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【実録 / 1.5万字】創業1期目に黒字化 / 年商2億のラインを突破したSaaSスタートアップの1年間を解説

2019年8月1日に創業し、先日2020年7月31日に創業1期目を終えました。

決算月である7月は過去最高売上を記録し、創業1期目にして年商2億(※1)の月次売上のラインを突破し、黒字決算を迎えました。
※SaaSプロダクトの収益源であるアップセル/クロスセル/契約更新の売上分はカウントせず、新規顧客の初回契約のみで計算。

「知ってるか」「知らないか」で経営状態が変わることが想像以上に多く、シード期の起業家にとって有意義な情報源となるよう、QuickWorkとして1期目に経験した出来事や、やった方が良いと感じたことを時系列で記載します。

noteを書こうと思った背景:創業からの企業の存続割合は1年経過後72.8%(経済産業省の中小企業白書のデータ引用です。100人起業家がいれば約27人は1年目に廃業になってしまいます。1年通して感じたのは、事前に知っていれば適切に対策を施すことでリスクを回避できることが沢山あるということです。勇気を出して1歩踏み出し起業にチャレンジする方が、本記事を読んで頂き、少しでも参考になれば嬉しいなと思いnote書くに至りました。
想定読者:将来独立を検討している方、創業期のスタートアップ経営者、PL責任者、新規事業に携わっている方全般

少しでも創業前後の起業家の方の参考になればと思い記載したところ、あれもこれもと盛り込みたいコンテンツが非常に多く、長くなってしまいました。(初noteなので読みづらいところあると思いますがご容赦いただければと思います。)

創業前の2ヶ月+創業後の12ヶ月を時系列で紹介していきます。

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メンバー:1人(村岡)

1つ目のサービスリリース(ApoKaku)

前職では人材ベンチャーにて法人営業のマネージャー業務を担当していたのですが、現場で感じていた非生産的なBtoB営業手法(それに伴いメンバーは長時間労働を強いられる業界構造)に強い課題意識を抱き、人力で実施している雑務をシステムで代用できないかと思いサービスリリースしました。Django/AWSを独学(Udemy)で習得し、10日ほどでLPをリリースしました。断片的なシステム知識はほどほどにあったものの、1人でリリースするとなると新たな知識を習得する必要が生じ、苦労しました。下記のUdemyがわかりやすくて救われました。非エンジニアでプログラミングを習得する必要がある方は参考にすると良いと思います。ハードルの高い独学を短期間で成功させる時は、「スキルの習得を目的とせず、設定したショートゴール達成の手段と捉えること」を意識しています。

プログラミング学習で活用した「Udemy」

COO/粂がジョイン

前職で同じサービスのWebマーケティングを担当していた粂がこのタイミングで加わりました。意思決定の判断基準が近かったこと、営業/マーケ/開発3要素とも兼ねそなえたオールラウンダーであったこと、色々な人にLPを見せた中で一番ワクワクしており0→1の過程を共に楽しめそうであったこと、の3点から共同創業のオファーをするに至りました。立ち上げは近いポジションで一緒に仕事したことがある人と2人で始めるのが自分には合っていたと思います。

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メンバー:2名(村岡+粂)

創業準備(役所関連)

​→知識がなかった分野のため非常に苦労しました。会社設立freeeを活用して設立を試みたのですが、間違って会社を作ってしまい20万円くらい損をしました。もう一度会社を作るとしたら、間違いなくプロ(司法書士)にお願いをしますし、起業家がいればそのようにアドバイスします。登記の代行は親切法人のリード獲得と捉えているような専門機関が多いので、コストも抑えられます。

※freee自体は非常に使いやすかったので誤解しないでください。こちらはおすすめです。

創業準備(事業関連)

社会人経験3年以下でビジネス経験が不足していることには課題意識を持っており、まずは徹底的にインプットするところから始めました。起業家の本を100冊くらいに読み、読んだ本については粂と2人でディスカッションし、意思決定の基準をすり合わせていきました。ここでの意見交換が活きたのか、後ほど(2020年1月)受験した価値観診断(9,765,623パターンある)で粂と同じ結果が出て驚きました。

中でもおすすめの本(創業前後に読んだほうが良いもの)をピックアップして紹介します。

「野心を育む」という観点では下記2つもおすすめです。

時間に余裕がある人はこちらもどうぞ。(めちゃくちゃ長い)

