドの膨大な品番を管理する
           ノウハウが必要。
  ④『売場の統一感』・・・色目や服種でまとめるなど、売場が雑になら
            ないテクニックが必要。
  ⑤『売れ残りのイメージ』・・・例えば、同じものが大量に積んであれば
               いかにも売れ残った商品に見える。仕入れ
               と陳列の工夫が必要。



 こうしてみると、『オフプライスストア』の存在は、ユーザーにとっては、その節約志向に合致し、メーカーにとっては、アパレルの大量廃棄という社会課題への一つの解となっています。ユーザーの『節約』志向とメーカーの『持続可能性』への取り組みがマッチングされた卓越したビジネスモデルだと言えそうです。

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