『天使の翼』第5章(81)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
すぐに肉眼では見えなくなる。
わたしとダイアンは、交互に暗視スコープを覗きながら、固唾を飲んでシャルルの地底到着を見守った。
……長く長く感じられたけれど、実際には10標準分ほどで、シャルルは、地底に着地し、合図を送ってよこした。ダイアンが、すかさずリモート・パネルのボタンをオフにする。
暗視スコープで見ていると、シャルルは、周囲の様子を探るのか、さかんに四方を見やりながら、視界から消えた。――ほどなく戻ったシャルルが、大きく腕を振り回した――来い、という合図だ。