漫画の「ワンピース」「キングダム」も上記の観点ではおすすめです。

この時に限らず、サミュエル・スマイルズの「自助論」は何かに100%の時間を捧げる必要がある時によく読んでいました。大学時代からずっと愛読している本で、計10回以上は読了しました。



メンバー:2名(村岡+粂)

初受注

創業初月、Beginners rackで、あっさりと100万円の受注ができました。受注金額で、1台35万円くらいのMacbook Proを2台(村岡/粂)購入し初受注の70万円がすぐになくなりました。処理の重さによりますが、プログラムをローカルで10個くらい同時に動かすことができるようになり、2人の生産性が飛躍的に向上しました。寝ている間もプログラムを動かしていたので自分達の分身ができたような感覚で、最初の投資としては大正解でした。

SaaSにピボット

当時のApoKakuは受託開発でサービス提供しており、受注する度にその企業様専用のシステムを開発し、成果物をCSVで納品していました。

受託開発のモデルだと支援できる企業に限りが出てくると感じ、本当の意味でWin-Win-Winが実現できるSaaSのビジネスモデルにピボットしました。下記の、ユーザベースの佐久間さんの記事は非常に参考になりました。ユーザに貢献することが自社の利益にもきちっと還元される点、勝つべき企業がちゃんと勝つフェアな市場である点、市場の成長性(年間約120%成長)、に魅力を感じてピボットしました。

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メンバー:2名(村岡+粂)

2つ目のサービスリリース(TechOrder)

→SaaSにピボットしたものの、初期1ヶ月はプロダクト作成(管理画面)にリソースの80%くらい使っていました。データ収取のクローラーシステムは社内に100個以上あったのでそれを転用する形で直近のキャッシュを確保しようという意図で着手し、リリースを思いついた当日にTechOrderのLPをリリースしました。1時間で5万円くらい稼ぐことができたので、直近のキャッシュを確保しつつSaaSプロダクトの開発にリソースの大半を割くことが可能になりました。

PRtimes利用開始

創業から24ヶ月以内の企業は”プレスリリースを毎月1本無料”で打てます。迷わず全てのスタートアップは利用し、ネタがなくても無理矢理でも毎月リリース出すと良いです。今では最低でも月に8本(週2本)必ずプレスリリースを打っています。無料のプレスから毎日1件ずつくらい企業から問い合わせがきていました。シード期のスタートアップはキャッシュがないことが多いので「Non-Paid(無料)のCV獲得経路」としてPRtimesを活用することを強くおすすめします。CV獲得は広報の主目的ではなく、後々採用を開始した際にも恩恵を受けられます。

スタートアップにおける広報の重要性については下記の本にて事例を交えて言及されていますので是非ご一読ください。

税理士顧問契約

会社設立で痛い目にあったので、「苦手なことは人に任せた方が良い」という考えで税理士に顧問をお願いしました。破格の料金形態で、税金周りだけでなくバックオフィス関連の業務を数多く巻き取っていただき、事業に集中することができました。創業期の起業家向けの料金形態は良心的で、非常に助かりました。

VCとの壁打ち

「PMF(Product Market Fit)の期間短縮」を目的とし、壁打ち相手として2~3社のVCの方々に事業計画についてプレゼンしてFBをもらいました。当時は非常に反応が薄く、ショックを受けたのを覚えています。聞いたことのないSaaS用語が沢山出てきて、勉強しなきゃ、と粂と2人で焦っていた記憶があります。下記の記事が参考になりますのでSaaSで創業を検討している方は是非。

また、シード期への投資に好意的なVC(venture capital
)とは関係を多く持つべきだと思っております。多くのスタートアップ支援サービスと提携していることが多く様々な特典を得られますし、たくさんの会社を見ていることもあり、的を得たアドバイスが得られる可能性が高いです。

VCではないですがfor startupsが運営する「STARTUP DB CLUB」は会員特典が手厚いので参加をおすすめします。

STARTUP DB CLUB提携サービス(2020年7月時点)

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審査があるそうですがなんとも曖昧で、運営会社であるfor startupsなりのスタートアップ哲学があるのだと思います。

上場、未上場を問わず新しい技術やビジネスモデルを通じてイノベーションを起こそうとしている国内企業。

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メンバー:2名(村岡+粂)

