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美術・料理・生活と生きること

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記事一覧

バナナパンケーキと穏やかな時間

たまに、どうしようもなくパンケーキを食べたくなる時がある。家で作るのが面倒くさい時は(ここ1年くらいはずっとそうだった)パンケーキをわざわざデリバリーするか、少…

ミニマリストな朝食

新型コロナウイルスのパンデミックによってフィリピンは世界最長のロックダウンの国となった。フィリピンの外出制限はECQ(Enhanced Community Quarantine: 強化されたコミ…

サラミがあれば

少し前だが、日本人の友達とコロナ禍疲れを癒すという名目で、ランチにステーキを食べに行った。I'm Angus というお店で、そこのステーキはとてもとても美味しい。マニラに…

スモークフィッシュのオムレツ

「いつかの朝ごはん」というマガジンを始めることにした。朝ごはん、というタイトルにしたものの、朝ごはんに限らずここ最近作っている料理やデリバリーしたものなどにまつ…

小説と視覚芸術

ー大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼…

アートを所有すること・旧日本軍発行のフィリピンペソ札・Poch Navalの作品について

先程、友人のアーティストと会ってきた。彼とは前々から、作品をスワップする約束をしていた。マニラのアーティストたちの間では、作品をスワップする文化がある。私はまだ…

異国の客であること

先日個展がオープンし、2月、6月、8月の個展のための制作が一旦落ち着いた。また11月に小さい場所で個展はあるが、オープンしたばかりで今はようやく肩の力が抜けている。…

バナナパンケーキと穏やかな時間

バナナパンケーキと穏やかな時間

たまに、どうしようもなくパンケーキを食べたくなる時がある。家で作るのが面倒くさい時は(ここ1年くらいはずっとそうだった)パンケーキをわざわざデリバリーするか、少し歩いてお洒落で高いカフェまで行ったりした。

朝ごはんに、久しぶりに自分でバナナパンケーキを作って食べた。という文章ですが、そこに至る過程をちょっとお話し。

この1年くらい、いろんなことがあった。そしてそれが、盛り上がりに盛り上がりを見

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ミニマリストな朝食

ミニマリストな朝食

新型コロナウイルスのパンデミックによってフィリピンは世界最長のロックダウンの国となった。フィリピンの外出制限はECQ(Enhanced Community Quarantine: 強化されたコミュニティ検疫)から始まって、MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine: 修正された、強化されたコミュニティ検疫)(直訳するともう何が何だか)、そしてその次にGC

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サラミがあれば

サラミがあれば

少し前だが、日本人の友達とコロナ禍疲れを癒すという名目で、ランチにステーキを食べに行った。I'm Angus というお店で、そこのステーキはとてもとても美味しい。マニラにはステーキ屋が実はたくさんある。どこもまあまあお高いのだが、欧米風の赤肉のしっかりした味のステーキは、肉好きの私は定期的に食べたくなる。

I'm Angusを経営している会社は他にスイス料理の店とSantis Delicates

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スモークフィッシュのオムレツ

スモークフィッシュのオムレツ

「いつかの朝ごはん」というマガジンを始めることにした。朝ごはん、というタイトルにしたものの、朝ごはんに限らずここ最近作っている料理やデリバリーしたものなどにまつわるお話を書いていけたらと思っている。私は料理にものすごく拘りがあるとか、美食家ということではない。日本に帰るとコンビニのおにぎりや松屋の美味しさに感動するし、味噌汁はセブンのフリーズドライの揚げなすが一番好きだ。

ただ、自分が食べるもの

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小説と視覚芸術

小説と視覚芸術

ー大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。ー

「異国の客」以来、池澤夏樹の本をいくつか読もうとしている。そして今日、小説「スティル・ライフ」を読んだ。88年初版発行、芥川賞を受賞している。

読後感は、なんというか、現代アー

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アートを所有すること・旧日本軍発行のフィリピンペソ札・Poch Navalの作品について

アートを所有すること・旧日本軍発行のフィリピンペソ札・Poch Navalの作品について

先程、友人のアーティストと会ってきた。彼とは前々から、作品をスワップする約束をしていた。マニラのアーティストたちの間では、作品をスワップする文化がある。私はまだ2人とくらいしか交換していないのだが、その行為はなんだかとてもハートフルで、友情を深め、よいものである。単純に、アート作品を手にすることはとても喜ばしい。

アートを持つということは、一人の個人の、魂のかけらを手にするようなことだと思う。

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異国の客であること

異国の客であること

先日個展がオープンし、2月、6月、8月の個展のための制作が一旦落ち着いた。また11月に小さい場所で個展はあるが、オープンしたばかりで今はようやく肩の力が抜けている。売ってくれるかどうかは、後はギャラリーの仕事だ。

今回は自分の限界を感じながらの制作だった。諦めていた、と言ってもいいかもしれない。たくさん作ることはきっと良いことだ。作れば作るほどアイデアも湧くし、作品は精錬されていく。でも根本

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