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明治維新はオープンイノベーションだった

 日経電子版の記事【ダイアモンド教授「国の危機解決に明治の経験を」】は、その著書「銃・病原菌・鉄」で有名なジャレド・ダイアモンド教授が、明治維新を、危機に直面した国家が参考にすべき好例と論じるものです。



 この記事で最も印象深いくだりは、次の一節ではないでしょうか。

(記事より)
「自国の問題と誠実に向き合い、分野ごとに他国で成功しているモデルをうまく取り入れた」

 


 そもそも、国家に限らず企業なども含めて、そこに内在する『課題』を放置すれば、やがて『課題』は『危機』へと悪い方向に拡大していきます。そして、記事でも指摘されているように、その『課題』の原因を他国、企業の外に求めるような姿勢こそが、様々な放置の態様の中でも最悪のケースの一つである、と言えそうです。

 課題と誠実に向き合い、正しく課題の原因を見極めることなく、自国・自社の外部に責任を転嫁していては、①課題はいつまでも解決せず、②誤った施策で混乱を招き、③オープンに外部のアイデアを吸収するチャンスを潰してしまう事になるのです。



 その文脈で、明治維新というものを見詰め直すと、そこではまさに、①危機と真摯に直面して、②その打開策を広く世界に求めて、③日本の実情に合った施策へと昇華させていった状況が浮かび上がってきます。

 明治維新とは、歴史上、国家レベルで取り組まれた、壮大なオープンイノベーションの時代だったのかも知れません。



#COMEMO #NIKKEI

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