セールス部隊を外部構築

問い合わせが徐々に増加してきたため、開発/マーケ/バックオフィス/セールスの全ての業務を自分たち(村岡/粂)だけで進めるのに、時間的な限界が見えてきました。そこで、「セールス部隊を外部に構築しよう」と考え営業代行の会社に一斉に声掛けを実施しました。

結論から言うと全くうまくいかず、受注も殆ど生まれませんでした。外注すると全てに言えることですが、「上手く行かない時に課題が見えず、有効な打ち手を選択できない」状況に陥りました。

それ以降、「改善が必要な仕事は外注しない」→「改善が必要ない仕事は自動化する」という考えで進めていった結果、オールインハウスの経営体制となりました。

3つ目の新サービスリリース(SalesMap)

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「Non-PaidのCV獲得経路」を確立するためにオウンドメディアをスタートさせました。2つ大きく失敗しました。

失敗①CMSを使うべきだった

Djangoで管理画面も実装しようと試みましたが、CMSで作るべきだったと反省しています。Djangoで作成した管理画面はHTML/CSSを直接書く必要があり、周辺知識のないライターだと1本記事を書き上げることができない状態でした。できたとしても工数が余分にかかりました。(Djangoで管理画面を実装するスキルが少しだけ付いたのでそこは良かったです!)

失敗②そもそもオウンドでなくてよかった

成果が出るまでの期間を甘く見ていました。今ではちょこちょこCVが来ますが、ドメインパワーを高めるのに半年くらいかかるので、直近1~3ヶ月のCVを増加させたい場合はオウンドメディアではなくnoteを活用するのが良かったかな、思います。

コーポレートサイト開設

3サービスリリースし、取引企業も増えてきたのでコーポレートサイトを開設しました。思い付いてから半日くらいで粂と2人でリリースしました。(今のコーポレートサイトとは異なり、黒ベースのシックなデザインでした。)

シェアオフィス契約

今までは各自の家/カフェで働いていましたがこのタイミングでシェアオフィスを契約しました。渋谷に月1万で平日使い放題の安いところがあったのでそこに入りました。ここで、初めての月額固定費が発生しました。


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メンバー:2名(村岡+粂)

50名/月の面談ノルマ

11月に入って1ヶ月で50人の社長に会うというノルマを決めて沢山の社長の方とお話する機会を作りました。目的は2つ。1つは「販路開拓」でした。先程も述べましたが「Non-PaidのCV獲得経路」は創業期のスタートアップにとっては非常に重要です。トータル500万くらい下記の2経路で売上が立ちました。

・ビジネスマン向け

・経営者限定

2つ目は「経営ノウハウの収集」です。特にファイナンス周りの知識がなく、先輩経営者から学ぶ必要がありました。恥ずかしながら、そこで「創業融資」というものを知り、下記の2つの制度を利用し融資を受けました。創業融資における会計的な観点での専門性はそれほど求められないと考えており、会計士はつけてもつけなくても良いです。先輩経営者で融資受けた経験がある人に相談できる場合はカットしても良いと考えており、何もコネクションない人は会計士探したほうが良いです。最低でも3人以上面談(基本面談は無料)した上で信頼できそうな人を選ぶと良いです。手数料は成果報酬で融資実行額の5%(2000万の場合は手数料が100万)が相場です。3%とかでやっているところもありますが、当然その分クオリティも落ちるので本来受けられるはずの金額よりも実際の融資実行額が下がってしまうリスクがあります。

日本政策金融公庫

区の創業融資

※区によって異なります。「〇〇区 創業融資」でヒットするはずです。金額はそれほど大きくない(最大1000万とか)ですが、利子の条件は区の創業融資が最も低いかと思います。創業期にメガバンクから融資受けられ、早めから返済実績を残すことで信用を確立することができるので、融資受けておくことをおすすめします。金融機関は未来ではなく過去で判断します。

ファイナンス面で最も参考になった本はこちら。

社長仲間

このあたりで同じシード期のスタートアップの社長20~30人くらいで六本木で飲む、というベタなイベントにちょこちょこ呼ばれるようになりました。良い横のつながりができるかな、と軽い気持ちで参加しましたが、良い人 / 仲良く慣れそうな人はいましたが、事業の成功率を上げるという観点ではあまり収穫はなかったです。当たり前ですが、創業期の社長は自社の事業を軌道に乗せることで頭がいっぱいで、他者の経営のためにアドバイスができるほど余裕もなければ経験もないです。先輩経営者との縦の繋がりは大事だと思いますが、シード期においては横の繋がりはあまり必要なく(事業を伸ばす上で、という意味です。)、最初は事業創る部分に注力し人付き合いの時間は最小限にすべきと感じています。事業を着実に伸ばしていけばメディア露出も増え、人も自然に集まってきます。後ほど述べますが経営戦略に自信がなければエンジェル投資家(経営者として実績のある方に限る)にブレインとして入ってもらうのもありだと思います。

