渡辺敦子

壊れても、直して使える”サステナブルな器”のブランド、Zen(繕)主宰。 セレクトショ…

渡辺敦子

壊れても、直して使える”サステナブルな器”のブランド、Zen(繕)主宰。 セレクトショップ「かぐれ」ディレクターを経て、岩手県遠野市と鎌倉の二拠点で暮らす→2021年春より、長野県御代田町に転居。二人の女児と超大型犬の母。馬と暮らすのが夢。

最近の記事

【蒔絵講習の記録】第3回:粉固め(ふんがため)〜磨き。

前回の「粉入れ」を行ってムロに置き、2週間ほど放置。 十分に乾いたところで、次は「粉固め」と「磨き」です。(蒔いた金属粉を漆で固めてから、磨いて金属の輝きを出す。) こちら、やってることは金継ぎの仕上げと概ね同じです。 が、面積が違うのと、下地が硬い陶磁器ではなくてピカピカの漆板。手順はちょっと違ってくるのです。 <粉固め> パネルの全面に漆を塗り込みます。2度、重ねます。 ①初めは漆が染み込みやすいように、漆をテレピンで薄めたものを使用。 ②2回目は、漆そのままを塗り込み

    • 【蒔絵講習の記録】第2回。粉入れ(ふんいれ)。

      前回「置目」したところに、今回は「紛入れ」をしていきます。 以下先生より〜。 <「紛入れ」ふんいれと言う言葉は、蒔絵の工程の中で、通常「漆を塗って〜粉を蒔く」までの事を指します。 「紛入れしといてなー」 などの使われ方をされて、この場合「塗付けして、紛蒔きまでしておいて」と言う事になります。> 今回の教室では、漆を塗る(描く)と蒔くの2つの工程を一緒にすると分かりにくいので、「線描き」と「紛入れ」とに分けて説明しています。 ↑写真の右上の方の、線がはっきりしたところが

      • 【蒔絵講習の記録】第一回。置目(おきめ)。

        はい、第一回目に行うのは”置目”です。 置目、Weblio辞書によると、以下のように出ます。 今回、蒔絵を施すのは漆の塗られた練習用のパネルです。(こういうものが、あるのですね) そこに下絵を写していくのですが、以下のような手順で行います。   ①図案に和紙(裏面)を重ね、薄墨でなぞる。   ②和紙(表面)に、墨の線を透かしながら、図案を焼き漆で描く。   ③焼き漆で描いた面をパネルに当て、上から刷毛で押さえて転写する。 ①、の、図案を薄墨でなぞっておくことが、前回出さ

        • 【蒔絵講習の記録】蒔絵をはじめるまで〜準備もろもろ。

          金継ぎを仕事にして1年ほど。 数えてはいないけど、直した器の数は500は超えたと思う。 その間、うまくいく時はいいのだけど、 うまくいかない時、 例えば、 蒔いた金がモヤモヤする(漆の表面が波打つ)、とか ホコリが取れない!とか、ミスった時にうまく修正できない、とか、 金が思うように光らない!とか。 問題や悩みや、もっと上手い手があるのでは?ということがあると 全部まるっと、相談して、答えてもらっていた先生がいらっしゃいます。 当時、隣町に住んでいた蒔絵師の朋子せんせ。

        【蒔絵講習の記録】第3回:粉固め(ふんがため)〜磨き。

          クラファンも後半戦に突入です!新しいリターンを追加しました。

          ”サステナブルにめぐる器”のブランド、「Zen」主宰の渡辺敦子です。 11月26日から始まったクラウドファウンディングもちょうど中間地点となりました。 ご支援くださった皆々様のおかげで、序盤は好調、最初の7日間で70%のご支援をいただくことができました!が、10日をすぎて伸び悩み、動きは徐々にストップ…これはマズい。完全に短距離走タイプの、スタートダッシュだけ元気で後半バテる、わたしそのもののレース展開ではないか…。。。 ここで、キャンプファイヤー事務局の方からいただいた

          クラファンも後半戦に突入です!新しいリターンを追加しました。

          いよいよ、ついに、クラファン始まります。

          クラファンはじめます!と宣言してから早1週間…。 ようやく、ついに、公開されることになりました! 11月26日早朝からスタートです! 公開時のサイトはこちらです。(←閲覧ができるのも明日の早朝からです。) (すみません、何しろ初めてのことで…プロジェクト作成後に、クラファンサイト運営側によるプロジェクトの承認手続きがあることを知らなかったのです…汗。しかしその過程で、キャンプファイヤー のご担当者の方には大変お世話になりました。親切で丁寧な仕事ぶり、とても助けられました。こ

          いよいよ、ついに、クラファン始まります。

          Zen(繕)のクラファン、はじまります!

          Zenを企画しはじめてから半年くらいたったでしょうか…。 ようやくクラウドファウンディングを開始できる運びになりました!(→公開はまだですが、クラファンページはこちら) PR動画の制作は、もう10年くらいのおつき合いになるのかな、カメラマンの濱津和貴さんです。ウェブサイトやリーフレットなどの紙ものの写真もすべて彼女の撮影になります。いつも明るくて屈託のない性格のワキちゃんが撮る写真は、うつわを撮ってもなんだかハッピー。笑い声が聞こえそうな気がするのは私だけじゃないはず。(実

          Zen(繕)のクラファン、はじまります!

          そもそも、金継ぎって…???解説します!

          こんにちは。 ”サステナブルにめぐる器”のブランド、「Zen」(繕) をはじめます、渡辺敦子です。 前回の投稿で、<★次回、クラウドファウンディングのお知らせします。>と書きましたが、まだそのお知らせが整わないので…すみません。(11月17日〜の予定、と書きましたが、ちょっと延期して20日から始めたいと思っています!) その前に。今日は金継ぎについての解説をしたいと思います。 ”サステナブルな器”といっても、陶磁器はいつか割れてしまうかもしれません。でも「Zen」(繕) で

          そもそも、金継ぎって…???解説します!

          壊れても、直して使える”サステナブルな器”?「Zen」(繕) という取り組みについて。

          前回は、「Zen」(繕) (壊れた現代作家の器を、金継ぎして販売するプロジェクト)を始めるまでのいきさつを書いた(→こちら)のですが、今日はこのプロジェクトの内容を、できるだけ詳しく説明します。 「Zen」(繕) の特徴 一般的に、金継ぎのサービスは個人間で行われている事が多くて、大切な器を壊してしまった時に、どうにかならないものかと思って直せる術を探し、金継ぎ師を探し出して依頼する、というのが多いと思います。 (そもそも「金継ぎ」って何?詳しく知りたいわ!という方へ、今

          壊れても、直して使える”サステナブルな器”?「Zen」(繕) という取り組みについて。

          「金継ぎ」したうつわを紹介するブランド、「Zen」(繕) に込めた願い。

          こんにちは。はじめまして。 金継ぎで直した器を販売する、「Zen」(繕) というブランドを立ち上げました渡辺敦子です。 「Zen」(繕) という名前は“繕い(つくろい)“から取っています。(「金継ぎ(きんつぎ)」を「金繕い」、「漆繕い」ともいいます。) そもそも金継ぎって何?という方もたくさんいらしゃると思いますが、まず私が何者か、どうしてこのプロジェクトを始めるに至ったのか、はじめにこれまでの経緯をお話したいと思います。 これまでの私。益子〜表参道〜遠野。 現在、鎌倉を

          「金継ぎ」したうつわを紹介するブランド、「Zen」(繕) に込めた願い。