見出し画像

ミニマリストな朝食

新型コロナウイルスのパンデミックによってフィリピンは世界最長のロックダウンの国となった。フィリピンの外出制限はECQ(Enhanced Community Quarantine: 強化されたコミュニティ検疫)から始まって、MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine: 修正された、強化されたコミュニティ検疫)(直訳するともう何が何だか)、そしてその次にGCQ(General Community Quarantine: 一般的なコミュニティ検疫)、で最後にMGCQ(もうお分かりと思うので省略)、そこまで経てやっと、New Normalという名目で、マスク着用などはあるが通常運転になるらしい。

3月15日から5月15日までECQ、5月16日から5月31日までがMECQ、そして6月1日から念願のGCQ!ロックダウンとは、MECQまでを指すようだ。GCQになると、ようやく公共交通機関も復活し(その前まではタクシーも電車も止まっていた。ただしジープニーの再開は少し遅かった)、オフィスに社員が来れるようになり、レストランも店内飲食が可能になり、美容室も開いた(マッサージやフィットネスジムはまだダメ)。外出制限も夜8時までだったのが10時までになった。感染者はどんどん増えていたので注意は必要だったが、それでもたまには友人と外でご飯が食べられるとか、息詰まったらカフェに行くとか、それまでは治安の心配もあり出歩けなかったが、単純に外を歩いても人がいるのでそこまで心配ないなどが、本当に呼吸ができるようになった感じだった。

ただあまりに感染者が増え続けたため、8月からまたマニラはMECQに戻ってしまった。一度緩んでからのロックダウンは結構きつい。

この5ヶ月を振り返って自分は何をしていたかというと、特に目に見えるようなアウトプットは何もしていない。仕事に行っていた。別宅に置いていた大量の物を処分という大事業はあった。制作はやろうとしても進まない。Netflixを見ていた。人生のことを考え続けた。社長と雇用に関しての交渉が何回かあった。(疲れた)、引っ越し先を探した。。。

最近よく思うのだが、何だかこれらのことをこなし、毎日起きて食べて生活し、生きるので精一杯なのだ。もう、そういう時期と割り切るしかない。ああ今日も何もしなかった、と思っても、今日も一生懸命生きた自分偉い、と褒めて終わるようにする。ロックダウン前は随分活動的だったのだな、としみじみ思う。今はとてもフットワークが重い。

人と会う回数がかなり減ったので、自分自身のことを考えている時間が増えた。健康を保たねばならないので、自分の体に敏感になった。

順調に太ってしまったが、自分の体に必要な食べ物の量もわかっては来ている。それとは別に、脳がストレス回避の為に炭水化物や甘いものを欲しているのも自覚している。

そして朝ごはんは、本当はほぼいらないかほんの少しでいいこともわかっている。(朝ごはんマガジンだというのに・・・)

私はできることならばミニマリストになりたい。と思って何年か経つが、アーティストをやる限りミニマルとはほど遠い。それでも制作に必要なもの以外は、部屋が狭いのもあり、かなり断捨離してきた。

隙間がある、余白がある。一つのことに集中できる。雑味がない。必要なものだけが揃っている。そういう暮らしは理想的だ。考える隙間ができるので、すぐに新しいことを始められそうな気がする。なかなかなれないが、そうありたいとはいつも思っている。

ようやく朝ごはんの話。そんなこんなで、本当は朝は食べないか、ほんの少量で良い。せめて朝ごはんはミニマルに。

画像1

1年くらい前から、マニラのコンビニには「FuwaFuwaシリーズ」のパンが登場した。日系の商社が関わっているらしく、かなり日本に流通しているパンにクオリティが近い。フィリピンのパンデサルも好きだが、どうしても日本の食パンが食べたくなると、わざわざちょっと先のモールにある日本系パン屋まで行かなければ行けなかった。

「FuwaFuwaシリーズ」が出てからはもっぱらそれで満足できている。そして最近、バナナ味が登場した。

画像3

人工的な味に違いはないが、バナナ風味でほんのり甘く、糖分も摂取したい朝にはとても良い。薄めのブラックコーヒーにも合う。あとはトマト。これで完璧。

今日は休日なので、少し品数を増やしてみた。

画像2

ハムと、茹で卵つき。茹で卵は塩でいただきます。

8月4日以降の再ロックダウン以来10日間家と会社の建物から出なかった。昨日なんだか本当に鬱々と疲れてきてしまい、限界を迎えて久しぶりに外に出た。それまで外に出るのに心理的障害があった。

まずコンドミニアムのレセプションで検疫パスをもらわないといけない、(GCQ時はいらなかった)また全部貸し出されていると言われ、レセプションで交渉したり揉めるかもしれない、外出している人が少ないので治安的に危ないかもしれない、以前昼間でも警察にIDを出せとイチャモンをつけられたことがあった、またあるかもしれない、そういうこと全てがMECQになって以来また私を引きこもらせていた。

が、もう限界だったので歩いて20分のショッピングモールに向かった。レセプションで検疫パスはすんなりもらえた!モールまではそれなりに人も歩いており、無事に辿り着けた!モール内のいくつかの店は先月に比べ閉まっていたが、私の好きなアート雑貨の店が開いていた!

ああなんて、癒される。

画像4

画像5

GCQの時に訪れ、欲しかったが我慢した皿がまだあった。生きるのを頑張っているご褒美は割と自分に与えているような気がするが、自分を労うつもりで皿を購入した。

ハムと茹で卵追加の朝食がのっている皿はそこで買ったもの。新しい器は自分を上機嫌にしてくれる。

意外と、外に出られた。それもまたよかった。外に、出ようと思えば出られるのだ。

経済が立ち行かないので、来週にはまたマニラはGCQに戻ると予想されている。そしたらもう少し、外向きな自分を取り戻していきたい。


雑貨のお店はGuava Sketches、グリーンベルト5の3階。https://www.guavasketches.com/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?