OKRの開始

11月から粂と2名で月次でOKRの選定&振り返りの時間を1時間必ず確保するようにしました。出来事が多すぎて頭の中が整理できていなかったため、毎月経営全体の視点から最重要施策を3つ決めて翌月に達成状況を確認する、という進め方をしました。今では、QuickWorkの大きな施策は殆どOKRから生まれています。

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メンバー:3名(村岡+粂+Marketer1名)

オフィス移転

使用開始から2ヶ月ですが、使っていたオフィスが閉鎖されるという通知を受け、新たなオフィスを探す必要が出ました。偶然、下記の企画を拝見し連絡したところ、プログラム参加許諾を得られたため何とか命拾いしました。思っていた何倍も日本はスタートアップに対する支援制度(提供者が政府でなく民間のもの含む)が充実していることに驚きました。今回noteを書く背景となっている部分ですが「制度がない」のではなく「制度を知らない」ために恩恵を受けられていないのです。

インターン採用開始

「営業部隊を外部構築」を試み断念しましたが、セールス工数が変わらず重かったです。中途採用を実施するほどの固定費は許容できなかったので、学生インターンを採用することに決めました。Wantedlyは月額4~5万で運用できるため特におすすめです。今では(同様のプラン)中途採用にも活用していますがトータル採用単価2万以下で運用できています。

・掲載課金(ライトプランがおすすめです)

・ゼロワンインターン(成果報酬で単価9.8万)対応が丁寧

・Infraインターン(たしか成果報酬で単価10万)

これまで人数少なかったのでLINEでやり取りしていましたが、を導入しました。コミュニケーションツールは迷わずSlackで良いと思います。

Salesforce導入

学生インターンにBtoBセールスを任せるための前提として「セールスを可能な限り標準化する」ということに注力しました。そのためのセールスインフラとしてSalesforceが最適だと判断し導入を決めました。機能は申し分ないですが、コストが嵩むので国産のCRM/SFAのツール、あるいはHubspotを導入するのもありだと思います。世界を代表するSaaS企業であるSalesforceのサービスを顧客として利用してみたいという好奇心もありました。(3ヶ月後の2020年3月にはMAとしてPardotを導入しました。)

Salesforce(予算に余裕あり)

Hubspot(予算に余裕なし)

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メンバー:6名(村岡+粂+Marketer1名+Sales3名)

顧客起点での機能実装

クラウドソーシングを運営する大手企業様のCTOとお会いする機会があり、いくつか改善要望を伝えられ、その課題をクリアしてくれたら導入するとお話をいただきました。機能実装後、すぐに導入が決定したのに加え、同じ業界であるクラウドソーシング系の企業での導入が急増し、1人の顧客からの改善提案により特定業界における受注率が急増しました。既にマーケットが存在するHorizontal SaaSにおいて全ての面を取りに行くのは難しく、まずは特定の顧客属性にターゲットを絞りそこにフォーカスして機能改善を実装していく形が良いと再認識しました。

おすすめの本(N1分析)

4つ目のサービスリリース

単一の事業(当時、売上の80%以上がリスト作成サービスApoKakuによるもの)に売上が集中している状態に経営の安定性の観点から危機感を覚え、創業6ヶ月目にして4つ目のサービスリリースに踏み切りました。

※営業リストの決定版「ApoKaku」では、新規営業における「ターゲティング」 → 「リスト作成」 のプロセスを自動化する形で企業様の支援をしてきましたが、次のステップ 「アプローチ」→「アポイント獲得」 までをカバーするシステムとしてAI営業マン「Daniel」をリリースしました。テレワークの時流にマッチしていることもあり、利用企業が急増しています。単月のCVベースだとコロナ前後で3.98倍になりました。


インターン生がジョインから2週間で契約獲得

2020年1月15日に1人目のインターン生がジョインしました。ジョインから2週間で1件目の受注が決まり、その瞬間にSalesforceによる営業標準化のボーダーラインをクリアしたと感じ、追加で2名採用しました。営業標準化において参考にしたのが「ザ・モデル the model」です。

THE MODEL

インサイドセールス

少し話が脱線しますが、営業や採用面接の日程調整ツールとして下記を活用していますが調整工数を大幅に削減できたと思います。(現在も利用中、月数百円〜使えます。)

biskett / 日程自動調整(Googleカレンダー連携)

広告開始

問い合わせから受注までの流れが出来てきたので、セールス人員をインターン生3名まで拡大(最初の1名+追加採用2名)し、Googleリスティング広告/Facebook広告を開始しました。受注率/商談化率はGoogleリスティング>>Facebook広告となっておりリスティングの方が顕在層の顧客獲得に向いています。Facebookはナーチャリングの仕組みがある程度確立できてからスタートすると良いと考えております。

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メンバー:7名(村岡+粂+Marketer1名+Sales4名)

問い合わせラッシュ

開始したばかりの広告がバズりました。一番多い日だと1日で93社から問い合わせが来まして全く対応が追いつきませんでした。急いでメンバーを4名採用し、次月の3月時点でセールスが3名→7名まで増加しました。ナーチャリングの仕組みも整っておらず2月問い合わせ顧客の受注率は過去最低の値となりました。(もちろん直後にコロナが来たのも大きな受注率定価の要因としてあります。)

問い合わせ数推移

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Zapier(ザピアー)導入

API連携により雑務を排除してくれるRPAツール「Zapier」をQuickWorkで導入しました。毎日の業務の中で、単純な作業の繰り返しは意外と多いです。例えば、特定の差出人からのメールをGoogle Spreadsheetに転記する、メールに添付されたファイルをGoogleドライブに格納する、LPに問い合わせが来たらGmailにメール通知を実施し、その問い合わせ内容をSlackの特定チャンネルで通知する、などの自動化アプリケーションを非エンジニアでも簡単に実装できます。

Zapierを使用することで、750種類以上のサービスを組み合わせ、自分だけのオリジナルアプリケーションを作成できます。特定のトリガーに応じて発生するアクションを登録し、日常業務を大幅に効率化できます。

週次で自動化されたタスク量を通知する機能がありまして、QuickWorkでは1週間あたり617個のタスクを人間の代わりに実行してくれます。

Zapier

IFTTT / 個人でAPI連携でよく使用されているイメージ

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メンバー:11名(村岡+粂+Marketer1名+Sales7名+Engineer1名)

MA(Pardot)導入

問い合わせ増加に伴うハウスリスト急増により、過去問い合わせ先の優先順位付けが困難になっていたことから、リードスコアリングを目的としたMAツールの活用を検討していました。マルケトやHubspotと比較した結果、Salesforceと親和性の高いMAツールPardotを導入することに決めました。営業担当者もSalesforceと同じで管理画面も別れておらず、Salesforce導入企業であればPardotを導入することをおすすめします。個人的にはハウスリストが500~1000くらいになって来たら迷わず導入すれば良いと思っております。また、構築には専門性が必要なので0からPardot構築を経験されたことがある方にジョインいただいた方が良いです。2〜3ヶ月くらい自分たちで構築を試みましたが、なかなか捗らず、プロフェッショナルの方にジョインいただきました。みるみる改善が進んでいき、自分たちではPardotのポテンシャルを十分に引き出せていなかったと実感しています。

Pardot

コロナ直撃

3月12日、WHOが新型コロナ(COVID-19)を「パンデミック」と認定しました。正直、焦りました。中小企業がメインクライアントだったので早く収まることを祈っていましたが真逆の結果となりました。

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エンジニアチーム構築

ここまでは4つのサービスの開発業務を粂と村岡の2人で全てやっており、工数的に厳しくなってきました。前職の同期に声をかけ、エンジニア1名がジョインしてくれることになりました。当時はあまり開発フローが整っておらず、チーム開発の体制ができあがっていませんでした。利用企業も増えてきていたことで改善要望も多く上がってきているため、よりスピード感を持って機能改善をするためにエンジニアチーム構築に踏み切りました。

セールス採用方針急転換

SaaSセールスのIS/FS/CS全ての業務をインターン生に任せていましたが、クロージング〜受注後フォローのプロセスが上手く回っていませんでした。受注率向上・アップセル/クロスセル増加(SaaSの醍醐味)を目的として法人営業経験5年以上のベテランセールスのみ採用することに決め、業務委託で3名採用しました。結果、受注率UP / 教育工数削減(僕より遥かに法人営業に精通しているメンバーなので何も言うことがない)が実現できました。

若干脱線しますが、AnotherWorksという媒体経由でQuickWorkの7~8割くらい(残りはWantedly)は採用を実施しています。採用単価は5000円〜7000円くらいで、驚くほど経験豊富な方々にジョインいただき日々、本当に助けられています。各領域のプロフェッショナルが多く登録しており、今まで合ったこともないような人と出会える貴重な媒体です。面接は基本僕が1人で担当していますが、「〜〜で困っています。助けてください!」というような流れでジョインいただくことが大半です。

AnotherWorks

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メンバー:12名(村岡+粂+Marketer1名+Sales8名+Engineer1名)

2つ目のオフィス契約

気分転換も兼ねてもう1つオフィス契約しました。都内に複数箇所展開しており、どこでも使用できる利便性と居心地の良さ、何より価格が安くスタートアップには使いやすいためおすすめです。「we work」の1/4くらいの値段で、個人的には同じくらいのサービス水準だと感じています。低価格で事業運営できる理由として、単一の事業で収支合わせるというより、新規法人のリード獲得(将来大きなオフィス借りてくれる)が目的にあるのかな、と思っています。

Business-Airport / 東急不動産運営

緊急事態宣言発令

2019年4月7日(僕の誕生日の翌日。笑)に緊急事態宣言が発令されました。2月から単月で数百万円の広告投資をしていたのですが、クライアント(SMB中心)の経営状態が悪化し、進行中の商談案件にて失注が続きました。受注率が半減し、外部要因(直接的に影響がない業界でさえ)でここまでビジネスに影響が及ぶということに恐ろしさを感じました。改めて利益が薄いビジネスモデルは経営者として選択できないなと、実感しました。同時に、利益率が高いマーケット(競合が強い)で勝ち抜いていくには自分がもっともっと成長しなければならない、ということを肝に銘じました。

ただ、コロナ以前に問い合わせきていた企業からの受注は減少したものの、「リモート営業のツール」という切り口でPR戦略の訴求ポイントを転換することで、コロナ後に問い合わせが急増し、結果としてコロナは大きなプラスとなりました。

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メンバー:14名(CxO2名/Marketer1名/Sales9名/Engineer2名)

PMFに最注力

当時最も収益を上げていたセールステック領域の2サービス(ApoKaku/Daniel)のPMFに注力しました。プロダクトの完成度が低い(顧客の期待値に追いついていない)ことでセールスメンバーが顧客フォローに莫大な工数が取られてしまい、新規問い合わせ企業に対して十分な時間を割くことができなくなっていました。

PMFで参考になったnote

新規事業開発

開発/セールス/マーケの業務の切り出しが完了したことで手が空き、自分たちのバリューが最も出せると認識している0→1(新規事業)に着手しようと粂と相談していました。コロナ下において急拡大しているエンゲージメントサーベイ(HRtech)のマーケットに目をつけました。オフラインコミュニケーションに依存したエンゲージメント把握には限界があると感じ、海外No.1企業をベンチマークにα版の開発を粂/村岡の2名でちょこちょこはじめました。

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メンバー:25名(CxO2名/Marketer4名/Sales13名/PR1名/Engineer5名)

マーケ/開発チームの採用注力

今までマーケティング領域は1名で回していたのですが、施策が多すぎて改善に集中できない状態になっていました。そこで、マーケティング業務をSNS / リスティング / MA / オウンドメディアの4つのポジションに分け、それぞれ専任者を採用しました。マーケチームは1名→4名へ、開発チームは2名→5名に増加させ開発/マーケの2部署合わせてで1月で3倍(3名→9名)の規模になりました。

採用ではまたも「Another works」大活躍でした。

コーポレートリニューアル

採用が捗り関係者が増えてきたこともあり自分たちの大切にしている価値観/事業の目的をアウトプットする必要があると考え、コーポレートサイトを一新し、ビジョン/バリューを言語化し外出ししました。

コーポレートサイト

創業インタビュー(村岡)

創業インタビュー(COO粂)


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メンバー:30名(CxO2名/Marketer4名/Sales15名/PR2名/Engineer6名Writer1名)

メディア露出急増

プレスの配信頻度を月1本→月8本に変更(8倍)し、月次のプレスPVが1万以上に急増しました。広報が改めて重要だと実感しました。プレス配信頻度を変更した前後で月間PVが約3倍になり、サービスへの問い合わせも大きく増えました。

転載件数:617サイト / PV:39,097 / UU:38,693

まで伸びました。

PRtimesのみ実績

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PRASの佐藤さんに協力いただき、日経クロストレンドにも掲載されました。広報部門の立ち上げ期に協力いただくと非常に良いかと思います。

5つ目のサービスリリース(Visual)

5月に開発をスタートした新規事業ですが、既存事業の業務もあったことからリリースまで2ヶ月近くかかってしまい、5月開始→7月リリースとなりました。現在はPMF真っ只中です。

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黒字決算

7月時点の月次売上で年商2億円のラインをクリアしました。創業から5~10年は赤字が当たり前のSaaSマーケットにおいて外部資本を入れることなく創業期から黒字決算を迎えることができ、1期目としては上出来だと思っています。QuickWorkでは「3CAC<LTV ではなく 3CAC<AOV」(※)を基準としており、クリアするまで経済合理性を追求し利益率改善を進めていきました。「1社から生涯得られる売上」ではなく「初回受注での売上」を見ることで損益分岐点を1日でも手前に持ってくることに拘りました。

※CAC=顧客獲得単価(Customer Acquisition Cost)LTV=顧客生涯価値(Life Time Value)AOV(Average Order Value)

まとめ

1期目特に大切だと思ったことはたくさんありますが成功するか否かの変数として大きいと思った部分を簡単にまとめます。

学習習慣(独学)

起業すると今までの知識でクリアできることはほぼ皆無で、何か新たに行動を起こすと必ず新たに学習する必要が出てきます。特にサラリーマンをしていた人は特定の業務領域に限定されているので、横断的なスキルが求められる創業期においては苦労するでしょう。僕の場合は学習の7割は本(先人の知恵を拝借しないなんてもったいなすぎる)、2割は学習媒体(開発ならUdemy、経営/マーケ/営業はnote等のメディア)、残り1割は人から直接いただいたものでした。

あまり事業が上手く回っていないと感じた起業家の方で下記の2パターンが特に多いと思いました。

①情報収集元の大半がオフラインコミュニケーション

→情報収集/学習を人から直接聞くことに依存している方、は失敗している人が多かったです。確率的に、偶然あった人が自分が今課題に感じていることの答えを持っているわけがありませんし、効率が悪いので改善スピードが自然と遅くなります。「十分な情報があれば適切に意思決定できる人」は沢山いますが「意思決定をするのに十分な情報を集めることができる人」は非常に少ないです。

②事業開発の3要素「営業/マーケ/開発」の横断的なスキルがない人

→「開発は自分の領域じゃない、今から勉強しても遅い」、「営業はやったことがないからできない、自分の仕事じゃない」といったような内容の言葉はよく聞きました。

どれだけ浅い知識でも良いのでここだけは自分で知識を蓄えておく必要があると考えます。1点ぐらいの完成度で良いので、「事業を自分一人で立ち上げ、1受注でも取れるくらい」まで3つの領域の学習しを知識を深めるべきだと考えます。

ベンジャミン・フランクリンの名言、QuickWorkの7Valuesにもあります。

An investment in knowledge always pays the best interest     /    知識への投資には、常に最高の利息がついてくる by Benjamin Franklin

採用と委任

2人でスタートしたQuickWorkのメンバーは今では30名まで増加しました。
初年度に採用に注力して本当に良かったとよく粂と話します。各方面の業務において、自分たちが最低限の基礎知識(最初は自分でやる)を持ち、ある程度の判断軸を確立できたら、各領域のプロフェッショナルに業務をパスすることをおすすめします。新たに採用をして業務をお願いすると、想像していたより結果が付いてくることが多く、良い意味で何度も期待を裏切られました。人生で最も人に感謝した回数が多かった1年になったと思います。経験豊富な方に自己決定してもらうことでその人のパフォーマンスが最大化されると信じています。

組織作りで参考になったnote

IT化(SaaSの活用)

人がやっても機械がやってもパフォーマンスが変わらない仕事、はツールで代替することに拘ってきました。機械の方が何倍もタスク処理のスピードは早くヒューマンエラーが起きないので、人があえて担当することの付加価値がないものは全て機械に任せるのが良いと考えます。スタートアップこそ生産性に強く拘り、利益(投資体力)を確保することで、外部資本に依存せずとも事業を急成長させられる、経営体制を実現できます。

人海戦術は経営者も従業員にとっても良くないですし、サービス提供者に余裕がないとお客さんの満足度向上にコミットできません。今まで出していたバリューを半分の時間で出すことができる仕組みを作れれば、残りの半分を別の時間に当てることができます。先日ユニコーン企業となった「Notion」の社員数はたったの50人です。

Notionの記事


資金調達

華々しく見えがちである資金調達ですが、『会社の一部(株式)を譲渡する運転資金を支援してもらう施策』です。
事業成長のボトルネックが資金不足、とならない限りは自己資本100%で進めるのが良いでしょう。経営者は株主に対する説明や体裁を整えることに時間を割くのではなく、事業開発やユーザー満足度向上のための施策に時間を費やするのが良いと考えています。株主が増えれば増えるほど説明機会が必然的に生まれ、本質的でない業務(事業目的やユーザ満足度に関係のない業務)の割合が増加します。

もちろん外部資本を入れることに対して100%反対ではなく資金以外の観点でも恩恵を受けられます。

①資金がないと事業が成り立たない(キャッシュアウトのリスクあり) / ②キャッシュ不足を恐れ、投資できずに事業成長が鈍化する / ③外部の株主のアドバイスがないと経営戦略を誤ってしまう /  ④販路開拓にVCやエンジェル投資家の助けが必要不可欠(参入業界が特異)である

といった場合に起業家の助けをしてくれるのがVCやエンジェル投資家だと僕は考えており、出資そのものは大変意義のあることだと考えています。出資を受ける前提で最初から経営する(エクイティがないと成り立たない事業創りをそもそもゴールにしている)のが良くなくて、挑戦した結果として出資を受けることは別に良いことだと思います。

まずは自己資本100%で突っ切り、可能な限りシリーズをスキップ(シード→シリーズA→シリーズB→シリーズC→上場)する、それでも上手く行かなければ出資を募る、というスタンスで経営するのが良いです。結果としても、事業の成功確率を高まると考えており、これくらいシビアに経済合理性を追求している事業であれば、勝手にVCにとって投資したい事業になっている可能性は高いです。出資ありきで考えている起業家が非常に多いので、まずは補助輪なしで挑戦し、プランBとして資金調達を検討するのが良いと考えます。

下記の記事にペガサス企業という表現が出てきます。面白い記事なので良ければ御覧ください。

そもそも自力での事業継続ができるため、通常のスタートアップが経る、シード、シリーズA、Bの調達ラウンドをスキップします。(下記記事より抜粋)

創業年と営業利益の関係を図に示すと下記のようになります。

A:ユニコーン、B:スモールビジネス、C:ペガサス

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2期目に向けて

下記のグラフは、海外のSaaSスタートアップのARR1億ドル〜ARR100億ドルまでかかった年数を表しています。( 約:ARR1億 / yen 〜 ARR100億 / yen )日本初のSaaS企業の殆どは、達成までの年数という話ではなく、ARR100億の壁を突破できず終わります。

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世界で各領域におけるインフラ(No.1)となっている企業一覧です。2期目以降、日本企業代表としてここのラインナップに入れるように尽力していきます!そのために英語圏に可能な限り早く参入(2期目支社を作る予定あり)します。

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(ソース:Bessemer Venture Partners "State of Cloud 2017"から抜粋)

QuickWorkは「Be productive」という経営理念の元、世界のインフラ(= Must have SaaS)となるサービスを生み出し、生産性向上に貢献していきます。

最後に

経験も少ない自分(立ち上げ当初は社会人2年半)に対し、最初に付いてきてくれた粂を始めとし、協力してくれたメンバー/QuickWork関係者に対して感謝してもしきれないなあ、と感じています。また、今まで生きてきた中でこの1年は自分自身が最も成長できたと思います。来年も同じことを言えるよう2期目も頑張ろうと思います!

自分の振り返りも兼ねて今後ちょくちょく更新していきますので良ければフォローお願いします!

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QuickWork公式

村岡 功規 / QuickWork CEO

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村岡功規 QuickWork代表

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QuickWork 創業者 CEO (http://quickwork.jp)スタートアップ経営者ならではの臨場感のある情報をお届けします! 学生時代にデータ分析の研究員/Webサービスを起業。レバレジーズで新規事業立ち上げ〜マネージャーを経てQuickWork創業。